企業経営理論 過去問を使って曖昧な理解を潰しこもう by F田
読者の皆さん、こんにちは。
タキプロ14期のF田です。
7月8日です(記事公開時点)。一次試験まで残すところあと28日となりました。
いよいよ本番に向けたラストスパートに入る時期となりますが、本番まで1か月を切ったこの時期、ラストスパートと言っても具体的に何をどうするか、お悩みの方もおられるのではないかと思います。
そこで本日の記事では、
一次試験の受験を控えた受験生のみなさんに向けて、「企業経営理論」の試験本番1か月前からのラストスパートの勉強法、についてご提案をさせていただこうと思います。
なお、本文中各所及びタイトルで、「潰し込む」という表現を使っておりますが、これは、「問題集に貼った付箋を剝がしていく」であったり、単純に「なくしていく」という意味合いの表現となっておりますのでご承知おきください。
それでは、早速行ってみましょう!
今日も読んでいただきありがとうございます。
⬇︎をポチッと!何卒です。
1.企業経営理論の落とし穴
企業経営理論に限らず、一次試験科目の学習は、
・テキスト読み込み
↓
・過去問演習
↓
・過去問の繰り返し演習で間違えた問題の潰し込む
大きくはこのような流れで進められる方が多いと思います。
過去問の反復学習は一次試験対策の王道です。私もほとんどテキストは使わず、ぐるぐる過去問を周回して、
・過去の周回で不正解であったことのある設問
・解答を選択するのに時間がかかった設問
・正答できるがなんとなく理解が曖昧な気がする設問
を抽出して、少しずつ潰し込んでいく学習スタイルで勉強を進めました。
試験本番を約1か月前に控えたこの時期には、相当回数の過去問周回を終え、潰し込むもほぼ終わっているという方が多いのではないかと思います。
さてここからどうしようか、というところが本記事の本題です。
「正答できるがなんとなく理解が曖昧な気がする設問」
この手の設問に、
「本当に理解しているから正答できる」
のか、または
「設問を記憶してしまっているから正答できるだけ」
なのか、
後者をどれだけ潰し込めているかで、試験本番の得点は結構左右されるのではないか、というのが私の持論です。ここが、私の思う「企業経営理論の落とし穴」です。
2.「なんとなく曖昧な気がする理解」の正体
企業経営理論は国語の問題
過去問演習を行った方の多くが感じる印象ではないかと思います。
企業経営理論の設問の特徴は、単純な用語の意味を問われるような問題はほとんどなく、設問文も選択肢も、長く複雑な文章で書かれていることです。正答を導くには、それらを正確に読み解いて、問われていることの意味を理解し、正しい選択肢を選び出す、という作業が求められます。
過去問周回を続けていると、理解が曖昧な状態の知識に関連する設問であっても、過去に解いた際の経験から、設問及び対となる正答をなんとなく記憶してしまっている状態が発生しがちであると感じています。この状態で設問に対応すると、正答できるのだがなんとなく理解が曖昧な気がする、というモヤモヤ感が残ります。
これが、「なんとなく曖昧な気がする理解」の正体であると、私は考えています。
試験本番で、過去問と全く同じ構成の設問が出題されることはまずありません。なので、過去問では正答できている知識領域の問題が本番で出題されたとしても、なんとなく記憶している過去問の設問構造とは異なる問われ方をするため、該当する知識領域の体系的な理解が曖昧である場合、正しい選択肢を選ぶことができない可能性が高くなると考えます。
3.曖昧な理解の潰し込み
残り1か月で、できるだけ自分の理解が曖昧な知識領域を抽出し、正確で体系的な理解に落とし込む潰し込みを掛けることで、本試験における企業経営理論の得点アップが期待できると考えます。
一次試験の受験を控える受験生の方の多くは、試験1か月前のこの時点である程度の回数過去問周回を終えて、ある程度の問題の潰し込みまで終えられているのではないかと思います。この状態で、再度一から過去問にあたって理解が曖昧な知識領域を抽出するのは効率的ではありません。
潰し込み切れていない問題に絞って、曖昧な理解の抽出・正確な理解への落とし込みを行うのが効率的かつ効果的ではないかと考えます。
では具体的にどうやって抽出を行うか、です。
まずは設問に対応する全ての選択肢について、正答であればその選択肢が正答である理由、正答でなければその選択肢が正答でない理由を、論理的に説明できるか確認します。例として、平成27年度 第1問を挙げてみます。
https://www.j-smeca.jp/attach/test/shikenmondai/1ji2015/c1ji2015.pdf
PPMに関する出題です。記述として「最も適切なもの」を選択するタイプの設問になります。1点ずつ見ていきます。
ア.
