【みっつんの勉強会ブログ・第7回】2次試験にも役立つ1次企業経営理論(前編:事例Ⅰ)
おはようございます/こんにちは みっつんです。1次試験まで残り71日(10週)、2次試験まで149日(21週)となりましたが、順調に勉強は進んでいるでしょうか。
今日はまず、「勉強会スピンオフセミナー@東京」の宣伝をさせてください。
月4回のペースで開催しているタキプロ勉強会@東京ですが、勉強会参加者へのアンケートで参加者の希望が多かった「2次にも使える1次財務」をテーマとして勉強会スピンオフセミナーを行います。2次試験「事例Ⅳ」の争点にもなっている財務会計の1次試験の問題を厳選して、その場で解いていただき、勉強会方式で解説することで理解を深めます。
また、通常の勉強会と同様に2次試験問題(平成23年事例Ⅳ・第1問)を事前に解いて来ていただき、解答の妥当性を参加者間で議論します。さらに、タキメンとのよろず相談会で試験前の不安を払しょくしたいと思います。
財務を得点源にしたいあなた、事例Ⅳが苦手というあなた、ぜひセミナーにご参加ください。お申し込みはこちらから
【2017年6月勉強会スピンオフセミナーのお知らせ】
■対象 :中小企業診断士試験全受験生(1次2次問わず)
■開催日:2017年6月11日(日)
■時間 :13:30~16:45(13:00開場)
■場所 :月島区民館(東京都中央区月島二丁目8番11号)
(東京メトロ有楽町線または都営地下鉄大江戸線月島駅下車9番出口 徒歩2分)
■内容 :・勉強会 1次試験 財務・会計(過去問:当日配布、解説)
: 2次試験 平成23年事例Ⅳ 経営分析(事前予習要)
:・よろず相談会
■定員 :50名
■参加費:1000円
■持参するもの:筆記用具、電卓、平成23年事例Ⅳの解答用紙10部(コピー持参ください)
※セミナー終了後、懇親会(3,000円前後)も予定しています。
受験生や合格者との交流の場を設けますので、効果的な受験活動につなげてください! セミナーでは聞けなかった話、もっと聞きたい話がじっくり聞けます。この交流でモチベーションUP間違いなし!
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さて、60点答案に学ぶ(学ばない)低空飛行合格術のシリーズは少しお休みしまして(前回の予告を翻してしまいすみません)、今回は、勉強会スピンオフセミナーで披瀝する「2次にも役立つ1次財務会計」と並行して準備していたセミナーの没ネタを、ここでご紹介したいと思います。題して、「2次にも役立つ1次企業経営理論」です。今回は前編として、企業経営理論の1次試験問題の解答を応用して、2次試験の事例Ⅰのいわゆる「知識問題」の解答を作成してみたいと思います。
以下にて述べる事例Ⅰの解答はあくまでみっつんの判断基準で、1次試験の知識をなるべく多用して記載したものです。1次試験の知識が2次試験でも役に立つことが実感いただけるのではないかと思います。
平成28年度1次試験 企業経営理論 第12問
機能別組織、事業部制組織、マトリックス組織の特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。
エ(〇・正解肢) マトリックス組織は変化の速い環境で部門間の相互依存が高い場合に有効であるが、コンフリクトや曖昧さを許容する組織文化を持たないと効果的に機能しにくい。
↓↓↓…<1次知識を使って2次問題を解いてみる>
平成28年度2次試験 事例Ⅰ 第2問(設問2)
A社では、これまで、学校アルバム事業を中核に据えた機能別組織体制を採用していたが、複数の事業間で全社的に人材の流動性を確保する組織に改変した理由を、100字以内で述べよ。
<1次知識をベースにした解答案>
理由は、複数事業間の情報伝達を円滑にする等により相互依存を高めることで変化の速い環境に対処するため。
<さらに与件に沿った内容を加えた解答案>
理由は、①アルバム事業を核に蓄積してきた高度な印刷技術を一般印刷事業等他の印刷事業にも効率的に適用し、A社内のシナジー効果を高めるため、②複数事業間の情報伝達を円滑にし変化の速い環境に対処するため。
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平成23年度1次試験 企業経営理論 第14問
日本企業において人事制度の見直しが進んでいる。事業構造の再構築のなかで、成果に応じて格差のある報酬配分を行うことのメリットとデメリットを調和させた導入が重要になる。これに関する記述として、最も不適切なものはどれか。
イ(〇) 職場には既存の文化や風土、価値観が存在するため、新たな評価制度を導入する際には、その基準や手続きに関して十分に理解されるための時間が必要である。
エ(〇) 評価に対する納得感は、自己比較とともに他社相対比較の側面もあることから、適切に動機づけを高めるためには、社内の公平な評価制度に関する情報開示が要となる。
↓↓↓…<1次知識を使って2次問題を解いてみる>
平成27年度2次試験 事例I 第4問
A社および関連会社を含めた企業グループで、成果主義に基づく賃金制度を、あえて導入していない理由として、どのようなことが考えられるか。100字以内で述べよ。
<1次知識をベースにした解答案>
理由は、職場に存在する既存の文化や風土、価値観が損なわれることが危惧されたため。また、公平な評価制度の構築と情報開示が難しいため。
<さらに与件に沿った内容を加えた解答案>
