時間がない人向けの1次試験対策/いいぜん(弁護士)
みなさん、こんにちは。タキプロ10期東京のいいぜん(弁護士)です。
前回記事(自己紹介等)はこちらです。
さて、1次試験対策が、そろそろ本格化してきている頃だと思います。
私は1次試験を3回受けて、全て、かなりギリギリで受かっていますので、勉強時間が不足していて実力が足りなくても何とか1次試験を突破するにはどうしたらよいか、ということを今回は書こうと思います。もちろん、しっかり勉強して1次試験はかなり余裕をもって合格するのが王道ですから、こんなのでも受かるのだと安心するのではなく、みなさんはしっかり勉強時間を確保してください。
1.1次試験の受験履歴
経済学 | 財務会計 | 企業経営 | 運営管理 | 経営法務 | 情報 | 中小 | 合計 | |
平成26年 | 48 | 52 | 61 | 48 | 96 | 60 | 61 | 426 |
平成28年 | 56 | 48 | 71 | 60 | 80 | 76 | 48 | 439 |
平成30年 | 64 | 48 | 54 | 68 | 76 | 56 | 61 | 427 |
平均点 | 56.0 | 49.3 | 62.0 | 58.7 | 84.0 | 64.0 | 56.7 | 430.7 |
平成26年度の勉強時間は140時間程度、平成28年度及び平成30年度の前は各30時間程度でした。本業がかなり忙しかったため、最低限の時間しか確保できず、最初の年は、TACのスピードテキストをサラッと読んで、スピード問題集を読んだ段階で受験することになりました(独力で解くほどの知識がなかったので、問題をみてすぐ解答を読むというのの繰り返しでした)。
私は弁護士ですので、経営法務(と財務会計)は免除にできるのですが、60点以上を確実に取れる科目を免除するよりは、受けた方が得策だと考えたので、あえて免除せずに全て受けました。受験対策上は、財務会計だけ免除するというのが最善策だったように思いますが、2次試験のことを考えると財務会計の知識は必要不可欠で、免除すると勉強しなくなってしまうと思って、あえて受験したところ、毎回、撃沈しました。弁護士になる前にメガバンクに10年以上勤めていて、20年以上前に簿記2級に受かっていたので、財務会計は何とかなるだろうと思っていたのですが、すっかり知識が抜け落ちてしまっていました。私が2次試験で苦労した最大の原因は財務会計の勉強不足です。みなさんは、特に財務会計と企業経営と運営管理は2次試験のことも考えてしっかり勉強してください。
経営法務は、平成26年度はスピード問題集を一通り読んで受験したので、96点を取ることができましたが、平成28年度と30年度は全く勉強せずに臨んだところ、80点と68点(+8点の一律加算)という、今一つの成績に終わりました。弁護士とはいっても、知的財産分野などは、私の事務所ではほとんど取り扱いませんので、最低限の勉強はしないと駄目ですね。ということで、得意分野でも、直前期に最低限の勉強はしないと、稼ぐつもりが稼げなくなりますので、注意してください。
2.1次試験の対策(全般)
1次試験は、各科目とも40点を取るのは比較的容易ですが、60点を超えるのはなかなか大変です。毎年、問題の難易度にもムラがありますので、コンスタントにすべての科目を60点以上で揃えるのは、非常に困難だと思います。でも、3年計画で科目合格を目指していくという方法は得策ではありません。得意科目から先に受かって、苦手科目が最後まで残ったりします。そうではなくて、勉強が進んでいなくても、とにかく初年度から7科目を全て受けるべきです。
1回で420点以上取れるのがベストですが、そうではなくても、あまり勉強していない科目でラッキーパンチで60点以上が取れたりすることがあります。そうすると、翌年度は、ラッキーで受かった科目は免除して、残った苦手科目と、絶対60点以上がとれる得意科目は免除せずに再度受けることを組み合わせることにより、平均60点以上で合格を取りにいくことができます。私の場合、初年度は企業経営と情報と中小で60点以上を取ることができましたので、仮に合計で420点に足りなかったとしても、翌年度は受からなかった3科目に経営法務を組み合わせて、合計で平均60点以上を目指すということができました。苦手科目を60点以上を取るのは、多大な努力を必要としますが、何とか50点以上を確保したうえで、残りは得意科目で補填する方が楽です。
マークシートの問題を解くうえで重要なのは、あやふやな知識を幅広く増やすことではなく、確実に〇か×かを判断できる知識を着実に増やすことです。4択の問題は25%の確率で正解が出ます。その4つの肢のうち、確実な知識が1つあれば、3択となり、33.3%の確率で正解がでます。絶対確実な知識を入れることにより、正解の肢を選ぶ確率を上げることが大切なのであり、正答率を50%まで持っていくために必要な知識はそれほど多いものではありません。頻出分野を確実に抑えましょう。
