【企業経営理論】VRIO分析で本当の強みを見極める by すこやか

皆様こんにちは。
タキプロ16期のすこやかと申します。
今回のテーマは、1次試験の企業経営理論で登場する「VRIO分析」です。
企業経営理論では、経営戦略やマーケティングのフレームワークについて適切に説明されているか問われる問題が多く出題されます。
フレームワークの枠組みだけではなく、その目的や具体的な使用例をおさえることで、得点力アップにつながります。
ぜひ最後までご覧ください!
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■はじめに
先月私が担当した記事の中で、中小企業診断士試験の学習を始める前に、新規事業提案を行う社員研修を受けていたことをお伝えしました。
研修の最終的なアウトプットは経営陣への新規事業提案でしたが、研修の核となっていたのは、外部のコンサルタントを講師として様々なフレームワークについて学び、自社のビジネスで実践するワークショップでした。
このワークショップは月に一度土曜日に開催され、それが一年間続いたため、非常に大変な研修でした(その分楽しかったですし、確実にビジネス戦闘力が上がりました)。
研修で学んだフレームワークの中で、特に印象に残ったのがVRIO分析です。
1次試験での出題頻度も高いので、具体例を交えて解説していきます。
■VRIO分析の概要
まずは、VRIO分析の概要について説明します。
VRIO分析とは、「企業が保有する経営資源が、持続的な競争優位性を持つかどうか」を評価するためのフレームワークです。
評価の基準として、Value(価値)、Rarity(希少性)、Imitability(模倣可能性)、Organization(組織)の4つがあることから、これらの頭文字を取ってVRIO分析と呼ばれています。
ポーターの競争戦略のうち、経営資源の乏しい中小企業が取るべき基本戦略は「差別化戦略」です。
差別化戦略では、競合他社にはない自社の強みによって顧客のニーズを満たし、競争優位性を築いていきます。
差別化戦略を取るうえで重要となるのが、「自社の強みが本当に強みと言えるのか、持続的な強みなのか」を確かめて、競争優位性を維持・獲得できるよう対策を講じることです。
ここで、自社の強みを評価するためにVRIO分析が役立ちます。
■VRIO分析での強みの評価方法
VRIO分析の各評価基準をクリアしたときに、経営資源の競争優位性がどのように評価されるのかを説明します。
説明内容を一つの表にまとめてみましたので、まずはこちらをご覧ください。

それでは、上の図について説明していきます。
VRIO分析では、経営資源が各評価基準を満たしているかどうかを、Value(価値)、Rarity(希少性)、Imitability(模倣可能性)、Organization(組織)の順番でチェックしていきます。
評価基準をVからOまで全て満たすことができたとき、その強みには「持続的な競争優位性」があり、競合他社との十分な差別化ができている状態となります。
しかし、どれか一つでも満たすことができない評価基準があると、持続的な競争優位性は有していないと評価されます。
例えば、Organization(組織)が欠けている場合は、強い経営資源を持っているのに組織的に活用できていない宝の持ち腐れ状態となり、Imitability(模倣困難性)が欠けている場合は、希少価値はあるものの他社に真似されやすい「一時的な競争優位性」となります。
このように、VRIO分析では各評価基準を単体で使うのではなく、ハードル走のように順番に並べてクリアできるかどうか確かめて、強みの評価を行います。
■VRIO分析の具体例
ここからは、VRIO分析の具体例を紹介していきます。
実在の企業を例にあげるのは憚られましたので、国民的アニメキャラクターである「アンパンマン」と「ばいきんまん」について、VRIO分析を実施しました。
まずは、アンパンマンのVRIO分析です。

アンパンマンは、VからOまですべての評価基準を満たしており、持続的な競争優位性を獲得していることが分かりました。
ジャムおじさん、バタコさん、チーズなどパン工場の仲間とも協力してばいきんまんと戦っていますから、Organization(組織)もバッチリですよね。
次に、ばいきんまんのVRIO分析についても見ていきましょう。

ばいきんまんは、Organization(組織)を満たすことができず、一時的な競争優位性に留まることが分かりました。
いつもアンパンマンの顔を濡らしたり汚したりして追い詰めるのに、最後にはアンパンチで吹っ飛ばされて星になってしまうところが、一時的たる証拠ですね。
■おわりに
企業経営理論では、VRIO分析以外にも様々なフレームワークについて出題されます。
フレームワークの目的や使用方法をきちんと理解することが正解につながりますので、問題演習を繰り返し行うことや、自分の仕事やアニメなど身近なものに置き換えて考えることで、理解を深めましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
次回は、りっきー さんの登場です。
お楽しみに!
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