この時期の過ごし方と企業経営理論/Tomo
お詫び
※内容に間違いがありましたので7/5(金)に修正いたしました。
この大事な時期に間違った情報を載せてしまいましたこと、お詫びいたします。申し訳ありませんでした。
コメント欄にお書きいただいたヤマダ様、ご指摘いただきありがとうございます。
まずはじめに
こんにちは!
タキプロ 10期のTomoです!
自己紹介はこちらの記事をよろしくお願いします。
その他にも過去記事はこちらからどうぞ!
「試験勉強を続けるために有効な方法/Tomo」
「1次試験 財務・会計の勉強法/Tomo」
「事例 Ⅰ 「留意+助言」の答え方/Tomo」
1次試験まで1ヶ月となりましたね。
この記事はちょうど去年の自分が今頃何をやっていたかを思い出しながら書いています。
私の経験などを踏まえて、少しでも有益な情報を届けられたらと思います。
それでは、よろしくお願いします!
試験の難易度を再確認
私が受験した平成30年度(2018年)の診断士試験の合格率は1次が23.5%、2次が18.8%でした。単純計算で1次2次含めた合格率は4.4%ほどです。(実際はもっと複雑ですがここでは省きます。)
その前年(2017年)の合格率は1次が21.7%、2次が19.4%、1次2次で4.2%ほどでした。
この数字を見て、みなさんは何を思うでしょうか。
100人受けたら最終的に96人が落ちる試験で「簡単」と思う人はなかなかいないと思います。大抵の人は自分が本気で努力しても本当に受かるかどうか不安になる数字ではないでしょうか。
この時期だからこそ、もう一度この数字の意味をよく考えるべきだと私は思います。
この数字は伊達じゃありません。
努力している人がたくさんいる中で、本当にごく一部の人しか受からない試験です。
それでも合格するためには何が必要か?を考えて、今採るべき ”自分なり” の戦略を立てることを全力でおすすめします。
この時期やるべきこと
①時間確保
②知識の再確認・補強
以上の2点が重要です。
①時間確保のためには、
・有休を使って会社をできるだけ休む。
・仕事は最短で終わらせて最短で帰る。
・誰かに代わってもらえる仕事は代わってもらう。
など、できることはとにかく全部絶対にやりましょう!
繁忙期と重なった会社を休めなかったり、家庭の事情などで時間確保が難しい場合は、「徹夜で勉強」することをおすすめします。
私の場合は中小企業勤務のため1人でお客さんを担当することが多く、時期的に残業や土日の休日出勤が重なりなかなか会社を休めなかったのでそうしました。あまりにも体育会系なやり方ですが、時間の確保が普通にやっていては難しい人にとってはかなり有効です。仕事中眠くなる・頭の働く時間周期が崩れるなどのリスクはありますが、勉強できないよりよっぽどマシです。寝る時間が3時間以内だっていいじゃないですか、試験1ヶ月前はどれだけ詰め込めるかが勝負!ここで他人より踏ん張った人が試験では絶対に強いと信じています。
短期間で見るならこれも立派な戦略です。
採れる手段はなんでも採りましょう!
続いて②知識の再確認・補強です。
私はTACの「1・2次ストレート本科生」というクラスに通っていて、既にこの時期には一通り7科目を学習していました。
そこで最終確認のために最初に習った企業経営理論の問題を解き直してみたものの、暗記した知識を忘れてしまっていて解けない問題も結構ありました。
このブログの読者の方々の中にもそれで焦っている方がいるかもしれません。
でも人の記憶なんてそんなものです。暗記した知識なんて時の経過と比例して忘れていきます。
ならば忘れたものは覚えなおせばいいのです。
記憶は繰り返し覚えるとより強固になり、短い期間であればあるだけ覚えていられます。
だからこそ、この時期は暗記知識を覚え直すのにちょうどいいのです。
なので、暗記知識を重点的に高速で問題集を回転させることをおすすめします。
残り時間が少ない時ほど「詰め込み」は有効です。
この時期ならではの企業経営理論
この時期は先ほども紹介させていただいたように、知識で解ける問題を最優先にして勉強することをおすすめします。
そこで、試しに以下の問題を解いてみてください。
【問題】リーダーシップに関する学説の多くは、「人間もしくは人間関係指向」と「課業指向」という指向性の区別に言及している。このことに関する記述として最も適切なものはどれか。
ア アージリスは、職務拡充を通じて、課業指向的なリーダーシップを、人間関係指向的な リーダーシップにかえていくことができると主張した。
イ ハーシーとブランチャードは、高課業指向、高関係性指向のリーダーシップが、 最も説得的で生産的であると主張した。
ウ フィードラーは、低いLPCリーダーは課業指向で、高いLPCリーダーは人間関係指向 であると主張した。
エ ブルームは、民主的・参加型リーダーシップが高い生産性を生むと主張した。
いかがでしょうか。
こういう知識問題は本番で間違うと痛いです。反対に覚えてさえいればそんなに悩まず得点できます。
さらに企業経営理論の知識は2次試験でも使うことが多く、無駄になりません。確実に覚えて自分のものにしましょう!
