[2次] 記述に苦戦している方へ
中小企業診断士を目指す皆様、おはようございます。がんちゃん/岩間 です。
2次筆記試験では、言うまでもなく、文章力が求められます。短時間で、与件を読み、考え、解答を書く・・・。このプロセスを苦手としている方が多いことでしょう。
今日は、その中で「解答を書く」という点について克服する方法をお伝えします。
目次
◆サマリ
- チェックリストを作り、解答するたびにリストで分析する
- 制限時間・字数 などの制約を外して、トレーニングする
⇒求められている品質のバランス感を持ちましょう
◆解答に求められる品質⇒とても多い
解答に求められる品質要件を挙げてみます(★印は特に重要なもの)。おそらく色々なところで見かけたことがあるものばかりでしょう。
- 【内容面】
- ★設問で要求される事がらが書かれている
- 論点が診断士として妥当である
- 論点が明快である/因果関係が明確である
- 論点が多面的である
- 切り口が明確である
- 切り口が、1次試験のテキストの内容に基づいている
- 【体裁面】
- 解答全体レベル
- ★指定字数以内である
- 字数が指定字数上限に近い
- 結論先行である
- 具体性がある
- ①〜、②〜、③〜 のように箇条書き形式が使われている
- MECEに記述されている
- 文レベル
- 与件の表現が使われている
- 簡潔な文章である
- 一文一意である
- 一文の長さが長くなり過ぎていない
- 主語・述語・修飾語が適切である
- 語句・文字レベル
- ★与件のキーワードが使われている
- 誤字・誤用がない
- 数字や英字の表記が適切である
- 解答全体レベル
◆トレーニング1:チェックリストを作る
書く力を強化するトレーニングの1つめは、チェックリストを作ることです。
解答を書き終えたあと、リストに基づいて自身の解答をチェックします。項目ごとに、[○]、[△]、[×]、[対象外] のように記録します。慣れてくるまで続け、一覧化しておきます。
効果は、自身の得手・不得手が可視化されることで、苦手な項目の個別対策を行いやすくなります。(例えば、「私は一文の長さが長い傾向がある・・・次は適切なところで文を区切るよう意識してみよう」といった行動に移せます。)
勉強仲間がいらっしゃる方であれば、リストを共有して解答をチェックし合うのも有効です。これによって、「分かっているつもりだった」というような思い込みに、気づいたり、気づかせたりすることができます。
◆トレーニング2:制約を外す(制限時間・制限字数)
書く力を強化するトレーニングの2つめは、制限時間や制限字数を無視してトレーニングするというものです。
方法は、① 制限時間を気にせずに解答すること、②制限字数を気にせずに解答すること です。(両方を同時に行っても、単独に行っても構いません)
「時間や字数の制約は本試験であるのだから、こんなことをしても意味がない」・・・と思う方もいらっしゃると思いますが、そうは思わずに、騙されたと思って取り組んでみていただければと思います。
(私も無意味だと思っていた時期があったのですが、単に事例を解くだけでは抜本的な改革は行えないと考えた末、この方法に一ヶ月取り組みました。)
◆制約を外すトレーニングから気づくこと⇒全ての品質要件を満たすのは原理的に不可能
私は、受験生時代にこのトレーニングを1ヶ月かけて行いました(ちょうど5月〜6月にかけてでした)。実際に気づいたことは、「原理的には、全ての品質要件を満たすことはできない」ということでした。
これは、品質要件間にトレードオフがあるためです。すなわち、「ある要件を満たすと、他の要件が満たせなくなる」という性質の要件があります。例えば次のとおりです。
- 「論点が多面的」⇔「字数が多い」
- 「結論先行」
⇔「字数が多い」、(結論をまとめることにより)「与件の表現を使えない可能性がある」 - 「具体性」⇔「字数が多い」
- 「因果関係が明確」
⇔「字数が必要」、(因果の間を埋めるのに)「与件の表現を使えない可能性がある」
◆必要なのはバランス感
そこで重要となると分かったのが、品質要件の間で「どのくらいバランスを取るか」でした。各品質要件に対し、「この程度でよい」という感覚を持つよう、発想を切り替えました。
いくつかの要件について、私がどのように対応したかを紹介します。
- 要件:「論点が多面的である」「切り口が明確である」
⇒あらかじめ切り口は知識として持っておく(例えば、人事制度・組織、売上向上・原価低減、など)。
引き出しにないものは、思いついたら書く程度でよい。 - 要件:「結論先行である」
⇒100字を超える場合にのみ、冒頭に結論を記す。100字以下の場合は絶対に結論先行にしない(⇒考える時間削減のため) - 要件:「具体性がある」「論点が多面的である」
⇒具体性(深さ)が求められているか、多面性(幅)が求められているかを、設問から見極める。見極められなければ中立を保つ。 - 要件:「与件のキーワードが使われている」
⇒キーワードは要約したり置き換えたりせず、キーワードのままで記す。
◆まとめ
- 解答に求められる品質はとても多い
- 書く力を養うトレーニング:
- チェックリストを作って確認し、記録。そして弱点は強化。
- 時間・字数などの制約を外して解いてみる。
- 全ての品質要件を満たすのは難しい
⇒各要件で「この程度でよい」というバランス感を持つことが重要
(ご参考) 過去の記事では、私流のさまざまなトレーニングをご紹介しました。合わせてお読みいただければと思います。
- [2次] 今は中長期的な施策に取り組みましょう
- まずは、基礎力強化(企業把握を直感で把握&知識固め)が大事です。
- 「企業把握を直感で把握」のためには、「敢えて与件にマーキングしない」というトレーニングが有効です
- [2次] 企業把握をスピードアップするには…
- 「ある企業について事業ドメインとSWOTを思い浮かべる」というトレーニングです。
- スキマ時間を使ってトレーニングできます。
- [2次] 計算過程を書く練習
- 事例Ⅳ向けの「要求されなくても計算過程を必ず書く」、「解く前に大まかな計算のステップを思い浮かべる」というトレーニングです。
- 計算の方向性を見通す力を養い、事故を防げます。また過去に出題されたような、計算過程が必要な設問への練習にもなります。
- [2次] (事例Ⅳ) 財務・会計の理解を深める (H25)
- 事例Ⅳ向けの「事例を題材に考察する」というトレーニングです。H25 事例Ⅳの類題を載せています。
最近は暑い日が続いています。冷房が効く環境にいることもあるでしょうから、体調を崩さないようにしてくださいね。
以上、がんちゃん/岩間 でした。
タキプロ勉強会のお知らせ
【今後の予定(東京)】
◆日時・場所
・6/5 (木)19:30~21:45 京橋区民館 題材:H23事例3
・6/14(土) 9:30~12:00 八丁堀区民館 題材:H25<1次>財務・会計
・6/18(水) 19:30~21:45 京橋区民館 題材:H25<1次>経済学・経済政策
・6/29(日) 9:30~12:00 八丁堀区民館 題材:H23事例4
※平日開催時間を19:30~に変更しました。
◆会費 :500円
*お釣りが出ないようにご用意ください。
==2次試験対策の勉強会参加にあたって==
*題材の過去問を解いて、解答のコピーを8部 ご用意ください。
*問題を忘れずに持ってきてください(自分で確認用)。
*時間の都合上、全部の設問を扱うことはできません。
あらかじめご了承願います。
==1次試験対策の勉強会参加にあたって==
*題材の過去問を解いて、解答プロセスを説明できるようにご準備ください。
*解答はご自身分がお手元にあれば良いです。
*問題を忘れずに持ってきてください(自分で確認用)。
*時間の都合上、全部の設問を扱うことができない場合があります。
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