【みっつんの勉強会ブログ・第4回】2次試験60点答案に学ぶ(学ばない)低空飛行合格術<その3:平成26年度事例Ⅲ>
おはようございます/こんにちは、みっつんです。勉強会ブログ、長文駄文にもかかわらず好評の第4回です。これまでの投稿はこちらから。
診断協会のホームページに今年度の試験日程が公表されましたね。こちらのページです。またこちらには1次試験の受験案内の入手方法が書かれています。5月に入ったらすぐに忘れずに入手ですね。
1次試験は8月5日(土)、6日(日)の開催となりました。このブログの掲載日時点で1次試験まで残り113日(16週)となりました。勉強は順調に進んでいるでしょうか?
2次試験・筆記は10月22日(日)ですので残り191日(27週)です。2次試験・口述(12月17日(日))を経て、目指す最終合格発表が12月26日(火)となっています。昨年度は合格発表が越年しましたので、得も言われぬ、喉に餅がつっかかったような年末年始を迎えていたのですが、今年は4年ぶりに越年しないで最終合格が判明します。お正月を笑って過ごしたいですね。言わずもがなですが、光陰矢の如しです。通勤や昼休みの5分、10分を大切にしましょう!
さて、これまでの、平成27年度事例Ⅰ、平成26年度事例Ⅱに続いて、今回は「平成26年度事例Ⅲ」を取り上げます。みっつんの初受験でしたが、情報開示による得点は63点でした。
平成26年度事例Ⅲについて、以前ご自身で作成された答案などがありましたら、拙答案と比較して検討いただくとよいと思います。また、初見の方は市販の問題集等で一度取り組んで、模範解答とご自身の答案を比較したうえで、63点の答案をそれなりに味わっていただけると幸いです。
<設問文を一通り読み終わっての感想>
C社はX社との関わりが強いんだな。第3問。X社の「唯一の国内調達先」となるなんてすごいじゃないか。でも一方でX社に過依存になりがちでリスクがありそうだけれど、これは第4問で解決するのだな。ここでは第1問の強みの維持強化か、弱みの克服を考えよう。160字が2問もあるからかなり記述量が多い。手強いぞ。ではいってみよう。
第1問(10点)
C社の創業からの事業変遷を理解した上で、精密小型部品加工業界におけるC社の強みと弱みを60字以内で述べよ。
<再現答案>
強みは高度な超精密加工・超小型加工技術、精密部品の一貫生産体制と生産能力、弱みは、X社への取引依存と高額な原材料費である。
<実況中継>
4番目に解く。第4問との関連を意識をしつつ、定番の技術力、営業力での強みを探すと、第2段落「精密部品の一貫生産体制」、第11段落「超精密加工と超小型加工技術の評価が高く、必要な生産能力を有する」とあるので、これを抜き出そう。弱みは第4段落「X社には…経営のかなりの面で依存している」、これはネガティブに捉えてよさそうだ。第8段落「C社のコストに占める原材料費の割合は高く…問題視されている」も弱みと捉える。
<反省>
10点の問題と意識して短時間で切り上げたのでOK。
第2問(20点)
C社の切削工程で問題視されている加工不良率の増加について、その改善を図るために必要な具体的対応策を100字以内で述べよ。
<再現答案>
対応策は、短期的には、設備オペレーターが各自の経験で行う自動旋盤のメンテナンス対応のノウハウを集約、マニュアル化し共有し、旋盤の精度を高く保つこと、長期的には設備を更新し高精度の最新技術の導入である。
<実況中継>
最初に解く。これは第7段落。自動旋盤の精度を上げて加工精度を上げる必要がある。「現在の経営計画には自動旋盤の更新計画はない」ということは裏返すと長期的には更新計画をしないといけないということか。「設備オペレーターが故障対応に主眼を置いて、それぞれの経験で行っている自動旋盤のメンテナンス」ということは、ノウハウの可視化・共有が課題か。こちらは喫緊の課題で、マニュアル化が対応策かな。
<反省>
2次事例問題のお作法の一つに「問題文(現状)の裏返しで解決」というのがある。「更新計画がない」ならば「更新計画を作る」、これはひとまずよかったが、「経験で行っているメンテナンス」を「経験によらずにできるように標準化する」、そして「故障対応に主眼を置いて」いるメンテナンスを「故障を未然に防ぐ保全予防」に変える、という点が足りなかった。おそらく本問では「保全予防」がキーワードでこれを落としてしまったのが厳しい。
第3問(40点)
C社では、主要取引先X社精密部品事業部の国内部品調達および物流の合理化計画に対応するための対策が検討されている。この課題について、以下の設問に答えよ。
(設問1)
C社がX社の唯一の国内調達先となり、部品在庫管理および受注・発送業務の移管が行われると、C社にはどのようなメリットがあるのか、100字以内で述べよ。
<再現答案>
メリットは、①部品調達の海外シフトによる受注機会喪失を想定せず確実に受注できること、②顧客への直接納品によるニーズ収集の容易化と物流等の業務効率化、③主体的に工程管理を行える、④業務委託費収入、である。
<実況中継>
2番目に解く。業務移管とは具体的には何をするのか。あった、第11段落。X社が入手する顧客の3カ月、1カ月発注情報および1週間ごとの確定発注情報をC社とオンライン化し、C社から直接顧客に納品させることから、複数顧客との取引で顧客ニーズの収集が容易になると考えた。それと、当然の「受注機会の維持」「委託費収入」も入れておく。工程管理は従来に比べて主体的に効率を考慮したものに変えられるのではないかな、これは推測なのだが入れておこう。
