【1次知識 消費者効用と無差別曲線】(GW特集)
こんにちは。frost*@タキプロGWゲストブロガーです。
今回、1次知識ということでお題を頂きました。
ふむ…。
1次知識。
frost*の大学の専攻は経済。
ゼミはドラッカーについて。
なので比較的、1次の経済学、企業経営理論は得意としていました。
経済学は財務と同様、基礎・基本を押さえないと次のステップに向かうのが難しい教科です。
キーワードが覚えにくい、グラフの多用で何を言っているのか分かりにくい、など思っている方も多いのではないでしょうか。
というわけで
今回は、経済学の基礎となる消費者効用と無差別曲線についてお話しします。
って、この時点で「もうやだ!」というアレルギー反応が出てしまう方、いると思います。
大体、「効用」「無差別」ってなんだよ、ってね。
そこから説明していきましょう。
「効用」というのは簡単に言えば満足感です。
真夏の暑い日、のどが渇きました。
そこに一杯のビールが!!
飲んだ瞬間に「うまい!」ってなりますよね?
更に2杯、3杯とビールを飲んでいくうちに
次第に「お腹いっぱい」「飽きた」という感情が「うまい!」を上回ってくると思います。
つまり、1杯のビールに対する満足感って量を増やすごとにどんどん小さくなっていきますよね。
この「うまい!」という気持ちを量とお金で表すとどれくらい?というのが「効用関数」であり、この効用関数を図で示したものが効用曲線です。
ちなみに1杯ビールを追加するごとに増える満足感のことを「限界効用」
その1杯あたりの満足感が次第に低下していくことを「限界効用逓減の法則」といいます。
限界効用がビール一杯分の価格を上回る=価格に対して満足感が上回る限り、ビールを飲み続けますが、限界効用が価格を下回ると、「損をする」状態になります。よって、限界効用=価格、となる部分でビールを飲むのをやめます。この点が私たち(消費者)にとって最適点となります。
経済学の用語は日常で使っているニュアンスと少し異なります。
「無差別」もその一つ。
「無差別」とは簡単に言えば「差がないこと」、消費者効用における無差別とは
「私たち(消費者)が感じる満足感(効用)に差がないこと」、つまり、
「私たちにとっての価値が同じ」
やや乱暴に言えばこういうことです。
診断士試験で「無差別曲線」を使うのは大抵
「2つの財の組み合わせ」の場合です。
例えばAさんがりんご10個とみかん1個を持っているとします。
Bさんが「みかんたくさん持っているんだけど、りんごと交換しない?」と言ってきました。
快く承諾しますが、りんご1個にみかん1個では何だか割が合わない。
「みかん2個とりんご1個ならいいかな」
交渉成立。
Aさんの持っているりんごが9個、みかんが3個になりました。
この時Aさんが「得した!」とも「損した!」とも思っていなければ、
Aさんにとって「りんご10個、みかん1個」と「りんご9個、みかん3個」が同じ価値を持つ、ということになります。
このように「自分にとって同じ価値を保つための物の組み合わせ」を指すのが無差別曲線なのです。
さらに、交渉を重ね、りんごの数がどんどん減ってくると、今度は「りんごを手放すのが惜しい」と思い始めます。
その時、これまでみかん2個だったりんご1個の価値が急に上昇するのです。りんご1個にみかん3個、4個というように。
この結果、以下のような無差別曲線になります。
注! frost*はイラストレーターなどという便利な代物は持っていません。手書きですので縮尺がズレまくっていますがご了承ください。
このグラフを見ると
最初は(りんご10個、みかん1個)=(りんご9個、みかん3個)、だったのが、(りんご6個、みかん10個)、(りんご5個、みかん15個)となっていきます。
さらに、
無差別曲線は「同じ効用を実現するための財の組み合わせ」ですので、効用の大きさが異なれば無差別曲線も異なります。
例えば、
「りんご10個、みかん5個」の組み合わせは、「りんご10個、みかん1個」の組み合わせより当然効用が高いと言えるわけです。じゃあ「りんご10個、みかん10個」は??
これ、考え出すときりがないですよね。
これは効用の大きさによって無差別曲線は無数に存在する、ということを示しています。
加えて「持っている財が多ければ多いほど、満足度が高い」ため、下図で言うと無差別曲線1より2、2より3の方が効用が高いことを示しています。
このように、人間の欲望にはキリがないということです。
あ、違った。
このように、無差別曲線は無限に存在し、できるだけ効用が高いものを実現しようとします。
実は同じ意味です。
ちなみに無差別曲線は交差しません=平行です。
下手な絵のせいで歪んで見えますが、あくまで無差別曲線は平行です。なんと言おうと平行です。
同じレベルの満足度を保つためには、今現在持っている財の価値を、より下位の水準の満足度とおなじ量かそれ以下に減らすことはしないのです。りんご10個とみかん10個を持っているのに、わざわざりんご5個、みかん5個になるような取引はしないということです。食べたのなら別ですが。
いかがでしたでしょうか。
分かりやすく伝えるために、やや荒削りな表現をしていますが、診断士試験では十分かと思います。
無差別曲線はスルツキー分解の基礎となりますので、しっかり押さえておいて下さい。
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