さて答え合わせです。
まずは「ア」から。
アージリスときたら「未成熟=成熟理論」です。組織の健全化を図るためには「職務拡大(ジョブエンラージメント)」が重要と解きました。「職務拡充(ジョブエンリッチメント)」ではなく「職務拡大」が正しいのでバツになります。
次に「イ」です。難しいのでここでは飛ばしましょう。
次に「ウ」です。
「ウ」の論点は状況適合論です。状況適合論では、フィードラー理論とパス・ゴール理論は覚えておくと便利ですが、この問題は少し難しいので飛ばしてもいいと思います。
念のため説明すると、フィードラーは
①リーダーとメンバーの関係性
②仕事内容の明確化の程度
③リーダーの権限の強さ
のいずれもが
リーダにとって好ましい状況の時、または好ましくないとき→仕事中心型(=課業志向)のリーダーシップが有効
リーダにとってどちらでもなく中程度の状況の時→人間関係中心型(=人間関係志向)のリーダーシップが有効
と主張した人物です。
LPCとは「Least Preferred Coworker」の略で、「一緒に働くのが一番嫌な人」を意味します。LPCスコアが高いということは嫌いな協働者に対しても好意的に評価している「 人間関係志向」が強いリーダーということにはなります。
しかしLPCなどの単語は難しく、本番では文脈の中で対応することになるかと思います。
次に「エ」です。
これは行動類型論です。行動類型論は以下のものは覚えておきましょう!
◾レビンのリーダーシップ類型論(アイオワ研究)
民主型リーダーシップが「独裁型(悪くはないけど微妙)」や「放任型(あらゆる面で好ましくない)」に比べて最も優れているとした。
◾オハイオ研究
構造造り・配慮の両方に高い関心があるリーダーが好ましい。
◾ミシガン研究(リッカート)
タスク重視の「生産性志向型」よりも「従業員志向型(人間関係重視)」の「参加型組織」が好ましい。
◾PM理論
p=目標達成機能≒構造造り、M=集団維持機能≒配慮どちらも高いリーダーシップスタイルが好ましい。これは「オハイオ研究」に似ています。
ここで「エ」は「レビンのリーダーシップ類型論(アイオワ研究)」のことを言っているものの、設問では「ブルーム」となっていますので間違いになります。
「ア」「エ」が消せたので、暗記知識でここまで2択に絞れました。
正解は「ウ」ですが、本番では2択に絞れれば十分だと思います。
あとは文脈の中で、フィードラーは状況適合論を唱えた人だしなんか正しそうだな、と判断できればOKです。
企業経営理論は消去法で対応することが多く、1つに完璧に絞れることはそう多くありません。
それでも基本的なことを正しく覚えていれば消去法で解ける問題はあります。なんでも覚えようとするのではなく、この1ヶ月で基本的なことをどれだけしっかり覚えるかが勝負です。
補足ですが、状況適合論とは「置かれている状況によって有効なリーダーシップのスタイルは異なる」という理論です。リーダーシップや行動パターンの類型化を図った「行動類型論」とは決定的に異なるものですので注意しましょう。
例えば、
ブレークとムートンは、マネジリアル・グリッドと呼ばれるリーダーシップの類型化を図ったが、 これによればリーダーに多くの公式の権限が付与されているほど、業績に関する関心と人間に 関する関心がともに高いリーダーシップ・スタイルが、職務満足やチームワークなどに対して 有効であるという。
こんな設問の選択肢が出た場合、すぐにおかしいと気付けると最高です!
「リーダーシップの類型化」は「行動類型論」ですが、「付与されているほど」の太文字部分のような「〇〇されているほど、〇〇の場合」といったリーダーの置かれている状況を考慮するのは「状況適合論」です。「行動類型論」の場合はそこを一切考慮しません。
ですので上の設問の選択肢は間違いと判断でき、消すことができます。
長々と書いてしまいましたが、お付き合いいただき最後まで読んでくださった受験生の皆さん、ありがとうございます。
では、今日はこの辺で!
あと1ヶ月気合を入れて頑張りましょう!!応援しています!
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エの民主型リーダーシップはブルームではなくてレビンではないのでしょうか?
ブルームは期待値理論の人だと思ってましたので
参考になりました!
ヤマダ様
コメントありがとうございます。
内容に間違いがありましたので修正させていただきました。
ブルームはおっしゃる通り期待理論の人物です。
大変申し訳ございませんでした。
Tomo