理由は、①売上比と人員構成が異なる複数事業間で公平な成果評価設計が難しく、不公平感を持つ従業員のモラール低下が危惧されたため、②個人主義を排し長年培ってきた組織文化や風土、価値観を尊重するため。
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平成21年度1次試験 企業経営理論 第15問
規模の大小にかかわらず閉塞感に苛まれている成熟した事業を展開している企業では、優れた人材の持つ能力を制約したり破壊するような組織内環境をつくってしまう可能性がある。このような組織を、人材の持つ専門能力やエネルギーを組織の力として効果的に統合するように変革を進めていくためには、個々の従業員のコンピテンシーを開発するとともに、その力を組織に統合し、維持していかなければならない。こうした組織変革のプロセスに関する下記の設問に答えよ。
(設問1) 組織における個人のコンピテンシーを高め、自発的に職務にコミットさせるようにするためのプロセスとして、最も適切なものはどれか。
イ(〇・正解肢) 現場の従業員に経営資源を活用する権限を移譲し、自己規律に基づくエンパワーメントをしていく。
(設問2) 個人のコンピテンシーとコミットメントを、組織全体の力として統合していくための施策として、最も適切なものはどれか。
オ(〇・正解肢) 成熟した事業部門の枠を越えて、他の事業部門との横方向の情報交換を促進するような場の設定や、情報システムを導入する。
平成23年度1次試験 企業経営理論 第15問
優れた人材を採用し、定着率を高め、能力を高めるには、キャリア開発プログラムを充実させておく必要がある。キャリア開発プログラムに関する記述として最も適切なものはどれか。
ウ(〇・正解肢) キャリア開発は、組織階層を昇進することだけでなく、よりチャレンジングで魅力的なプロジェクトに参加させることを通じてなされる。
エ(×) 経営戦略や事業計画は頻繁に変化するので、キャリア開発プログラムはそうした計画とは独立に長期的視点から設計しなければならない。<→正しくは:キャリア開発プログラム(CDP: Career Development Program)は経営戦略や事業計画に沿って長期的視点から設計しなければならない。>
↓↓↓…<1次知識を使って2次問題を解いてみる>
平成26年度2次試験 事例Ⅰ 第5問
A社は、若干名の博士号取得者や博士号取得見込者を採用している。採用した高度な専門知識をもつ人材を長期的に勤務させていくためには、どのような管理施策をとるべきか。中小企業診断士として100字以内で助言せよ。
<1次知識をベースにした解答案>
管理施策は、①高度な専門技術を持つ人材に経営資源を活用する権限を移譲する、②チャレンジングで魅力的なプロジェクトへの参画等、他の事業部門との横方向の情報交換を促進するような場を設定する、③経営戦略に従い長期的視点に則ってCDPを設計し評価する。
<さらに与件に沿った内容を加えた解答案>
管理施策は、①長期的視点に則ってCDPを設計しまた成果を評価する。②研究に一定の裁量を認め十分な研究環境を整備する、③チャレンジングで魅力的なプロジェクトへの参画等、情報交換を促進する環境を設定する。
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平成23年度1次試験 企業経営理論 第32問(設問2)
B社(注:客室稼働率の低下に悩む老舗高級旅館)の顧客満足度向上に向けた具体的施策として、最も不適切なものはどれか。
ア(〇) 従業員の研修を徹底し、接客技術・知識の向上を図る。
イ(〇) 従業員の表彰制度などを導入して、従業員のモチベーションを高める。
ウ(×・正解肢) 接客のマニュアル化を徹底してサービスの標準化を図る。<→正しくは:マニュアルとは別に従業員にある程度裁量を与え、顧客ニーズに沿って柔軟に接客対応する。>
↓↓↓…<1次知識を使って2次問題を解いてみる>
平成25年度2次試験 事例Ⅰ 第2問(設問2)
A社のオペレーターの離職率は、同業他社と比べて低水準を保っている。今後、その水準を維持していくために、賃金制度以外に、どのような具体的施策を講じるべきか。中小企業診断士として、100字以内で助言せよ。
<1次知識をベースにした解答案>
施策は、①従業員の研修を徹底し、接客技術・知識の向上を図る、②従業員の表彰制度などを導入して従業員のモチベーションを高める、③マニュアルとは別に従業員にある程度裁量を与え、顧客ニーズに沿って柔軟に接客対応する。
<さらに与件に沿った内容を加えた解答案>
施策は、①従業員の研修を徹底しオペレーターとしてのスキル・知識の向上を図る、②優秀なオペレーターの表彰制度を導入してモチベーションを高める、③従業員に一定裁量を与え顧客ニーズに沿って柔軟に接客対応する。
いかがでしょうか。「2次に役立つ1次企業経営理論」と題して事例Ⅰの解答の一例を作成してみました。1次試験の知識に基づき2次試験の解答が導出される過程を捉えていただき、2次対策としても1次試験の企業経営理論の学習が有効だということがご理解いただけたでしょうか。
次回は引き続き事例Ⅱに関して、同様に企業経営理論の問題から2次試験の解答を導出してみたいと思います。
ここまで長文にお付き合いいただきありがとうございました。
明日は土曜日、まいど関西発です。鳥取からこうさんの登場です。お楽しみに!!
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