企業経営理論は『超消去法』で攻略 by みにまる

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■はじめに

読者の皆様、こんにちは。

2回目の登場となります、タキプロ15期の みにまる です。

今日のテーマは企業経営理論です。

企業経営理論は2次試験につながる内容も多く、診断士試験の花形的な超重要科目です。
特に2次試験の事例Ⅰに直接的に関わりますが、経営全般の基礎という意味で事例Ⅰ〜Ⅳ全てに関係がある科目となっています。

企業経営理論はテキスト・問題集の発売も早く、一番最初に勉強されることが多い科目かもしれません。

私自身は企業経営理論は不思議と得意で勉強自体も楽しかったです。私の受験したR5年1次試験の企業経営理論の得点は86点でした。
今回は私なりの企業経営理論の攻略法をお伝えいたします。(先人の知恵もあります)

■企業経営理論はほぼ国語の問題

4月3日のにゃーもんさんの記事と被ってしまうのですが、うんうんと共感しまくりの内容でした。

企業経営理論は暗記要素ももちろんあるのですが、それ以上に「知らない言葉に対する推理力、探偵力」が問われる試験です。
選択肢の内容を「国語の問題」として捉え、「論理的に矛盾した」選択肢は消去法で排除できます。
センター試験(共通テストの前身)のような国語のマークシート試験の極意は、消去法によって選択肢を絞り込むことにありますので、企業経営理論も国語のテストのように消去法を駆使することで正解の確率を高めることができます。

■徹底的に主観を排除すること=超消去法

国語の試験がそうであるように、企業経営理論も徹底的に主観を排除することが重要です。この徹底的な主観の排除による消去法をここでは「超消去法」と呼びます。

企業経営理論はマーケティング理論や経営理論については過去の自分の人生や仕事の経験と馴染みやすい内容もあり、「過去の経験からこれが正しい!」と自分の軸で正誤を判断しがちです。ですが、診断士試験で聞かれているのは個々人の仕事の持論や経験論ではありません。「自分の主観=人生経験や持論」を捨てて、中小企業診断士として王道の経営理論にのみ基づいて正誤を判断する必要があります。
中小企業診断士としての王道の経営理論とは1次試験案内に記載の「出題内容」にある理論のことです。これらは学術的に認められた経営理論で、基本的には市販の中小企業診断士試験用のテキスト等に書いてある内容のことです。

みにまる

いかに自分の持論を捨てて、中小企業診断士試験の王道の理論(テキスト)を軸とした脳に切り替えられるかが勝負!

超消去法の×の付け方

【大前提】×をつけた理由を必ず書き残す

選択肢の×のパターン

  • 主語と述語の組み合わせが間違っている
  • 選択肢の一部分が間違い(SVOのいずれかが間違い、修飾部分が間違い)
  • 選択肢内で矛盾がある

にゃーもんさんの記事とは「×を選び、理由も付記」する点で共通していますね。
「超消去法」とはどうやって解いていくのかを以下で具体的に説明いたします。

■×をつけた理由を必ず書き残す(筆考する)

大前提として、問題演習の際は、×をつけた理由(あるいは○をつけた理由)を問題冊子等に必ず書き込みます。そしてその書き込みを保存します。(消すのはNG)
1次試験の選択肢を選ぶ問題であっても、計算問題のように思考の過程を紙に書き記すことで正確を導き出す精度が上がります。

書き込みの保存についてはGoodnotesで過去問PDFを取り込み、書き込み保存するのがおすすめです。アナログ派の方は、紙のノートに選択肢別の○×の理由を書き込むのも良いと思います。

×をつけた理由の書き込みを残すことで復習の際のまなびの精度も上がります。

思考の過程を紙に書き記すことをここでは「書いて考える」として「筆考」と呼びます。すべての試験勉強では「筆考」をすることが重要です。

こちらは私のR5年1次試験本試験企業経営理論の第20問の解いた痕跡です。(汚なくてすみません)
組織学習サイクル・モデルについては知識として頭にありましたが、必ず自分なりの図を書いてそれを見ながら選択肢の正誤を判断しています。

