独学者向け勉強方法【15回目】 やすたか@タキプロ7期
こんにちは、15回目投稿の隔週火曜日担当 独学者向け『やすたか』です。
今回も早速本題に入ります。
前回ブログの【フェーズ3】熟練レベル(自動化レベル)で紹介した「1つ1つの分析を意識しなくても自動的に並行して出来るスキルを身に付ける。」について、2次試験合格に必要なスキルなのでもう少し詳しく説明します。
ここまで読んで意味の分からない方は、14回目ブログをご確認ください。
その他、過去の2次試験勉強方法、4回目ブログ、11回目ブログ、12回目ブログ、13回目ブログも参考にしてください。
12回目ブログ【2次試験問題の解き方】でも紹介いたしました
・与件や設問の分析(1次試験で学習したフレームワークを利用)
・題意の捉え方(原因→現状→問題→課題→対策→効果)
など、どれも2次試験初心者には難しいと感じるかもしれません。
SWOT分析1つとっても参考書を確認しながらでは、最初は数時間かかるかもしれません。しかし練習を繰り返すと頭の中だけで、下記のような流れで体系化できるようになります。
1.軽く与件を読み、設問に目を通す。
2.与件を読み込みながら設問との関連付けを考える。
3.各種分析が頭の中に浮かんで来る。
4.各種分析と問題の構造化が頭の中で体系的にできる。
【自動化レベルとは】
言葉で説明するのは難しいのですがここまで真剣に2次対策に取り組んでこられた方は、上記のようなタスクを並行するマルチタスクのスキルを身につける土台は出来ていると思います。
簡単に説明すると「自転車の練習」と同じことです。
前に進むときの体重移動やバランス、右足でこぐ時の頭の位置や重心位置、加速度などを言葉で説明しても自転車に乗れるようにはなりません。
言葉で理解するのは難しいのですが練習すれば誰でも自転車に乗れるようになります。
小学生にもなれば周囲の安全確認や友人と話をしながら等、自転車の運転は無意識のうちに出来るようになります。しかし、アクロバットやレースなどで入賞するレベルになるには、理論を学んだりスキルが身につくまで相当な練習が必要でしょう。
診断士2次試験も同じで、時間内で事例を解くだけなら誰でも出来る(平均点レベル)ようになりますが合格レベルのマルチスキル(スピード、正確性等)を身に付けるには相当量の練習が必要になります。
ここまで書いていることは簡単なことですが、「こんなこと分かっている」、「過去問は解説も含めてすべて頭に入っている」といった秀才でも2次試験合格に時間がかかる場合があるので注意が必要です。
答案の精度を上げるためには、事例を解きっぱなしにせず、自分なりのチェックリストを使って思考プロセスに漏れが無いか確認するなど正しいスキルを身に付ける事が必要です。
他にも書きたいことが沢山あるのですが本試験まで残り時間が少ないので、優先順位が高いと思う事だけ続けて書いていきます。
さっそく、過去問分析をしつつ一貫性も考えてみます。
平成27年事例Ⅱ
第2問で、商店街の物産市当日に売上向上を実現するための助言をする問題。対象業種は、家具店、食器店、スポーツ用品店の3つから1つを選んで助言するものです。
結論を言うと第2問は予備校の模範解答と全く違っていました。
皆さんも実際に問題を解いて考えてみてください。
ここでは前提条件を抜き出してみるので、解く際の参考にしてください。(全部抜き出すと複雑になるので、主要なものを抜き出します。皆さんは実際に試験問題を見て全部の条件を確認してください。)
・ターゲット:商店街近くの高価格で販売される高層マンションに越してきた30代夫婦と子供。
・イベント当日の売上について、飲食店、サービス業の売り上げは大幅に増加するが、非食品小売店主からは「売上増加効果が現れていない」と不満の声が挙がっている。
・「物産市」の狙い。食品小売業がほぼない商店街の弱みを補いつつ、低価格食品販売を主とする総合スーパーと差別化しながら周辺住民を商店街に呼び込むこと。
・短期的な課題としてイベントの改善を実現したい。
「B商店街の立場を改善するため、総合スーパーとすみ分けが重要だと考えている」そのために↓
・中期的には、環境の変化に対応した業種誘致が必要。
・長期的には、顧客と顔見知りになり親しく会話を交わす状態が理想。
このような条件の中で解答を考える際の切り口
・ターゲットの絞込、総合スーパーとの差別化を明確にした戦略を考える。
・消費財の分類(最寄品・買回品・専門品)と消費者の購買行動を考える。
・イベント当日に売上を大幅に増加出来る業種に絞って助言する。(3業種に同じように助言するのは、事前に準備した業種別の知識解答にしかな
らない)
・イベント当日に売上を大幅に増加出来そうにない業種は、短期的、中期的、長期的な切り口で売上増大できるように別な設問での解答を考える。又は他の設問でも問われていない場合、この事例問題での優先順位は低い。
・中長期的なテナントミックス効果の最大化を考える。
【一貫性の考え方】
・第1問設問1で、ターゲットを問われている。
・第1問設問2で、サービス業の誘致を問われている。
・第1問設問3で、サービス業と飲食店とのテナントミックスを問われている。
・第2問で、非食品小売店の助言を問われている。
・第3問設問1で、食品小売店の誘致を問われている。
・第3問設問2で、食品小売店が長期にわたり商店街に定着するための新規イベントを問われている。
・中期的な課題として、環境の変化に対応した業種誘致が必要。
・長期的には顧客と顔見知りになる。
このようにターゲットに対して、中長期的にテナントミックスの効果を最大化するためのマーケティング戦略を考える必要がある。
食品、非食品、飲食、サービスを設問ごとにばらばらに考えていては商店街の生き残りは厳しくなるでしょう。
【業種を1つに絞る際のヒント】
例:家具店の場合
・最近引っ越してきたファミリー層が物産市で家具を買うのでしょうか?
・マンション購入を決めて家具を購入する人に対して、どこでプロモーションすることが効果的か考える。
・引っ越してきたファミリー層のライフサイクルの中で家具を購入するタイミングはいつか考える。
・住宅街の中高年層が他地域へ転居する際に家具の購入を検討してもらえないか考える。
・総合スーパーと差別化するにはどうするか考える。
・3つの業種のマーケティングを第3問設問2の新規イベントに連動できない考えてみる。
など、マーケティング戦略として考えると、どのスパンで取り組み、総合スーパーとどう差別化するか、テナントミックスの位置付けなどを考える必要があります。(当然私は真っ先に家具店を候補から外しました。)※家具店を使って、物産市での売上向上~中長期的なテナントミックス効果の最大化まで説明できる方は選んでいいと思います。
このように第2問だけでも考えることは沢山あります。多面的に考えて、優先順位をつけて解答することが必要です。
ダミーの情報に気を取られてしまうと方向性がブレて何をしたいのか分からなくなるので注意が必要です。
【設問に答える前に考えること】
・商店街の代表理事は、商店街の問題点や課題を把握しているし今後のビジョンも持っている。診断士の専門知識を使って課題を解決し、商店街全体を活性化するための助言が求められている。
また大幅に文字数をオーバーしてしまったので、続きは次回のブログで紹介します。
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