【おーじ流アドバイス】人気?シリーズ第2弾!H30事例Ⅲの予備校解答をぶった切る!/おーじ

.はじめに

読者のみなさん、こんにちは。タキプロ10期メンバー、「おーじ」です。

さあ、2次試験まであと1カ月ちょっとですね!
1次の勢いそのままに突っ走りたいストレート生も、臥薪嘗胆・乾坤一擲の2年目以降の受験生もここからが本当の勝負です。雑談ばかりだったおーじのブログでもいよいよ本気モードで応援してゆきますので、どうぞ今回も最後までお付き合いください!

===おーじの過去記事===
 #自己紹介および1回目記事「企業経営理論は国語の試験だ!」はこちら
 #2回目記事「2次事例Ⅳのケアレスミスをあなどるな!」はこちら
 #3回目記事「2次での文字量を自在にコントロールする!その①」はこちら
 #4回目記事「2次での文字量を自在にコントロールする!その②」はこちら
 #5回目記事「1次試験会場でよく見る不思議な光景」はこちら
 #6回目記事「経営法務をさらりとクリアする弱者の戦略」はこちら
 #7回目記事「1次試験に受かればもう診断士も同然!?」はこちら
 #8回目記事「与件文でパターン化される経営指標選択(事例Ⅳ)」はこちら
 #9回目記事「経営情報システム・しょーもないダジャレ暗記法」はこちら
 #10回目記事「最高の1次試験のために!直前&本番テクニック集」はこちら
 #11回目記事「H30事例Ⅱの予備校解答をぶった切る!」はこちら
 #12回目記事「事例Ⅳ・まず今やっておくべきこと」はこちら

2.模試受けましたか?

とはいえ、今日も世間話からのスタートです。(ガクッ)
皆さん、模試は受けましたか?おそらく今日16日でほとんどすべての模試が終わったのではないかなと思います。
採点に時間がかかるので、特に初年度生にとってはタイミング的に早すぎますよね。ただ、80分の時間配分や4科目ぶっ通しによる事例Ⅳのときの疲労感、ランチの質・量と午後のやる気と眠気の関係など、たくさん学ぶことができたのではないかと思います。初年度の方はこの経験を活かし、そして解答解説冊子を熟読して至らなかった点をよくよく反芻しましょう。ただ、(特にT■Cあたりの模試で…)超重箱の隅をつつく悪問が出されていることもありますので、復習の際には気を付けてください。
一方、2次経験者の方は、模試でも順位にこだわってください!絶対値としての点数にはさほど意味はありませんが、相対的な順位は結構本番の合否と相関があると、私は考えています。私自身も、2次で落ちた初年度は模試の相対順位で上から30%程度でしたが、合格年では4回受けて3回は上から一けた%台、O原では総合点で全国2位にもなりました。もちろん、模試の後にもたっぷり時間があるので順位変動は大いに起こりますが、2次経験者は現時点で少なくとも初年度生よりもアドバンテージがある訳ですので、模試の時点では上位20%には入っているようにしましょう。(って、もう模試終わっちゃってますね…)

3.予備校の解答比較事例ⅢVer.です

さて、今日の本題です。
以前のブログで、H30年度の事例Ⅱで予備校各校が発表している「解答例」について、比較考察をしてベスト答案を考えてみる記事をあげたのですが、PVなどを見ると意外と好評だったようなので味を占め、横展開の事例Ⅲバージョンをお届けしたいと思います。前回同様、比較する予備校は、ネットで入手した、K校A校(名古屋)、O校T校の4校です。今回も著作権の関係でそのまま転載できませんが、それぞれのHPへのハイパーリンクを付けています。ブログ内で校名(「K校」など)が書かれている個所は全てリンクを入れておきますので、実際の文章でも確認したい方は都度校名をタップしてください。

※注意!)もしもまだH30事例Ⅲを解いていない人は、ここから先は絶対に解いてから読んでください!!

