企業経営理論の苦手を克服する3つの方法 by わぎーさん

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読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ13期のわぎーさんと申します。

■はじめに

多年度受験生の強い味方、わぎーさんです。自己紹介はこちらの記事をご覧ください。

私は、企業経営理論を平成21年から令和3年まで合計11回受験しました。
はじめのうちは苦手科目でしたが、最終的に得点源にすることが出来るようになりました。

企業経営理論は、独特のクセがある科目で知識量と得点が必ずしも連動しない科目です。今日はブログをご覧いただいている方だけに特別に、私が11回の受験で身につけたノウハウのうち、特に重要な3つを伝授します。

■ノウハウ①➢選択肢の構造を理解する。

企業経営理論は7科目のうち、最も文章量が多い科目といっても過言ではありません。時間内に正確に解くために文章の読み方を標準化しましょう。

企業経営理論の選択肢の文章の構造は
[ A ]は[ B ]なので[ C ]である。
というように、3つの要素の組み合わせ構成になっていることが多いようです。この3要素の矛盾を見つけます。
上記の例文の場合、まず「[ A ]は」まで読んだら、一旦読むのを止めます。
ここで[ A ]がどういう状況なのかを、頭にイメージします。
イメージが沸いたら、続きを読みます。
[ B ]なので」まで読んだら、また読むのを止め[ B ]をイメージします。
イメージが沸いたら、更に続きを読みます。
以降も同様です。このような読み方の練習をすることで、[ A ][ B ]⇔[ C ]の、矛盾が浮き上がってくるようになります。過去問を解きながら、作問者がどのように誤りを埋め込んでいるかを意識するようにしましょう。

【例題】
平成23年第6問
中小企業ではニッチ市場に特化したり、特定の市場セグメントに自社の事業領域を絞り込んだりする集中戦略がとられることが多い。そのような集中戦略をとる企業の戦略対応として、最も不適切なものはどれか。
ウ 自社の得意とする市場セグメントに事業領域を絞り込むことによって、業界大手の追随を振り切ることができるばかりか、好業績を長期に維持できる。

この問題の選択肢ウの場合、「自社の得意とする市場セグメントに事業領域を絞り込むことによって、」で、一旦読むのを止め、どういう状況かイメージしてみます。私の場合、とんこつスープで太麺が名物の、街のラーメン店をイメージしました。言い換えれば、とんこつスープの太麺というセグメントに事業領域を絞り込んだお店です。

続きを読みます。「業界大手の追随を振り切ることができる」で、再び読むのを止め、どういう状況かイメージしてみます。業界大手…私は、「餃子の王将」さんのようなお店をイメージしました。この時点で、「業界大手の追随を振り切ることができる」か、どうかに「?」フラグが立ちます。

最後に、「好業績を長期に維持できる。」をイメージします。おそらく自社の得意とする市場セグメント(とんこつスープの太麺)に事業領域を絞り込んだとしても、「好業績を長期に維持できる。」かというと、必ずしもそうとはいえないという結論に至り、この選択肢は誤りだと判断できます。

■ノウハウ②➢初見のカタカナ用語に引きずられない

企業経営理論で出題される用語は当日までに確実に押さえておきたいものです。しかしながら、それでも分からないカタカナ用語が出題された場合でも、落ち着いて対応することで正答にたどり着けることがあります。

【例題】
平成23年第3問

企業の強みと弱みに関する分析フレームワークについての記述として、最も不適切なものはどれか
イ 経営資源やケイパビリティが競争優位を生じさせており、企業の内部者にとって競争優位の源泉との関係が理解できない場合、経路依存性による模倣困難が生じている。
ウ 経営資源やケイパビリティに経済価値があり、他の競合企業や潜在的な競合企業が保持していないものである場合、希少性に基づく競争優位の源泉となりうる。
エ 経済価値のない経営資源やケイパビリティしか保持していない企業は、経済価値を有するものを新たに獲得するか、これまで有してきた強みをまったく新しい方法で活用し直すかの選択を迫られる。

もし「ケイパビリティ」という言葉を知らなかったら、焦ってしまいますよね。
この場合は、焦らず騒がず思い切って無視してしまいましょう。

イ 経営資源やケイパビリティが競争優位を生じさせており、企業の内部者にとって競争優位の源泉との関係が理解できない場合、経路依存性による模倣困難が生じている。
ウ 経営資源やケイパビリティに経済価値があり、他の競合企業や潜在的な競合企業が保持していないものである場合、希少性に基づく競争優位の源泉となりうる。
エ 経済価値のない経営資源やケイパビリティしか保持していない企業は、経済価値を有するものを新たに獲得するか、これまで有してきた強みをまったく新しい方法で活用し直すかの選択を迫られる。