この図を書いて、「環境の変化→(断絶)→個人の信念」という関係を確認し、選択肢アの「曖昧さのもとでの学習」が正しい内容であることを確認しています。他の選択肢は全て図の中で間違いであることを確認します。

決して頭の中だけで考えることはしません。何故なら自分を含めて(ほぼ全ての)人間は頭の中だけで正確に考えられるほど頭は良くないからです。
書いて書き出して考えることで正確に知識を使ったり、論理的な思考ができます。

組織学習サイクル・モデル

毎年よく出る(R5年第2問)「VRIOフレームワーク」についても必ず下記のような図を問題冊子の余白に書いて見ながら正誤を一つずつ判定します。

VRIOフレームワーク:この図を問題冊子余白に書き込む

「筆考」についての詳細は下記のブログが参考になります。
怪傑えみりーちゃんねるより:2.人間とは愚かな生き物であることを無視して、愚か対策を怠ってしまっている

■主語と述語の組み合わせが間違っているもの

こちらは具体例を見ていきましょう。R5年1次試験企業経営理論の第15問です。

正解はアです。イは有機的管理システムのことで、ウ〜オは機械的管理システムのことを指しています。

このように主語と述語の組み合わせが間違っているパターンの×の選択肢はよく見られます。

■選択肢の一部分が間違い

こちらも具体例を見ていきます。R5年1次試験企業経営理論の第31問設問2 D2Cについての問題です。

選択肢アはD2Cには、大手ネットショッピング・モールを通じて販売することは含まれないので×。選択肢ウは単独で開発する必要はないので、×。選択肢エがメーカー直販と既存の流通チャネルとは競合するため両立させたり、支持を得ることは困難なので、×。これらの選択肢は選択肢の内容の一部分に明確に誤りがあります。

■選択肢内で矛盾がある

R5年1次試験企業経営理論の第17問目標設定理論についての問題です。

選択肢アは、「自分には目標を達成できる能力があるという信念」があるのに「達成が困難な状況になると目標を断念する傾向」というのは矛盾しています。矛盾というほどでなくても理解、納得し難く○には思えないので?で保留しておきます。

選択肢オは、明確な数値目標設定→目標達成に対する心理的プレッシャーが高まりはOK、「部下の達成意欲が低下する」というロジックは繋がらないので矛盾しているように思えます。このように矛盾っぽい疑問を感じる選択は?で保留しておきます。

選択肢イは容易に達成できる業績目標を設定したは明らかにおかしいので×。選択肢エは目標の内容が公表されると目標に対するコミットメントが阻害というのもおかしいので×。

よって消去法でウに絞り込めます。

選択肢ウを見ると、
達成の難易度が高い目標→部下に目標を受容させることが重要:OK
その目標が公正で妥当であることを強調して伝えた:OK

と矛盾なくすんなり納得できますので⚪︎の選択肢として妥当だと判断できます。

■おすすめ神通力ブログ

他にもマークシート試験のあるあるテクニック”「絶対」や「唯一」という断定的な表現の選択肢は×である”といったテクニックも使えます。
企業経営理論で95点を取られた診断士LABOのりほさんのnoteでは、「確実に間違いな選択肢に×を付ける力」「なんとなくこっちが正解っぽいを見つける力」について具体例を挙げながら解説されています。ぜひご覧ください。

企業経営理論で95点取った私による、2択3択を正解に導く解き方【神通力講座】|ホテル暮らしのりほエッティ🥖中小企業診断士

YouTubeチャンネルでも動画が公開されています。

■おわりに

いかがでしたでしょうか?「超消去法」と言っていますが、結局はただの消去法でした笑

最後に要点をまとめます。

まとめ

  • 徹底的に主観を排除して消去法を駆使する
  • ×の理由を書き込む(筆考する)
  • 神通力ブログを読む

本記事の解き方をご参照いただき、ご自身に合ったところは是非取り入れてみてください。皆様の企業経営理論の得点がアップすることを願っております。

次回は、みうらちん さんの登場です。 

お楽しみに! 

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