経営革新計画の作成時に活きる企業経営理論の知識 byくお

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読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ14期のくおと申します。

本職は地方公務員ですが今は出向で企業支援に関わる公益財団法人で働いています。


さて、中小企業診断士1次試験まで半月を切りました。試験勉強は進んでいるでしょうか。

私はこの時期で企業経営理論の最後の勉強を終え、中小企業経営・中小企業政策を開始しました。
次に企業経営理論のテキストを開いたのは試験前泊入りしたホテルのベッド。

そんな今回のブログテーマは中小企業経営・中小企業政策・・・ではなく、企業経営理論です。
とはいえ直前期に企業経営理論の勉強方法を解説したところで今更ですね。

そこで今回は中小企業経営・中小企業政策の必須論点
「経営革新計画」の作成のお手伝いをする際に活きる企業経営理論の知識をおさらいしていきます。

現場で企業経営理論の知識がどのように活かされるのかが少しでも分かれば幸いです。

作成のお手伝いをしていることを想像し、気分転換に読んでください。



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■経営革新計画ってなんぞや?

経営革新計画とは、事業者が新事業活動を通して経営の相当程度の向上を図るための計画です。
「付加価値額」あるいは「給与支給総額」の一定程度の伸びを目標にした計画で、承認が下りると様々な支援を得ることができます。

中小企業庁:2022年版経営革新計画進め方ガイドブック

これが経営革新計画の様式(別添1)です。

今回は①当社の現状と経営課題、②経営革新の具体的内容について掘り下げます。

■①当社の現状と経営課題

経営計画を立てるためにはまず現状分析が必要ですね。何を分析しますか?
→VRIO分析、SWOT分析、PPM、5フォースモデル、バリューチェーン・・・

上の事例では、下記のような自社の現状を洗い出しています。

・大手の下請け体質
・プラスチック製品の製造ライン設計、組立を事業とする
・既存設備の更新需要を取り込む。
・景気に影響されやすく、計画的な経営ができていない
・メインはBtoB事業
・生産設備の開発力、技術力が高い

では経営課題をどう設定しますか?

自社内でできること
→ポーターの3つの競争戦略、競争地位、競争優位性、相補効果、相乗効果、範囲の経済、規模の経済、多角化・・・

外部と連携してできること
→アウトソーシング、産学連携、産業クラスター、垂直的統合、水平的統合・・・

もし組織や人事にフォーカスして経営課題をセットするのであれば
→モチベーション理論、組織文化、組織学習、採用、配置、能力開発、報酬、評価・・・

様々な観点がありますが、ここでの課題設定には企業経営理論で学んだことが総動員されます。

実際の経営革新計画では課題をこの欄で書くべきですが、この見本には書いていませんね。
補足するのであれば「自社技術や開発設備を活かした新製品開を開発し
新市場へ投下することで経営を安定化させる」でしょうか。

■②経営革新の具体的内容

①で現状分析し、掲げた課題を解決するための具体的な戦略を記載します。

戦略を会社一丸となって実行するには、社員の協力が必要不可欠です。
社員の協力を得るには社長が納得のいく戦略を作る必要があります。
社長の中にある明文化できない思いをかみ砕き、明文化することで会社全体の方針が定まり、社長を中心に一丸となります。

ではどうやって社長の思いを知り、戦略に落とし込めばよいでしょうか?
→経営理念、企業戦略、事業戦略、ドメイン定義・・・

社長の思いが明確になり、文字化されたらそれを戦略に落とし込みましょう。
どのように戦略を立てましょうか?

もしマーケティングにフォーカスして戦略を立てるのであれば
→マーケットセグメンテーション、コトラーやエーベルの標的市場、4P、価格戦略・・・

もしブランディングにフォーカスして戦略を立てるのであれば
→ブランド戦略、サービスマーケティング・・・

この企業は抽象的な戦略を描いていますが、
「自社の○○という技術力を用いて原材料メーカーである××と製品開発を行う。受注が不安定な設備投資の事業とは異なり、××のブランドや品質と当社の技術力を生かした新市場であるBtoC市場向けの新製品を開発し、売り上げを
安定化させる。なお、この製品を開発する企業は調査する限りは県北では存在しない。」くらいは書いたらいいと思います。
「新事業であること」と「新規性」は盛り込むべきです。

■おわりに

経営革新計画の書き方講座みたいになっちゃいましたが、企業経営理論の知識は試験後もしっかり使います。
試験に受かることは大切ですが、その先も見据えた勉強も楽しいですよ。がんばってください。

実際のところ、経営革新計画は補助金や特別料率の融資を得ることを目的とする企業が増えています。
本当の意味で「計画」として活用している企業がどれだけあるのやら・・・。


次回はだちょーさんの登場です。
お楽しみに!

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