【日曜日は名古屋の日】経済学・経済政策、経済学の知識がなくても解ける問題 (あぶじゃ)
みなさんこんにちは!
いよいよ1次試験が視界に入る時期になってきましたね。もう受験申込をすまされた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。申込がまだの方はどうぞお早めに。いずれにせよ残り3ヶ月弱、体調に気をつけて乗り切ってください。
と、いうことで、本日は1次試験「経済学・経済政策」について。合格者も含めて苦手科目に挙げられることも多いこの科目ですが、例年1~2問程度経済学の知識を用いずに解ける問題が出題されているので、ご紹介したいと思います。今回例として挙げるのは昨年H28年の第20問です。
H28 経済学・経済政策 第20問
いま、ある1つの投入要素のみを使って、1つの生産財を生産する企業を考える。この企業の生産活動を規定する生産関数は、下図のような形状をしているものとし、要素投入量はゼロより大きい。下図に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。なお、ある要素投入量Xに対する生産量がYであるとき、Y/Xを「平均生産物」と呼び、ある要素投入量に対応する生産関数の接線の傾きを「限界生産物」と呼ぶことにする。
※問題文の青太字、赤太字はあぶじゃによる。
a 平均生産物の大きさは、要素投入量が増えるほど小さくなる。
b 限界生産物の大きさは、要素投入量に依存しない。
c どの要素投入量においても、平均生産物の大きさは、限界生産物の大きさよりも大きい。
d 要素投入量がある程度まで大きくなると、限界生産物の大きさは、平均生産物の大きさよりも大きくなる。
解答群
ア aとc イ aとd ウ bとc エ bとd
この問題を解くにあたって、青太字と赤太字の部分に着目してみることにします。
ある要素投入量Xに対する生産量がYであるとき、Y/Xを「平均生産物」と呼び
生産関数上の任意の点(X1, Y1)(X2, Y2)(X3, Y3)における平均生産物をそれぞれA1, A2, A3とした場合、Y1/X1=A1 Y2/X2=A2 Y3/X3=A3とあらわすことができます。
そして、上記の式の両辺にそれぞれX1, X2, X3をかけることで、
Y1=A1X1 Y2=A2X2 Y3=A3X3 を導くことができます。
つまり、平均生産物とは原点と生産関数上の任意の点を結ぶ直線の傾きの大きさであることがこの部分から読み取れます。
ある要素投入量に対応する生産関数の接線の傾きを「限界生産物」と呼ぶことにする。
これはもうそのまんまですね、グラフの上に接線を描いて確認してみます。
2つのグラフを1つにまとめてみます。
もう一目瞭然ですが、以下a~d各記述を検討してゆきましょう。
a 平均生産物の大きさは、要素投入量が増えるほど小さくなる。
要素投入量が増えるにしたがって、平均生産物を示す直線の傾きは小さくなってゆきます。よって正しい。
b 限界生産物の大きさは、要素投入量に依存しない。
限界生産物を示す接線の傾きは要素投入量によって変化しています。よって間違い。
c どの要素投入量においても、平均生産物の大きさは、限界生産物の大きさよりも大きい。
生産関数上のどの点においても、平均生産物を示す直線の傾きは限界生産物を示す接線の傾きよりも大きいことがわかります。ちなみに、要素投入量が0の場合は平均生産物と限界生産物は等しくなりますが、問題文中に「要素投入量はゼロより大きい」と書かれているので、やはり平均生産物の大きさは常に限界生産物のそれよりも大きくなります。よって正しい。
d 要素投入量がある程度まで大きくなると、限界生産物の大きさは、平均生産物の大きさよりも大きくなる。
要素投入量がどれだけ大きくなっても限界生産物の大きさが平均生産物のそれを上回ることはありえません、よって間違い。
と、いうことで正しい記述はaとc、問題文の記述だけで、経済学の知識を用いずに正解アを導き出すことができました。
同様にH27年の第16問、H26年の第18問も問題文を丹念に読み込むことによって、経済学の知識なしに正解にたどりつける問題です。まだご覧になっていない方は一度チェックしてみてください。
こうした問題を確実に拾ってゆくことで合格が近づいてくると思います。タキプロでは1次試験に向けて頑張るみなさんも応援しています。各地域の勉強会にぜひいらしてくださいね。お待ちしております。
さて、明日の担当は50代ストレート合格の「しげ」さんです。
本番が近づくにつれて重要になるメンタルの保ち方について書いてくださっています。お楽しみに!
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