<反省>
第11段落「3カ月、1カ月発注情報および1週間ごとの確定発注情報」の「オンライン化」により、第8段落「高額な材料が指定」されていて「2カ月分の必要量が確保できるように毎月月末に定期発注して」いるのが、必要量を適切なタイミングで発注することができるようになるから、高額材料の在庫量の削減ひいてはコストダウンが図れる。この視点が全く欠けていた。この解答では部分点としてもかなり低めだろうな。
(設問2)
X社からの業務の移管に対応するためには、C社の生産計画や資材調達計画を今後どのように改革していくことが必要となるのか、160字以内で述べよ。
<再現答案>
改革方針は、生産面では、①現状月毎に立案する生産計画を週毎とし確定受注情報の即時活用を図る、②短納期化に対応して見込み生産を導入する、③切削加工後の工程間管理の一元化、効率化を図る。調達面では、①指定された材料の見直しを顧客に提案し原材料費圧縮を図る、②在庫調整や材料発注の頻度を高めて常備在庫量を減らし固定費削減を図る。
<実況中継>
3番目に解く。「改革」だから大規模な変化を要求している。「生産計画」は第6段落「1カ月ごとに前月末に作成される」、また切削工程以外の「その他の熱処理工程、メッキ工程、検査工程については、切削工程の加工終了後に各工程担当者の判断で加工順を決めている」、とある。これはまずい。なぜなら第12段落「納品リードタイムは1.5カ月から1週間に短縮され」などとあり短納期化対応が必須だから。生産計画の頻度を毎月から毎週に改める必要があるな。これは改革レベルの変更にふさわしいな。あと、発注情報の内示に基づく生産は見込み生産といえるのかな、あまり自信がない。切削工程後の各工程の管理一元化を図る、というのも自信がない。調達面では、調達頻度を高め在庫量を減らし固定費削減、これで決まりかな。高額材料の見直し提案、も入れておこう。
<反省>
まず、第6段落、切削工程以外は「各工程担当者の判断で加工順を決めている」のを改めて「顧客への納期を優先して決める」とする視点が欠けていた。また、「見込み生産」は受注情報なしで予め作って在庫しておくやり方なので、この文脈では不適切だったと思う。あと、第6段落の現状「100品種」から第10段落の移管後「200品種」に増える多品種化への対応も必要。
第4問(30点)
C社社長は、主要取引先X社で進められている国内部品調達先の集約化の動きに対応して、X社との取引を高める一方で、X社以外の販路開拓を行う方針である。この方針を実現するためには、中小企業診断士としてどのような提案を行うか、C社の経営資源に注目して160字以内で述べよ。
<再現答案>
X社との取引実績を他社にも訴求して販路開拓を行う。具体的には、価格よりも品質の高さを追及する精密機器メーカーに対し、高度な加工技術と生産能力、X社への納入実績を訴求し、メーカーのニーズに応える営業展開を行う。現在2名で対応している営業業務の担当者増員やリソース拡充を行う。X社の業務移管でできた新規チャネルも活用する。
<実況中継>
最後に解く。「C社の経営資源に注目して」だから、第1問の強みを生かしていくのか弱みを克服していくのだろう。X社への高依存度を弱みにしてきたから、リスクを低減するためのX社以外の販路開拓とは海外を含むのかな。第1段落「世界市場で著名かつ高額な精密機器の構成部品」という製造実績をアピールするなら海外。でも自信がないので入れずにおこう。営業力は、第3段落、「社長と専務の役員2名」か、これは担当者を増やすしかないな。あと活用できるのは、業務移管でできる各社との繋がりかな、これも盛り込んでおこう。
<反省>
やはりC社は海外メーカー向けに販路拡大していくとすべきだったか。同年度事例Ⅱとおなじく「海外」に触れておくべきだった。それから「X社への高依存」は第4段落「X社には、売り上げ面ばかりでなく製品設計や工程設計などの生産技術や管理技術についても指導を受ける」とあるから、X社以外への販路開拓には「製品設計や工程設計、管理技術」をC社内で持つ体制にしないといけないので、設計部が必要になる。この点が盛り込めれば良かった。
さて、以上のように自分が解答を作成した2014年10月26日の14:00~15:20を振り返ってみましたが、いかがだったでしょうか。事例Ⅲは自分でもうまく解けているかどうか判断が難しいですね。160字は長いけれど、4論点入れると考えたら簡潔な記載を心がけ冗長さを排除する必要がありますね。
実はこの答案で63点取れているということが意外でした。大外ししないように多面的に捉えて複数論点を入れることを意識するようになった、箇条書き答案タイプへと傾倒する、みっつんにとっての転機となった問題だと思います。
さて、まだありますよ60点台答案! このペースだと早々に疲れてブログのネタがなくなってしまうとご心配のあなた! まったくその通り! でも、出し惜しみをせずに書けるところまでやってみたいと思います。次回は、多くの人にとって得点源となりうる事例Ⅳについて。平成27年事例Ⅳ<62点>の巻をお楽しみに!!
ここまで長文にお付き合いいただきありがとうございました。
明日は鳥取発・こうさんです。お得な教材活用法についてだそうです。どうぞお楽しみに!!
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