企業経営理論~正解選択肢を効率よく絞り込もう~ by スズ
みなさん、はじめまして!タキプロ12期の「スズ」と申します。
これから1年間、タキプロ12期メンバーと一緒に診断士試験合格に役立つ情報を発信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
■自己紹介
年代/性別:30代/女性
職種:製薬企業営業→商社商品担当→IT企業で事業開発・コンサル
受験歴:1次5回、2次1回
勉強時間:1次400時間/年、2次200時間(※合格年度)
勉強方法:昔→大手予備校、合格年度→独学
得意科目(1次):企業経営理論、中小企業経営
得意科目(2次):事例Ⅰ、Ⅱ
10年前に思い付きで診断士の勉強をはじめたものの本気になれず、数回記念受験して一旦勉強を中断しました。子供の出産後に2教科を試しに受験した際、最も苦手な財務会計に科目合格。これを機に、育休期間中は診断士試験に再チャレンジし、2020年度に1次6教科、2次試験を受験しました。合格年度は独学&育児と仕事の合間に勉強しており、その際の失敗談や気づきを中心にお伝えしたいと思います。
さて、2021年度の試験は8月21日(土)・22日(日)に実施されることになり、全体的に後ろにズレた状態です。とはいえ、あと4か月後に一次試験が待ち受けているので、そろそろギアを上げていきたいタイミングだと思います。
そこで、今回は「企業経営理論」において「複数の選択肢から不正解選択肢を早く見極めたい」、「二択まで絞ったのに、高確率で間違った選択肢を選んでしまう」方向けに、得点を底上げするコツについてお伝えします。(実際、私の2019年度の得点は46点で撃沈しましたが、2020年度では30点伸ばすことができました。)
■企業経営理論は『国語』の問題
企業経営理論で得点を取りにくくしているのが、日本語の表現がわかりにくい(あいまい・表現がくどい)点だと思います。設問形式に慣れていないと、そもそも聞かれていることが理解できません。
また、テキストの勉強や、用語の暗記だけでは対応できない科目であることも特徴です。多くの論点が複合的につながった形で出題され、出題意図を掴むことができず判断を間違うことも多いかと思います。予備校でさえも正解判断が分かれます。一次試験後の速報では、某予備校の正誤判定で採点した際、診断士協会の正解と6問もの誤差が生じました。
さらに、最も悔やまれる失点パターンは、最後の2択まで絞れたのに、勘違いして間違った選択肢を選んだケースだと思います。出題形式、出題意図の理解を深め、得点を伸ばしていきたいものです。
■得点を伸ばすための3つのポイント
少しでも得点を積むために、基本対策として下記のことを意識することをおすすめします。
① 毎年出題される論点の用語・概念をしっかりおさえる
② 文章を厳密に解釈しない
③ 過去問から正解の方向性を学ぶ
①毎年出題される論点の用語・概念をしっかりおさえる
毎年出題される論点については、問われているポイント(用語・概念)をしっかりおさえる必要があります。例えば、「令和元年の第7問」と「令和2年の第4問」はともに「経験効果、規模の経済、範囲の経済」に関連する論点ですが、教科書を暗記するだけでは解けません。
前者は3者の違いが理解できれば回答できますが、後者は企業の競争優位性と絡む論点として出題されているため、より本質的な理解や他論点との関連性までおさえる必要があります。
②文章を厳密に解釈しない
日本語は様々な表現方法があるため、自分の表現と異なるとすべて怪しく見えます。
一歩引いた意識で設問文を眺め、「きっとこういう論点を聞きたいんだろうな…、きっとこういうことを言いたいんだろうな…」という意識で解くことをおすすめします。
③過去問から正解の方向性を学ぶ
企業経営理論は暗記では対応しきれない、応用力が必要な科目です。ひねった問題がでることもあるので、どの部分が間違っているから「×・〇 」と判断したのか、判断ポイントを学習時に意識することで対応力が向上します。
テキストは論点別に整理されていますが、出題は複数論点が絡み合って出されるケースが多いため、過去問をテキスト代わりにして、勉強することをおすすめします。
■選択肢を効率的に絞るための見極めコツ
「企業経営理論」は試験時間、問題数が最も多い科目です。
そこで、「複数の選択肢から不正解選択肢を早く見極めたい」方向けに、選択肢を効率的に絞るための、見るべきポイントをお伝えします。
①日本語の表現から、怪しい選択肢のアラートを感じ取る
②用語の置き換えで間違い選択肢を素早く除外する
