これをやったら二次試験は不合格!(5):損益分岐点分析のお作法
こんにちは、ブルペンエース@タキプロです。
本シリーズでは、二次試験でやってはならないことをテーマに、本試験の際、ブルペンエースが実際にやらかしてしまった事故(失敗)をご紹介していきます。
受験生の皆様は、同じような失敗を犯さないように、ぜひ、本ブログを反面教師として頂きたいと思います。
さて、第5回は、「損益分岐点分析のお作法」についてお話します。
平成21年事例Ⅳは、スポーツウェアの製造および販売を行っている企業が取り上げられました。スポーツウェアは景気変動の影響を受けやすいという特性を持っているからでしょうか、海外の景況悪化による売上高の変動リスクが、経営課題として繰り返し議論されている模様が与件では描かれてましたね。
平成21年は事例Ⅲが大変難しかったように覚えてますが、事例Ⅳも近年に稀に見る難しさ(ファイナンスを得意とする人以外はめんくらう)だったように思います。
というのも、新しい試験制度となった平成13年以降、初めて経営分析で「長所」、「短所」が問われたこと、一次試験でもなかなかお目にかからない「財務レバレッジ」、「営業レバレッジ」の論点が問われたこと等、作問者(試験委員)の変更による出題傾向の変化が、事例Ⅳを苦手とする受験生を苦しめた試験年度だったと感じています
そして、ご多聞に洩れず、事例Ⅳを苦にしており、その理由が「小学生時代から算数が苦手」というブルペンエースは本試験の混沌(カオス)に飲み込まれてしまったのでした
ブログを読んで頂いている皆様は、「景気変動による売上のバラつき発生はやむない。その上で、売上低下の局面でも赤字にならないようにするにはどうすべきか」という事例を貫くテーマに気付かれましたか?与件文と設問を読んだ段階でぱっと思い浮かんだ方は、合格レベルの実力をお持ちの方だと思います
一方、私は試験の開始から終了まで、何を問われ、そして何を聞かれているのか、わからない状態で80分間を過ごすはめになりました・・
それでは、まったくと言っていいほど、歯が立たなかった本試験を振り返ってみましょう。
平成21年事例Ⅳの設問を確認すると、
第1問は長所・短所のうち重要と思われる経営指標を取り上げ、長所・短所が生じた原因を論述させる経営分析問題。
第2問が期待値と標準偏差、財務レバレッジをテーマとした計算及び記述問題。
第3問がCVPと営業レバレッジをテーマとした計算及び記述問題。
第4問が為替予約とオプション取引をテーマとした計算及び記述問題
という構成でしたね。
第問~第問で、計算問題がつ(解答に計算結果を盛り込まなければ、5つ)あり、論点は小難しいうえ、計算だけで、時間が不足しそうなことが、設問構成からひしひしと伝わってきます
第問は財務レバレッジの公式 【ROE=ROA+(ROA-i)D/E × (1-T)】を事前に知っていればどうにかなったのかもしれませんが、当時の私は財務レバレッジというキーワードすら知りませんでしたので、第2問の小見出しを読んだ瞬間、後回しにしようと決めました。
続いて、第 問に目を移すと、損益分岐点売上高が問われています。私は、数ある事例Ⅳの計算問題の中でも、平成13年以降、度々、出題されていることに加え、計算式も容易で比較的解きやすい第3問設問1(a)のCVPからチャレンジすることにしました
「平成20年度の損益分岐点売上高か」
「落ち着いてやれれば、行けそうだ」
ただ、第3問の小見出しを再読すると、見慣れぬ縛りが付いていることがわかりました。経常利益ベースでの損益分岐点分析によるシュミレーションを開始した。とあります。
「はて」
「損益分岐点分析は営業利益ベースでやるもんぢゃないの 」
「営業外収益と営業外費用はどう処理するんだろ 」
今まで、営業利益ベースでしかCVPをやったことがなかったため、解法がわからない私は、ここから自分勝手に営業外損益を処理し始めます。
「営業外収益は収益だから、売上に足して計算だな」
「固定費は売上原価に占める固定費と販売費・一般管理費に営業外費用を足すんだろな」
「売上高=5611+3」
「変動費=2606」
「固定費=1598+931+208」
「損益分岐点売上高は・・5108だ」
ドッカーン(大事故)
という経過を辿り、この年の計算問題で、もっとも簡単だったCVPの計算を間違ってしまったのです。経常利益ベースのCVPは、ある意味難易度調整だと思うのですが、私はまんまと出題者に踊らされてしまったようです
また、続く、第3問設問1(b)売上高が20%減少したときに予想される経常利益も、(a)欄同様、営業外損益の処理を思いこみで計算したため、間違ってしまいました
そして、試験終了後、とある予備校の解答解説会に参加した際、第3問の小見出しに、「営業外損益はすべて固定費とする」という記載があったことに気付くのでした・・
残念な読み落としと、焦燥時特有の思いこみによって、取れたはずの計算問題を落とす結果となり、悔やんでも悔やみきれない思いを抱え、解答解説会から家路につく羽目になりました
それでは、試験当日の再現答案を見ていきましょう。
【平成21年事例Ⅳ 第3問】
(設問1)
「a」 5,108百万円
「b」 △332百万円
(設問2)
本社の売却とアウトソーシングにより、固定費が減少するため、費用構造が変化する。また固定費の削減で利益が出やすい構造になるとともに、有形固定資産の売却や売却金による長期借入金の返済により、財務上の短所が解消し、財務の健全性が高まると考えられる。
本試験で見たことや聞いたこともない論点、初めて目にするキーワードについて出題されたとしても、与件文や設問文、小見出しの中に必ずヒントが例示されている。よって、とにかく焦らずじっくりヒントを探すことが重要だということを、不合格後に思い知ったブルペンエースでした
第5回の失敗事例から学ぶ教訓
その :経常利益ベースのCVPでは、営業外損益を固定費として取り扱う。
その :その年一番簡単な計算問題だけは絶対に当てる。
※周りの人が解けている問題を落としてはならない)
ちなみに、平成21年の本試験を、私は友人と共に受験しました。彼はこの年の合格者になったのですが、後日、こんなことを言ってました。
「計算問題はほんとに難しかった 」
「正直手が出なかった」
「ただ、唯一、第3問設問1(a)だけ当たっていた」
「CVPは何度も繰り返し計算してきたから」
もしかしたら、この年、第3問設問1(a)が、受験生の合否を分けたポイントとなる問題だったのかもしれませんね。
これから受験される皆様も、「損益分岐点分析のお作法」を身に付けていないがために、不合格にならないよう、十分ご注意くださいね。
【実録】「これをやったら二次試験は不合格!やっちまったシリーズ」
第1回:受験番号を書き忘れた(かも)
第2回:事例1も生産事例?
第3回:切り口の悪夢
□ 第5回:損益分岐点分析のお作法 ←今回はここ
□ 第6回:経営指標の選択に悩んで40分
□ 第7回:小数点第3位の曲解
□ 第8回:社長の思いを踏みにじる
□ 第9回:設問の注意書きを読み飛ばしてますけど、何か?
□ 第10回:衝撃!○○欄を間違えるなんて・・
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