全要素生産性って何?

経済学・経済政策

読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ14期のもよろんです。

今回のテーマは「経済学・経済政策」です。1次試験が終わったばかりということで、「ここだけ抑えればOK!」というような頻出論点のまとめではなく、ややマイナーな論点を取り扱いと思います。

今回扱うのは、ずばり全要素生産性です。

■全要素生産性とはなんぞや

全要素生産性は、一言で説明すると、「労働と資本以外の、生産性を高める要因」です。
……これだけ聞くと、なんのこっちゃですよね。

もう少し噛み砕いて解説すると、労働や資本は投入量を示しているのに対して、全要素生産性はおもにを示しています。具体例としては、技術の進歩や生産の効率化等です。

全要素生産性は定量的に測定することが難しいため、生産量(あるいは生産量の増加分)から労働と資本の寄与分を差し引いて求められます。

コブ=ダグラス型生産関数

全要素生産性が用いられている式として、コブ=ダグラス型生産関数というものがあります。

コブ=ダグラス型生産関数

Y=A・Kα・Lβ

Y=生産量 A=全要素生産性 K=資本投入量 L=労働投入量

α=資本分配率 β=労働分配率 ※α+β=1

もの凄くざっくりと説明すると、労働・資本の各投入量と全要素生産性から生産量を求められるということです。深く考えると中々難しいので、試験対策上は式の形だけ覚えておけばいいと思います。

式の性質を詳しく知りたい方は、このサイトの解説がスッキリとまとまっているので、そちらをご一読ください。

■過去問では

概要を抑えたところで、実際の試験でどのように出題されたのかを見ていきましょう。

H26年第12問

まずは易しめの問題から。先ほど説明した通り、全要素生産性は生産量(あるいは生産量の増加分)から労働と資本の寄与分を差し引いて求められます。

なので、GDP成長率への全要素生産性の寄与は「実質GDP成長率-(労働の寄与+資本の寄与)」です。

後は、各年の寄与を計算すれば答えが出ます(ご自身で解いてみてください!)。

R1年第20問

続いてコブ=ダグラス型生産関数の問題です。全要素生産性は技術の進歩を指すことが多いため、ここではA=技術水準となっています。

では、選択肢を検討してみましょう。まずは選択肢ア、Kは資本投入量なので、1-αは労働分配率ではなく資本分配率ですね。選択肢イについては、適当な値を代入してみればわかります。Aは1、αと1-αはどちらも0.5とすると計算しやすいです。

選択肢ウですが……コブ=ダグラス型生産関数では代替の弾力性は常に1だと覚えてください。わかりやすく説明できず申し訳ないですが、そういうものだと覚えた方が楽です。

全要素生産性はAなので、選択肢エは間違いだとすぐにわかりますね。

ということで、答えは……ご自身で選択肢イを計算して確かめてみてください。

R3年第12問

最後に令和3年の問題です。正しい記述をすべて選ばないといけないため、難易度高めの問題となります。

では、各記述を見てみましょう。αは、ここまで読んでくれた方には説明不要でしょう。正しい記述です。

bとcについては、コブ=ダグラス型生産関数を思い浮かべながら考えてみてください。生産量(ここでは成長率)を求めるために必要なのは、労働生産性ではなく労働投入量でしたね。そして、労働と資本の投入量が一定でも、全要素生産性が上昇すると生産量も増加します。

最後にdですが、生産性を労働投入量で除して求められるのは労働生産性です。よって、正しい記述はaとcです。

ちなみに、全要素生産性は生産量を全ての生産要素の投入量で除した値となります。

過去問解説は以上です。一度解いただけで終わらず、しっかり復習してくださいね。

■おわりに

来年の1次試験まではまだまだ長いです。
コツコツ継続するのも重要ですが、どうしてもモチベーションが続かなかったり、プライベートが忙しい時には、思い切って休息を取ることも大事ですよ!

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次回は洋一さんの登場です。
お楽しみに!

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