「負け犬」市場からの撤退、資金投入による「問題児」事業の育成、PPMの教科書的な知識と矛盾は無く、これが正答です。
イ.
「花形事業」は、資金投入により更に成長が期待できる事業でありキャッシュアウトも多いため、「負け犬」事業からの撤退のための資金供給源という記述は誤りです。
ウ.
「花形事業」は、キャッシュアウトがまだ多い段階であり市場成長性も高いため、撤退を考える段階にはありません。従ってこの選択肢も誤りです。
エ.
PPMの考え方では、資金の流入と流出は市場成長率と相対市場シェア(市場占有率、マーケットシェア)で決まります。従ってこの選択肢も誤りです。
オ.
「事業間のマーケティングや技術に関するシナジー」を考慮していない点が、PPMの問題点として一般的に挙げられます。従ってこの選択肢も誤りです。
過去問周回学習では、1問あたりに掛ける時間も意識した演習が重要となりますので、この問題のように選択肢“ア”が明らかに正答である場合には、他の選択肢についてその内容をじっくり理解し、正しい知識との相違点を論理的に検討するという作業がスキップされてしまっていることがあるかもしれません。
過去問周回学習の初期段階では、潰しこみが完了した問題の数も少ないため、1問1問に対し、詳細な検討を行うことは効率面で少し難しさがあるかもしれませんが、ある程度の潰し込みを終えた段階で、残っている問題に対しこのような「全選択肢詳細検討」を行うことで、理解が曖昧な知識領域を抽出することができます。結果として理解が曖昧であることが分かった知識領域については、テキストを参照するなり、Google検索を掛けるなりの方法で、正確な知識を補充することで、潰しこみをかけていきます。
4.ファイナルペーパーへの落とし込み
最後に、ファイナルペーパーへの落とし込みです。理解が曖昧なポイントとして抽出した知識領域について、テキスト参照などの方法で潰し込みを掛けたのち、“そら”でその知識領域について網羅的に説明できるレベルに至っていない、と判断した要素が、ファイナルペーパーに落とし込まれるべき内容であると私は考えています。
ファイナルペーパーは、合格者の方が実際に作成、使用したものを入手することもできますが、ファイナルペーパーは自分で作成してこそ意味がある、と私は考えています。
ファイナルペーパーは試験直前に見返すことを目的として作るものです。試験直前まで見返す必要があるということはどういうことかというと、そらで言えるまで自分の中で知識として定着していないということになると思います。そらで言えるレベルで知識として定着していれば、わざわざファイナルペーパーにして直前に見返す必要はないからです。
完全に定着している知識、そうではないもの、これは個々人により当然大きく異なります。だから、ファイナルペーパーは自分で一から作る必要がある、というのが私の持論です。
また、一から自分で作成する作業を通して、定着していない知識が整理され、理解が深まるという効果も期待できます。
5.終わりに
いかがでしたでしょうか。
一次試験の勉強の進め方は人それぞれですので、ラスト1か月の詰めの勉強方法として上記で提案させていただいた方法が適切かというとそれはケースバイケースかもしれません。
過去問周回での正答率はかなり高くなってきたが、理解が曖昧なままの要素が結構残っているような気がする、という感覚をお持ちの方にとっては有効な方法ではないかと思いますので、心当たりがあるなあ、という方は、ぜひトライしてみてください!
次回は アラキ さんの登場です。お楽しみに!
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