直前期の経営法務の取り組み方 by nyoko
タキプロ15期の nyoko と申します。この記事が投稿される頃は、いよいよ1次試験の直前期です。今回は「経営法務」を担当することになりましたので、「経営法務」の直前期の取り組み方についての記事となります。ご参考になれば幸いです。
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■「経営法務」は「守り」の科目!
1次試験の7科目は「攻め」の科目と「守り」の科目で分かれると思っています。「攻め」の科目は「積極的に60点以上、あわよくば70点以上を取りに行く」科目で、一方の「守り」の科目は「60点前後を目標としつつ、最低でも40点を下回らないようする」科目と定義させていただきました。私の主観による分類は以下です。
「攻め」の科目:企業経営理論、財務・会計、運営管理、中小企業経営・政策
「守り」の科目:経済学・経済政策、経営法務、経営情報システム
あくまでも主観なので、私が「守り」に位置付けた科目でも、自分が得意分野だと思えば「攻め」の科目に入れても良いかと思います。
ただし、逆に「攻め」の科目を「守り」の科目に変えることは、苦手意識があったとしても、あまりお勧めしないです。ご存じの通り、「企業経営理論」、「財務・会計」、「運営管理」の3科目は2次試験にも直結するため、「1次試験主要3科目」とも呼ばれるほど重要な基幹科目であり、次の2次試験のためにも、やはり「最低でも合格点」を目標にした方が良いです。「中小企業経営・政策」は以前の記事でも書かせていただいた通り、効率的に学習すれば合格点を取ること自体、他の科目と比較して、さほど苦にならないはずだと思っております。
その中で、「経営法務」は2次試験の関連度は低いこともあり、無理に「攻め」の科目にせず、「守り」の科目で十分かなと思います。全ての科目を均等な配分で学習することは難しいので。
■勝負の分かれ目は「会社法」
「経営法務」の学習範囲は大きく分けると「会社法」、「知的財産権」、「民法」の3分野となります。
手元にLECの直近5年分の過去問があり、各設問の正答率も掲載されております。それを見たところ、ある程度はっきりと傾向が出ておりました。
・会社法:平均正答率50%~60%
・知的財産権:平均正答率70%以上
・民法:平均正答率40%以下
これを見ると「知的財産権」は基本1問も落とせないと思っていた方が良いです。パリ条約等の国際特許出願絡みだけは多少正答率は落ちる(正答率40%台)のですが、それ以外は軒並み正答率が高いからです。
一方、「民法」は、やはり苦手とする受験生が多いようで、軒並み正答率は低く、ここは全問落としたとしても、ある程度仕方ないのかもしれません。
となると、「経営法務」の勝負の分かれ目は「会社法」で、どれだけ得点を稼げるかにかかっていると言え、仮に「民法」は全問落としたとしても、「会社法」である程度得点できれば、「最低でも40点以上を死守する」ことができることになります。
毎年、「会社法」も「知的財産権」も概ね8問程度は出題されるので、「知的財産権」は全問、「会社法」は半分取れれば、12問正解で48点となり、「40点死守」が可能となる計算になりますね。
■「会社法」で得点をもぎ取るためには
「会社法」は学習する範囲もそれなりに幅広いのですが、やはり頻出論点は落とせないかと思います。引き続き、過去問5年分からざっくり出題された論点を多い順に整理しました。
ある程度まんべんなく出題はされているものの、「事業譲渡」、「株主総会」、「取締役・監査役の選任」、「合併」は出題頻度が高いことが分かり、学習の比重を高くしておく必要があります。余裕があれば「会社の設立」や「公開会社でない株式会社」まで、抑えておけば、まずは安全ではないでしょうか。
■「民法」は完全に捨ててしまって、本当に良いのか?
「経営法務」の学習の王道は「会社法」、「知的財産権」に比重をかけることに異論を唱える人は少ないはずです。
では、難易度の高い「民法」は完全に捨ててしまって構わないかということなのですが、せめて「相続」だけは抑えるべきかと個人的には思っております。こちらも過去5年間の出題実績です。
・令和5年:2問
・令和4年:2問
・令和3年:1問
・令和2年:1問
・令和元年:2問
この5年で最低1問、多いときは2問出題されております。これだけ毎年出ている実績があるので、「民法」で学習するなら、「相続」が最優先であり、効率から見ても完全に「相続」に絞る戦略もありかと思います。
「相続」を細かく分けると、「法定相続」、「遺言」、「遺留分」が主要範囲となり、「法定相続」や「遺留分」については、この科目では珍しく計算問題(要するに誰が遺産のどの程度をもらえるか)が出題される場合もあります。計算問題になると、更に難易度は上がってしまう(正答率が極端に下がる)のですが、そうでない知識問題の場合は、まだ相対的には得点を取りやすいので、2問出題されたら、どちらか1問は何とか粘って得点としたいところです。
■直前期の学習
改めて整理すると、直前期の「経営法務」の学習優先度は以下と考えております。
最優先(確実な得点源):知的財産権全般
次点(足切り回避):会社法の頻出論点(事業譲渡、株主総会、取締役・監査役の選任、合併)
余力があれば(合格点に近づくために):民法の相続、会社法の準頻出論点(会社の設立、公開会社でない株式会社)
直前期は時間が限られるため、「攻め」の科目を優先して、比重をかけた方が間違いなく良いので、「経営法務」を「守り」とするならば、上記論点中心の学習中心でも、40点以上は固いかと思います。
それでは直前期にどの程度、学習に充てるかですが、私のお勧めは毎週日曜の午前中最低1時間です。なぜなら、「経営法務」は2日目(日曜)の午前最初の科目であり、日曜午前の脳を「経営法務」に回す習慣をつけることで、本番でも力を発揮できる可能性が高まると思います。
■おわりに
「経営法務」は、とかく1次試験の鬼門の科目として、受験生に恐れられる科目となっております。正直なところ、1次試験からやり直しになった際に、最もやり直したくないのはどの科目かと聞かれたら、私は迷わず「経営法務」を挙げます。それくらい試験的には厄介な科目です。
ただ、学習内容は嫌いかと聞かれたら、そんなことはないです。特に「会社法」自体は会社の仕組みや種類については元々関心があったこともあり、学習が楽しかったです。
誤解を恐れずに言えば、診断士に興味を持って学習を始めているなら、「会社法」は興味を持てるはずだと思っております。
次回は、MOV さんの登場です。
お楽しみに!
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