もっとも、この方法をとる前提としては、絶対的な得意科目を1つ以上持っておく必要があります。私の場合の経営法務はちょっと特殊ですが、7科目もあれば、みなさんも絶対的な得意科目があるのではないでしょうか。情報の専門家の方とか、たくさんいらっしゃると思います。1科目でも80点以上が取れる科目があると、1次試験は非常に楽になります。
2次試験のことを考えると、「財務会計」と「企業経営」と「運営管理」はしっかり勉強した方が良く、ここは60点取れるように勉強しましょう。また、「中小」はちゃんと勉強すれば60点以上を取ることは難しくありません。これらの科目をしっかり勉強しておけば、残りの科目を40点以上取れるレベルにもっていくことで、1次試験に合格できます。
3.1次試験(経営情報システム)の対策
今回、私がメインで書くように与えられた課題は、実は、「経営情報システム」の対策についてでした。弁護士なんだから、「経営法務」を説明した方がいいと思われるかもしれませんが、「経営法務」の勉強はそれこそ何万時間もやっていますので、一般の人向けに効率的な勉強方法について解説するのは難しかったりします。
新しく1から勉強する科目については、時間的余裕があれば、テキストをしっかり読んだ方がよいでしょう。また、金銭的余裕があれば、予備校の講義をしっかり聴くのがよいと思います。しかし、そのような余裕がない人は、まずは問題集を問題と解説を流し読みするのがよいと思います。どこの問題集でも良いですが、例えばTACのスピード問題集を3時間でザーッと読んでみてください(過去問でも良いと思います)。細かく1つずつ覚えるのではなくて、全体的にどんな感じの問題がでるのかを大まかに把握するのが大切です。問題形式でアウトプットを意識した形でインプットするのが効率的で、最初からテキストを細かく読み込むのは無駄が多く、読んだ端から忘れてしまいがちです。ざっくり一通りの問題を読んだうえで、今まで自分が培ってきた一般常識と組み合わせれば、40点くらいは何とか取れるようになるものです。そこから60点以上コンスタントに取れるようにするためには、多大な努力が必要であり、そのために予備校の講義などがあるのですが、全体像をつかみさえすれば40点くらいは何とかなるというのを、まず抑えておいてください。3時間もあれば40点くらいは取れるのですから、受け控えなどせずに、初年度から7科目受けるべきです。
経営情報システムの問題では、やたらとアルファベットの頭文字を組み合わせた用語が出てきますが、これが何の略なのかを確認しておくと、理解しやすくなります。そのうえで、IT関係に一般的な興味があるか否かでずいぶん変わってくると思います。私はITについては素人ではありますが、パソコンにフロッピーディスクすらなかった時代からパソコンを触っていましたし、今でもパソコンを買うときには、BTOでパーツを選択していたりするので、パソコンの中身については、アバウトな知識はあります。自分でパソコンを買うつもりになれば、細かなパーツの違いについても頭に入ってくるものです。テキストだとイメージがわきにくいですが、ネットサーフィンをしながら、実際の使用例とかを見ていると、そういうことなんだなというのがわかってきます。テキストに書いてあることを細かく覚えるよりは、テキストに出てくるテクニカルワードについて、気になったものをとりあえずググってみる方が、具体的イメージがわくので、おすすめだと思います。自分の会社のシステムはどうなっているのだろうかとか、身近なことを調べてみると、何だ、これが、テキストでいうところの〇〇〇〇ではないか、というのがわかってきます。こうして覚えたものは忘れません。何個か重要なものをしっかりおさえると50点レベルには到達できます。
私が最初に受験した年は、経営情報システムの勉強時間は10時間くらいでした。おそらく実力的には50点くらい取れるレベルの段階で受験したところ、ラッキーパンチで60点も取れました。平成28年度は3時間ほど勉強しただけですが、この年の経営情報システムは非常に難しかったにもかかわらず、76点も取れました。平成30年度は全く勉強しなかったところ、56点しか取れませんでしたが、まあ、得意科目以外は56点も取れれば十分です。
40点取れそうもない科目を、何とか40点以上取れるように勉強した後は、得意科目との組み合わせで1次試験を逃げ切ることは、それほど難しくはありません。もちろん、勉強すればするほど確実になりますから、時間があればしっかり勉強すべきですが、勉強時間が足りないからといって、受け控えをするのは損です。勉強時間がなくても、何とか1科目3時間だけでも問題集をザーッと読む時間を確保したうえで、最初から7科目受けてしまいましょう。
4.最後に
本ブログをお読みの皆様が1次試験を突破されることをお祈りしております。
明日は、タキプロ東京から、ささたかさんの登場です。お楽しみに。
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