③文章を句読点で区切り、パーツ同士の因果関係で正誤判定する
①日本語の表現から、怪しい選択肢のアラートを感じ取る
例えば、断定的な表現は「×」、あいまいな解釈の幅が広い表現は一旦「△」にします。個人的な感覚として、確実に「×」でなければ、出題者の表現方法が正解選択肢をマスキングしている可能性があるため、結果的に「〇」にして良いケースが多いように思います。
あいまいな表現としては「●●であることが多い」、「~の場合がある」などで記載されいてる文書などがあります。また、学習したことがない論点、聞いたことがない用語が出題されることもあります。その場合は他の選択肢との比較(相対評価)や、同選択肢内で分かる用語で正誤を判断するように心掛けてほしいと思います。
基礎用語がおさえられていないケースは論外ですが、初見の論点・単語の問題は他の方も間違える可能性が高いため、こだわらなくてもよいと思います。
②用語の置き換えで間違い選択肢を素早く除外する
選択肢を作る際、「逆の概念、並列・類似概念など」を散りばめて混乱させるケースがあります。
・逆の概念例 → 「高い・低い」、「内部・外部」など
・並列・類似概念 → 「経験効果・規模の経済」、「企業ドメイン・事業ドメイン」など
暗記する時は、用語の関係性を意識しながら「セットで覚える」ことで、解答時に設問文に「記載されていない方の単語」を自動的に置き換え、正誤判定できるようになります。アンテナを張りながら設問文を読むことで、間違い選択肢を素早く見つけることができるようになります。
③文章を句読点で区切り、パーツ同士の因果関係で正誤判定する
企業経営理論の選択肢は往々にして長文で書かれるケースがあります。素早く正誤判定するために、選択肢の文章を①・②・③と句読点で区切り、パーツ同士の整合性を確認することをおすすめします。
文章の構造上①と③の因果関係は正しいが、②は不適切な内容で書かれているパターンが多く散見されます。文章全体を眺めるよりも、敢えて「/」記号を入れて文章を区切るなどし、因果関係が入れ替わっていないか確認することで、選択肢の読解時間が減り、判断の正確性が増します。
■問題の解き方ステップ①~⑤
問題の解き方は人それぞれですが、私は下記のような流れで固めています。(参考になるかは分かりませんが、一旦情報としてお伝えします)
①まずザっと眺めて、確実に判断できる間違い選択肢を排除
②断定表現は「×判断」から排除できそうな選択肢を外す
③キーワードを四角枠で囲み、同じ選択肢内・他の選択肢でキーワード同士が入れ替わっていないかを見る
→この段階で選択肢を2つ程度にまで絞ります
④2つの選択肢を並べ、間違い要素を抽出
⑤④でも判断できない場合は、2つの選択肢を比較しながら、「相対的に正しそうな方」を選ぶ
大事なのは、「問われ方」に慣れることです。過去問は試験年度別に解くのではなく、論点別に解きましょう。問われ方、ひっかけるポイント、複合論点(紐づいている論点)などを理解し、確実に得点を積み上げてほしいと思います。
■おわりに
最後に、問題の「間違え方」を分類して対策を立てることをおすすめしたいと思います。
間違えたままにするのは論外ですが、正解選択肢を確認しただけでも不十分です。「なぜ間違えたのか」をしっかり考え、対策を立ててほしいと思います。
例えば・・・
・題意をとらえ間違えた → 設問を読む際に自分がよく勘違いしてしまうポイントを再確認する
・問われているキーワードを知らなかった → テキスト・過去問で該当する部分の知識を補強する
・問われているキーワードが理解できなかった → 重要かつ頻出キーワードであれば、確実に復習する
・設問文のケアレスミス(「最も不適切なものはどれか。」と聞かれているのに、「適切なもの」を選んでしまった) → このパターンだけ、設問文をマーキング (癖になっている可能性があるため、本番で間違いないように注意することが必要)
最優先すべきは、設問文の読解力を高めることです。最低5年分の過去問を解き、余裕があれば8~10年分の過去問を、「論点ごとにまとめて解くこと」で慣れていけると考えています。
いかがでしたでしょうか。
少し長くなってしまいましたが、「企業経営理論は国語の問題である」点を軸に、得点を伸ばすポイント、選択肢を絞り込むコツなどをお伝えさせて頂きました。個人的な経験に基づく部分もあり、全て正しいやり方ということではありませんが、一つでも読者の皆様のヒントになれば幸いです。
次回はむーむさんの登場です。
お楽しみに!
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