図形好きのCVP分析(前編) /Kappa
皆さん今晩は。kappa@タキプロ8期です。プロフィールはこちら。前回の記事はこちらをご覧ください。
さて、今日は Kappaにはめずらしく、事例Ⅳの解き方についてお話しします。事例Ⅳは Kappaがもっとも得意とした科目で、唯一70点台をマークした科目でもあります。
しかし、そんな Kappaでも、去年の今頃は、事例Ⅳがかなり苦手で、計算のやり方が全くわからず、勉強会とかに行っても、半分ぐらいは白紙という悲惨な状況でした。それが、2ヶ月後に一転、得意科目になったきっかけは、CVP分析のグラフの見方に目覚めたことです。そう、図形好きの人(三角形の相似とか)にとって、CVP分析は、公式なんか全く覚えなくても、図を描くだけで解くことができるため、絶好の得点源となりうるのです。またCVP分析は、この図が全てなので、P/Lや、生産計画表などを、図に落とし込む方法さえマスターすれば、図を使って解けない問題などありません。
さて、ここでちょっと質問です。皆さんは、CVPの説明図として、
固定費をベースにした図
と、変動費をベースにした図
のどちらを使っているでしょうか?
皆さんの中には、固定費をベースとした図しか見たことがないという方も多いかもしれません。勿論、どちらの図を使っても問題はないのですが、Kappaが図形好きな人にお勧めするのは、変動費をベースにした図です。理由は、変動費と売上高が比例して変化する、というイメージが直接伝わってきて、無用な勘違いを減らせるからです(Kappaが去年、ちょっとした気まぐれでこちらの図を描いて、それがすっかり気に入っただけ、という話もあります(^-^;)。
次の図は、変動費をベースとした図に、CVP分析に出てくる用語を書き込んだ図です。
この図でもっとも大事なのは、
①△DOR ∽ △AOS 相似比 損益分岐点売上高:売上高
②△DCO ∽ △ABD 相似比 固定費:営業利益
という、二組の三角形の相似です(というか、他はいらないのではないかと思います)。これらの三角形の相似を用いて、損益分岐点比率や、損益分岐点売上高を、様々な指標から求めることができます。
まず、損益分岐点比率を求める4つの式を相似を使って求めてみます。まずは、最初の式、
損益分岐点比率=損益分岐点売上高/売上高=E/U …①
これは、損益分岐点比率の定義なので、覚えるしかありません。しかし、三角形を相似を使えば、これと同じ比率となる、他の3つの式が、以下の②~④であることが直感的にわかります。
△DOR ∽ △AOS より、
E/U=R/S …②
∴ 損益分岐点比率=損益分岐点販売量/実販売量
△DCO ∽ △ABD より、
E/U=OE/(OE+EU)
=(α・CO)/(α・CO+α・AB)
=CO/(CO+AB)
=C/(P+C) …③
α=EO/CO=EU/AB
∴ 損益分岐点比率=固定費/限界利益(営業利益+固定費)
P+C=U-Vを、③に代入
E/U=C/(U-V) …④
∴ 損益分岐点比率=固定費/(売上高-変動費)
式で書くとめんどくさそうに見えますが、図形好きな人は、慣れてくれば、上の式を見なくても、直感的に同じ比率になるのがわかるようになると思います(というより、そこまで使い込まないと、実戦(本試験)では使えません)。
一方、損益分岐点売上高(E)は、損益分岐点比率(Rt)に売上高(U)を掛けることで求められます。
E=Rt x U …⑤
損益分岐点比率(Rt)と売上高(U)の代わりに損益分岐点比率(Rt)と変動費(V)と固定費(C)がわかっている場合、
損益分岐点変動費(Ve)=変動費(V)x 損益分岐点比率(Rt) なので、
E=Rt x V + C …⑥
∴ 損益分岐点売上高=損益分岐点比率 x 変動費 + 固定費
また、△DCO ∝ △ABDを使えば、
損益分岐点比率(OR/OS):安全余裕率(RS/OS)
= 固定費(C):営業利益(P) より、
営業利益(P)=固定費x(1-損益分岐点比率)/損益分岐点比率
となります。
これと、以下の式を組み合わせることで、損益分岐点比率(Rt)と 固定費(C)と 変動費(V) がわかれば、売上(U)が求まることがわかります。
売上(U)=変動費(V)+固定費(C)+営業利益(P)
=変動費+固定費+ 固定費x(1-損益分岐点比率)/損益分岐点比率
たまに出てくる、営業レバレッジ(=限界利益/営業利益)についても、△DCO と △ABD が、固定費と営業利益を底辺とする相似三角形であることに注目すれば、
営業レバレッジ=限界利益/営業利益=(P+C)/P
(P+C)/P=(AB+CO)/AB
=(β・EU+β・OE)/(β・EU)
=(EU+OE)/EU
=OU/EU
β= 1/α = AB/EU
∴ 営業レバレッジ=売上高/(売上高-損益分岐点売上高)
などというのもわかります。
安全余裕率 =(売上高-損益分岐点売上高)/売上高 を使えば、
営業レバレッジ = 1/ 安全余裕率 と表すこともできます。
その他にも色々ありますが、この図の使い方をマスターすれば、その場で必要な指標を求める計算式を作成することができるようになります。なので、ここで求めた式を覚える必要は全くありません(但し、指標の定義(太字)は覚えて下さいね(^^;)。
少々長くなってしまいました。次回は、この図を使って、過去問を解いてみたいと思います。
さて、明日は名古屋から。Kickさんが実践した2次試験向けの対策を伝授してくれるようです。ご期待下さい。
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