財務会計特化型の事例Ⅳ考察①(2018年事例Ⅳ再現答案) by ヤマジュン
ゴールデンウイークもあと少し・・・
タキプロ10期関西メンバーの「ヤマジュン」です。
皆さま体調はいかがでしょうか?ゴールデンウィークもあと少しですね。
私は去年の今頃、日商簿記1級の勉強で必死になっておりました。
20代までに自分に必要な資格を、という思いがお尻に火をつけ、
絶対に、簿記1級と中小企業診断士に年内で受かる、という思いを持ち、死ぬ気で勉強していた記憶が蘇ります。
思い返せば、絶対に受かりたい、絶対に合格したい、という思いが今までの成功には欠かせなかったように思えます。
もちろん、それでもダメな時はありましたが、上手くいった時には、自分の心の底から来る強い思いを持てていた気がします。
皆さんも、色んなことを犠牲にして大変かとは思いますが、しんどいのは今だけだ!という気持ちを胸に、
残り少しですが、後悔のないゴールデンウィークを、有意義に過ごせていただければと思います。
きっと、今まででは味わえない色んな世界を見ることができますので(^^)
さて、前回までの投稿で、財務会計特化型の私が、事例Ⅳ、第1問の経営分析にて、
優れている指標と、課題である指標を入れ違いで書いてしまい、顔面蒼白になりながらも、
なんとか合格したことを、全3回を通じてお伝えさせていただきました。
今回は、当時の試験状況を振り返って、事例Ⅳの再現答案を、
どういう考えを持って記入していったかも併せて、公開させていただきたいと思います。
今はまだ、問題を解かれていない方も多く、参考にならないかもしれません。
ただ、実務として経理業務や設備投資計算(NPV・IRR)に携わり、日商簿記1級に合格している私が、
どのような考えで、問題を解いたか、を知っていただくことは、今後事例Ⅳを解くヒントになるかと思います。
2018年事例Ⅳの記憶
「さあ、いよいよ正念場。ここで一気に点数を稼ぐ!どんな問題が来るか・・・」
問題用紙を開く。全体を俯瞰する。
「問題のボリュームはそんなに大きくはなさそうだな・・・第1問はいつも通り、
第2問は吸収合併か。簿記1級をやってたからには、ここは間違えられないな。
第3問で、固変分解か。ややこしいかも。文章問題も2つ、ついているのか。
ラスト第4問は、お決まりの文章問題(ポエム?)与件文から引っ張るように注意。」
と、ざっと見た時の解答戦略を思い浮かべる。
では、設問ごとに再現答案とその際の私の思考を見てみましょう。
第1問再現答案
(設問1)①(a)売上高営業利益率 (b)1.20%
②(a)有形固定資産回転率 (b)17.08回
③(a)自己資本比率 (b)35.59%
(設問2)資本剰余金が多く資本構造の安全性は高い。人手不足や全国の配送拠点の存在で収益性と効率性は低い。(47/50文字)
【思考】
「いつも通りにやれば大丈夫。収益性・効率性・安全性の分析指標をそれぞれ書き出して、と。
収益性は、総利益◎、営業利益×、経常利益×。
効率性は、売上債権△、棚卸資産×、有形固定資産×。
安全性は、流動比率△、当座比率△、固定比率〇、固定長期適合比率〇、負債比率〇、自己資本比率〇。
よし、安全性は高い。収益性と効率性は低い。あとは与件から情報を拾って第2問を解答。いつも通りやな。」
第2問再現答案
(設問1)①3.30% ②6.26百万円
(設問2)3.80百万円
(設問3)1.30%
※計算式、文章一部割愛
【思考】
「設問1の①は、WACCの算出か。「今年度の財務諸表をもとに」とあるから、通常通り算出したら大丈夫だろう。
②は、「吸収して増加した資産に対して要求されるキャッシュフロー」か・・・
吸収した会社の情報が載っているから、これから求めれば大丈夫か。
「資産に対して」とあるが、負債を控除した「純資産」を使うべきだろう。 よし、1.7百万円だな。
そして設問2。「吸収合併により増加したキャッシュフロー」これは、設問文情報から単純に計算して、3.80百万円。
「企業価値の向上につながったか」を70字か。設問1の②で答えた1.7百万円を超えているな。増加しているという方向性だな。
設問3、「今後どれだけ一定率で成長すれば金額一致するか」か。成長モデルが問われているんだな・・・
待てよ!そのままだと、設問2の辻褄が合わない!!設問1の②を「資産」数値を使った解答に変えて、6.26百万円。
こうすれば、設問2は「現状吸収合併したものの効果はあまり出ておらず、要求キャッシュフローを下回っている。だから、さらに高い成長を求められている」という流れになる!
