損益分岐点とオプションの最終確認【byやまくー】
■はじめに■
みなさんこんにちは!タキプロ7期東京のやまくーと申します。今回、2回目の投稿をさせていただきます。
前回は、モチベーションという、いわば精神的な部分をテーマに投稿させていただきました(前回の投稿「合格後の姿をイメージしてモチベーションアップを!」はこちら)。今回は、超直前期ということで、試験に実際に出そうな具体的な論点をテーマに投稿させていただきます。
具体的な論点として財務・会計から、
①損益分岐点 ②オプション
の2点を取り上げます。これらを取り上げる理由は、
①出題頻度が比較的高いから
②結構紛らわしいため、受験生の間で差がつきそうだから
③1次試験だけではなく、2次試験にも出題される可能性があるから
の3点です。では早速始めましょう。
■論点①~損益分岐点~■
最初の論点は、損益分岐点売上高です。
損益分岐点売上高は、必ず自信を持って計算できるようになっておいてください。試験本番中に「固定費は分母だったっけ?分子だったっけ・・・?」みたいになっては絶対にダメです。
それでは、公式の導出プロセスを確認していきます。
損益分岐点売上高とは、売上高と費用が釣り合う売上高です(損益分岐点売上高=費用)。そして費用は、変動費と固定費に分けて考える(費用=変動費+固定費)ので次のようになります。
【損益分岐点売上高=変動費+固定費】
またここで変動費とは、変動費率(売上高に占める変動費の割合)を用いて表すと次のようになります。
【変動費=損益分岐点売上高×変動費率】
以上のふたつの式から次のようになります。
【損益分岐点売上高=損益分岐点売上高×変動費率+固定費】
そしてこの式を損益分岐点売上高について解くと、以下の流れで公式が完成します。
【損益分岐点売上高-損益分岐点売上高×変動費率=固定費】
【損益分岐点売上高×(1-変動費率)=固定費】
【損益分岐点売上高=固定費/(1-変動費率)】
以上の流れをよく理解しておきましょう。
なお、以上を理解できれば、類似の論点「目標利益を達成するための売上高(以下、目標売上高)」も楽勝ですね。
目標利益=目標売上高-費用ですので、目標売上高=費用+目標利益となります。そして費用=変動費+固定費でしたので次のようになります。
【目標売上高=変動費+固定費+目標利益】
【目標売上高=目標売上高×変動費率+固定費+目標利益】
<↓目標売上高について解く>
【目標売上高=(固定費+目標利益)/(1-変動費率)】
■論点②~オプション~■
ではふたつ目の論点、オプションです。ここではオプションの価値を取り上げます。
「原資産価格が上昇すると、コールオプションの価値は上昇する。この記述は正しいか?」
といった問題が結構出ます。この、原資産価格の部分が権利行使価格に置き換えられたり、コールオプションの部分がプットオプションに置き換えられたりもします。
つまり、次のような問題です。
「権利行使価格が上昇すると、コールオプションの価値は上昇する。この記述は正しいか?」
「原資産価格が上昇すると、プットオプションの価値は上昇する。この記述は正しいか?」
「権利行使価格が上昇すると、プットオプションの価値は上昇する。この記述は正しいか?」
以上の4パターンがあり得ますが、これを見て混乱してしまった人はいませんか?
それでは、判断のプロセスを確認していきます。
オプションの価値とは、コールであろうとプットであろうと、売値と買値の差です。(要は、安く買って高く売るということ)
【価値=売値-買値】
そしてこの先はコールとプットで話が変わりますので、①コール、②プット、の順で説明します。
①コールは「買う」権利ですので、買値が権利行使価格、売値が原資産価格になります。つまり次のようになります。
【買値=権利行使価格、売値=原資産価格】◆ここがポイント◆
以上から
次のようになります。
【価値=原資産価格-権利行使価格】
よって次のようになりますね。
「原資産価格の上昇あるいは権利行使価格の低下により、コールオプションの価値は上昇する」
(売値の上昇あるいは買値の低下ですから、当たり前ですね)
②プットは「売る」権利ですので、売値が権利行使価格、買値が原資産価格になります。つまり次のようになります。
【売値=権利行使価格、買値=原資産価格】◆ここがポイント◆
以上から次のようになります。
【価値=権利行使価格-原資産価格】
よって次のようになりますね。
「権利行使価格の上昇あるいは原資産価格の低下により、プットオプションの価値は上昇する」
(こちらも、売値の上昇あるいは買値の低下ですから、当たり前ですね)
以上で楽勝ですね。先の問題を解いてみます。
「原資産価格が上昇すると、コールオプションの価値は上昇する」
⇒売値の上昇だから価値は上がる⇒記述は正しい
「権利行使価格が上昇すると、コールオプションの価値は上昇する」
⇒買値の上昇だから価値は下がる⇒記述は正しくない
「原資産価格が上昇すると、プットオプションの価値は上昇する」
⇒買値の上昇だから価値は下がる⇒記述は正しくない
「権利行使価格が上昇すると、プットオプションの価値は上昇する」
⇒売値の上昇だから価値は上がる⇒記述は正しい
■まとめ■
ではまとめです。
①損益分岐点については、次の式をよく理解しておきましょう。
【損益分岐点売上高=変動費+固定費】
【損益分岐点売上高=損益分岐点売上高×変動費率+固定費】
<↓損益分岐点売上高について解く>
【損益分岐点売上高=固定費/(1-変動費率)】
②オプションの価値については、
【価値=売値-買値】
であるため、売値の上昇あるいは買値の低下により価値が上昇することをまず押さえます。
そしてコールの場合は、
【買値=権利行使価格、売値=原資産価格】
となり、(プットの場合は買値と売値が逆)
「原資産価格の上昇あるいは権利行使価格の低下により、コールオプションの価値は上昇する」
となることを理解しましょう。(プットの場合は原資産価格と権利行使価格が逆)
いかがでしたか?丸暗記しようとするとしんどく、試験本番中にも「あれ?どっちだっけ・・・?」っとなりかねません。一方、このように一つひとつ順番に理解しておけば、本番中でも冷静に判断できそうですね。今日取り上げたふたつの論点、よく理解しておいてください。
■おわりに~エールと御礼~■
みなさんの試験突破を心から応援しています。
試験勉強を最後の最後まで猛烈に頑張り抜き、今年の試験で何が何でも合格を勝ち取りましょう!!
そして来年度は診断士として、我々と一緒に楽しく活動しましょう!(診断士としての活動内容についてはこちらの投稿をご覧ください)
という感じで、やまくーからの「損益分岐点とオプションの最終確認」の投稿を終えようと思います。いずれかの論点が実際に出題され、みなさんが自信満々で1マークをゲットされることを祈ります。
色々大変な時期に最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。では、お体に気を付けて頑張ってください!
ご意見・ご質問等ございましたら、下にあるコメント欄にどうぞお寄せください。
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