 

お世話になった受験校も含んでおりますが、それらの解答に含まれる要素を横並びで比較検討、ダメなものはダメとして、おーじ流のベストな解答骨子を考えてゆくという記事となります。
(あくまでも、おーじ個人の見解となりますのでご容赦ください)

4.第1問

では、まずは第1問。
第1問(配点20点) 顧客企業の生産工場の海外移転などの経営環境にあっても、C社の業績は維持されてきた。その理由を80字以内で述べよ。

事例Ⅲ第1問恒例の、強みを問う問題ですね。各校の解答例を要素別に分解して、含まれているものに〇を付けたものが以下の表です。

金型一貫体制 技術力強化 顧客のコスト低減 団地組合協力
K校
A校
O校
T校

なんか面白くないですが、見事に全校一致しました。
要は、⑤段落と⑥段落の要約問題です。ここは上手に文字数を省きつつ80字に収まれば大崩れしない問題でしょう。これらのポイントで過不足ないと思います。

5.第2問

続いて、第2問です。

第2問(配点20点) C社の成形加工課の成形加工にかかわる作業内容(図2)を分析し、作業方法に関する問題点とその改善策を120字以内で述べよ。

同じく各校の解答要素を表にしています。

問題点 改善策
段取作業長い 成形機手待ち長い 作業者手待ち長い 移動作業外段取化 昼休み成形機稼働 金型などの5S
K校
A校
O校
T校

 

ここは結構割れました。A校O校は同じ観点で、問題点は段取作業が長時間であるという⑬段落の内容に絞っています。設問に「作業方法に関する」と書かれていたのであえて作業者と成形機の手待ちの問題(待っているのは作業ではない)には触れなかったのかもしれませんが、「図2を分析し」とも設問で言われている訳ですので、与件文に書かれていることだけで満点が取れるとは思えません。作業者や成型機に手待ちが出てしまうこと自体も「作業方法」に問題があると解釈すべきと思います。

そして、おーじの考える解答に必要な要素は、以下の赤文字のもの、つまり全部です。問題点は「段取り時間の長さ」「作業者の待ちの長さ」「成形機の待ちの長さ」であり、解決策は「移動作業の外段取化」「昼休み中の成型機稼働」「金型や材料置き場の5S」を全て入れる必要があると考えます。K校T校も残念ながら完ぺきではないと思います。

問題点 改善策
段取作業長い 成形機手待ち長い 作業者手待ち長い 移動作業外段取化 昼休み成形機稼働 金型などの5S
K校
A校
O校
T校

6.第3問

そして、第3問。

第3問(配点20点) C社の生産計画策定方法と製品在庫数量の推移(図1)を分析して、C社の生産計画上の問題点とその改善策を120字以内で述べよ。

はい、解答要素はこちらです。

問題点 改善策
生産効率優先のロット決め 週1回の計画 ロットサイズ大 在庫過多 受注量からロット決め 計画見直し短サイクル化 在庫数考慮した計画 納品数変動品の計画優先
K校
A校
O校
T校

 

ここで気になるのは、A校だけが問題点として入れている「週1回の計画」A校O校が改善策として入れている「計画見直しの短サイクル化」です。
今でも週1回のペースで計画策定していますが、これが適正なのか少ないのか、ですよね。
これについては、⑩段落で受注量の半数を占めるX社からの納品計画が毎週金曜なので同じ金曜に生産計画を確定する、とあります。何となく週1回の計画で良いような気もしてしまいますが、残りの半分の受注量については連絡のタイミングの記述はなく、そして製品A以外は納品数の変動があるということなので、週1回では不十分と見て良いと思います。

あとは、ほぼすべての学校の入れている要素で構成されるかと思います。
1個だけ、K校が入れている「納品数の変動のある製品を優先して計画」という要素もありました。こちらはその通りだと思うのですが、文字数に余裕があれば、というところかと思います。
解答要素は以下となります。(オレンジ文字は中立)

問題点 改善策
生産効率優先のロット決め 週1回の計画 ロットサイズ大 在庫過多 受注量からロット決め 計画見直し短サイクル化 在庫数考慮した計画 納品数変動品の計画優先
K校
A校
O校
T校

7.第4問

そして、第4問。

第4問(配点20点) C社が検討している生産管理のコンピュータ化を進めるために、事前に整備しておくべき内容を120字以内で述べよ。

はい、解答要素はこちらです。

全金型に識別コード 金型置き場5S 材料納品位置固定 コンピュータ管理者 ロットごとの材料使用量把握 入出庫状況管理 材料にも識別コード
K校
A校
O校
T校

 

非常に興味深い結果になりました。まず、⑮段落には「生産管理のコンピュータ化(←最後の音引きがない!:筆者注)を進めようとしているが、・・・成形加工課の作業者が効率よく金型・材料などを使用できるようにする必要」とあるように、⑬段落で述べられた改善点を挙げるのは必須です。なので、「金型識別コード」「金型置き場の5S」「材料納品位置固定」あたりは当然各校入れています。ここは文句ないですよね。