そうすれば、第3問のより成長が必要という流れにつながるな。解答の方向性を修正や!」
第3問再現答案
(設問1)①変動費率 73.30% ②営業利益 76百万円
(設問2)投資規模は売上高に占める固定費が6.2%で現在の29.1%よりも低く効率がよく、収益性が高くなる。
(設問3)配送ネットワークを活用することで、開設により利益が増えるため、将来的にもさらなる開設を行っていくべき。
※計算過程は割愛
【思考】
「ややこしいように思うけど、設問に「外注費が7%上昇、売上高550百万円、固定費が34百万円増加」と書かれている。
素直にこれを当てはめればいいか。すると、営業利益は、479百万円。もともとの18百万円から479百万円への増加・・・
こんなに伸びるか!? 何か忘れてないか・・・あ!変動費の「その他」「販売費および一貫管理費」に売上の増加割合を考慮出来てないな。
これを考慮してあげて、営業利益は382百万円・・・まだ大きすぎるだろう!営業所開設しただけでそんな伸びるのか・・・
あ!外注費を7%しか増やしていない。これは外注単価の意味で、売上の伸びを考慮してあげないといけないのでは!
売り上げが37%増えて、外注費が7%増で済むことはないだろう。それを考慮すると、営業利益は76百万円。
話の流れも無理がないし、数値としても妥当だろうから、これで間違いないだろう。
設問2は、固定資産の投資規模なので、売上に対する固定費の割合を比較し記述。
設問3は、与件文に配送ネットワークのことが書かれていることから、それを活用すれば利益が出る。
営業所の開設はこれを意識した話であり、開設すれば成長を持続できるのだろう。これをまとめよう。」
第4問再現答案
業務委託先での、顧客情報の流出や金銭の盗難などによる、信頼度下落で利益率減少。対策は、委託先との秘密保持契約の徹底と、委託先管理体制の整備。(70/70文字)
【思考】
「業務委託を行うことの悪影響と方策か…そういえば過去問で秘密保持契約の話があったな。
与件文には、「協力個人事業主等に業務委託」「顧客への受け渡し」「代金回収業務等を委託」。
顧客情報、お金が絡む以上、これらの流出による社会的信頼度の下落、そこからのイメージダウン・業績への影響は考えられるな。
当然、秘密保持契約を結び徹底させることが必要。また、今年の事例Ⅳの解答の流れから、
営業所をどんどん開設していくことで成長できる、という流れになっているな。その中で与件文には、「昨今の人員不足」という情報がある。
それならば、委託先との連携を密にし、管理することが益々重要になってくるだろう。これらをまとめるか。」
私の2018年中小企業診断士試験事例Ⅳの全て
以上が、私の2018年事例Ⅳの再現答案と、問題を解く際の思考の全てになります。
こうして文章にすると、どこがダメで、どこが良かったか、
というのが自分自身凄い良くわかりますね!
そして、皆さんもお分かりになると思いますが、
正直、ここは絶対にこれだ!という絶対的な自信をもって解けていない部分がある、
というのが実際のところです。(○○だろう、が多いです。恥ずかしい話ですが(笑い))
会計を一応本職にしていても、この程度です。
また、「思考」を辿りますと、その場で1発目で思いついた解答は方向性のずれが生じていたものが多いです。
(解く中で感じた違和感が、上述の赤文字部分となります。)
解く中で違和感を感じ、現場対応できたことが、当初の狙いの点数を獲得出来た要因だったかと思います。
(第1問は、気づくことが出来ませんでしたが…(笑い))
次回は、今回の内容を元に、何がポイントだったかを、自分なりにまとめて伝えさせていただきますね。
毎週金曜夜、土曜朝と夜、日曜夜は関西メンバーの担当日です。
次回は本日夜、関西メンバーのもなかさんです!
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