このようにしても、正誤を覆すような結果になりません。
ちなみに、ケイパビリティとは「組織として持つ、他社より優位な強み」のことで、この問題の正答(最も不適切な選択肢)は イ です。

■ノウハウ③➢前提条件に注意

企業経営理論は問題文の文章が長いので、つい読み飛ばしてしまいがちです。
しかしながら、問題が長いものほど問題文の中にヒントが散りばめられています。

以下の例題を読んで、どこにフォーカスを当てるべきか考えてみてください。

【例題】
平成22年第25問
ある地方都市の、手作りの折りたたみ式マウンテンバイクを製造する、小さな町工場の社長Y氏は、高視聴率を誇るテレビのビジネス情報番組で自社の製品が紹介されたことがきっかけとなり、全国から対応しきれないほどの数の引き合いを受けるようになった。昨今の健康ブームも相まって、自転車通勤に切り替えたり、週末にサイクリングで名所めぐりをする消費者が全国的に増加していることもあり、Y氏はこの機会に自社で手作りする自転車を全国市場で販売することを決心した。その販売経路政策として、最も不適切なものはどれか。ちなみにY氏の町工場が生産する自転車の価格帯は、12万円から20万円程度であり、テレビ報道を機に商標名の認知度も高まってきている。

この文章を読んで、解答するにあたり、どこにフォーカスを当てるべきでしょうか。
週末にサイクリングで名所めぐりをする消費者が全国的に増加 』や『全国市場で販売することを決心した。その販売経路政策』の部分にだけフォーカスが当たった方は要注意です。「これはビジネスチャンス!売って!売って!売りまくれ!!」という反応になってしまいます。

この問題の場合

ある地方都市の、手作りの折りたたみ式マウンテンバイクを製造する、小さな町工場の社長Y氏は、高視聴率を誇るテレビのビジネス情報番組で自社の製品が紹介されたことがきっかけとなり、全国から対応しきれないほどの数の引き合いを受けるようになった。

この部分にフォーカスが当たらないと、解答の方向性が真逆になってしまいます。
ちなみにこの問題の選択肢は

ア 大手自転車メーカーと販売に関する提携をして、適切な小売店に納入していく。
イ 各々の地域市場において有力な自動車ディーラーの営業担当者を介した販売を進めていく。
ウ 自社製品の露出をできる限り高めるために、開放型チャネル戦略を展開する。
エ 全国市場でのテスト販売を兼ねて、まずは有力なインターネット・ショッピング・モールに出店し、売上の動向や収益性の判断を、相応の時間をかけて行う。
オ 大都市圏のみに数店舗を構えるライフスタイル型の専門店小売企業に取引先を限定し、高性能・高級ブランド自転車として販売していく。

となっています。
似たような選択肢が多く若干悩ましいのですが、この問題の正答(誤りの選択肢)は ウ です。
小さな町工場が、手作り自転車を全国から対応できないほどの引き合いを受けているのにもかかわらず、更に開放型チャネル戦略を採用すると明らかに破綻しますよね。

■おまけ➢模擬試験を受けられる方へ

企業経営理論は、お昼ご飯の直後なので眠くなりやすいです。
模擬試験当日に、もし眠くなってしまうようでしたら、本試験当日の眠気対策も今のうちから考えておくといいでしょう。模擬試験では当日の体調管理も意識し、本試験当日に最高のコンディションで試験に挑めるようにしましょう。
ちなみに私の場合、本試験ではお昼ご飯を食べず、昼休みは教室の外に出て外気を吸うようにしていました。

■おわりに

これからの時期はひたすら過去問をまわしましょう。
その際に上記の①~③のノウハウを強く意識して取り組んでください。
作問者が、どういう手口で問題や選択肢を作っているのかを、強く意識することで確実に得点は伸びます。予備校が提供する「直前対策」のようなものに手を出すより、はるかに効果的です。

※本文中の例題は、皆様が最新の問題で試せるように配慮し、敢えて古い過去問を引用しました。基本的な解き方・考え方は直近の問題も同じです。

例題の引用元:中小企業診断協会HP
https://www.j-smeca.jp/contents/010_c_/shikenmondai.html


次回はたじまさんの登場です。
お楽しみに!

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