問題は、それだけで良いのか、です。うまいこと凝縮して書けばまだもう1個くらいは書けそうです。120字は結構書けます。その1個について、各校バラバラの視点となりました。

K校は、コンピュータ管理者を選び作業者を訓練するということを挙げました。しかし、設問文をもう一度見てみましょう。「生産管理のコンピュータ化を進めるために、事前に」とあります。そう、コンピュータ管理者選定や作業者訓練は、事前ではなく導入時にやることです。したがって、×だと思います。

A校は、ロットごとの材料使用量を把握すると挙げました。解答作成者の意図としては、おそらく、材料使用量を把握しDB化しコンピュータ化後の在庫管理や発注に役立てることができるので解答に入れたのだと思います。ただ、そこで利便性が上がるのは発注担当者であって、今ポイントにしている成形加工作業者の効率性とはちょっと違う気もします。×ではないですが、大きな加点はないかもしれません。

O校は、材料の入出庫状況把握の仕組を挙げました。与件文にすごく大きなヒントが有る訳ではないので微妙ではありますが、未入庫ならば作業を変更するなど、成形加工課の作業効率化とも関係性がない訳でもなく、若干A校よりは近いような気がします。

T校は、材料にもコードを付けることを挙げました。与件文では材料については納品位置が変わることを問題視していて、コードについては言及はありません。材料にコードを付けてすぐに作業者の効率が改善するのかは分かりませんが、今後DB化してゆくことを考えると確かにコードによる管理は必要になるのも分かります。

したがって、解答要素はO校またはT校の要素が良いのではと考えます。

全金型に識別コード 金型置き場5S 材料納品位置固定 コンピュータ管理者 ロットごとの材料使用量把握 入出庫状況管理 材料にも識別コード
K校
A校
O校
T校

8.第5問

最後に第5問。

第5問(配点20点) わが国中小製造業の経営が厳しさを増す中で、C社が立地環境や経営資源を生かして付加価値を高めるための今後の戦略について、中小企業診断士として120字以内で 助言せよ。

解答要素表です。

誰に 何を どのように(S)
国内回帰の家電企業 工程数・納期・コスト減 工業団地業者と連携 インサート成形活用 既存コスト低減ノウハウ活用
K校
A校
O校
T校

 

各校が「誰に何をどのように」のような書き方をしている訳ではないのですが、分類上そのようにしています。
事例Ⅲの最終問題は未来の戦略でS×Oが王道ですので、第1問で出たSと⑦⑧段落あたりの直近のSやOを組み合わせるのがベースとなります。
したがって、「国内回帰の家電製造の顧客企業に」「工程数・納期・コストの削減というメリットを提案」というあたりはA校以外は入れてきており、外せないところです。
そして、「どのように」は活用するSになるのですが、「インサート成形」「工業団地連携」はほぼ満場一致で問題ないかと思います。A校が入れた第1問でのもう1つのSである「コスト低減ノウハウ」は入れるかどうか難しいところです。一般的なセオリーとしては第1問で解答したSなので使いたいところなのですが、そもそもインサート成形技術は既存のコスト低減ノウハウを凌駕しているものと読み取れるので、インサート成形に上塗りされてしまっているSであると思います。もちろん、インサート成形を習得したのは既存のSがあってこそなのでベースにはなっているとは思いますが、今回は解答には不要と考えます。

したがって、解答表ではこのようになりました。

誰に 何を どのように(S)
国内回帰の家電企業 工程数・納期・コスト減 工業団地業者と連携 インサート成形活用 既存コスト低減ノウハウ活用
K校
A校
O校
T校

9.おわりに

いかがでしたでしょうか。
結構解答が固定化しやすい事例Ⅲでも予備校の解答はやはりばらつきました。ただ、60点分のスコアを取ることは、基本となる論点を外さなければすごく難しいことではないことも分かってきているかとも思います。残り1か月強ですが、「大外ししない」ことが失点を減らす最大のポイントですので、その感覚を研ぎ澄ませてゆきましょう。

タキプロでは毎週水又は日曜に、2次試験の勉強会を開催しております。
ブログでの質問などのコメントも大歓迎です。

明日は、数字に強いノブが事例Ⅳについての記事をお届けします。お楽しみに!

最後までお読みくださり、ありがとうございました。
以上、おーじでした!!

 


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