簿記に苦手意識を持つ方向け 財務・会計のあるきかた   byゆの

タキプロ14期の ゆの と申します。

今回は、どうしても簿記一巡の手続きの流れを完成できない私が、一次試験の財務・会計をどうやって突破しようとしたか、対話形式で示してみる試みです。苦手意識を持っている方は、ぜひお付き合いください。

↓↓過去記事はこちら↓↓

まずは自己紹介からです。

名前:ゆの
年代・性別:30代・男性
職業:地方公務員(元銀行員)
受験歴:1次 1回、2次 1回
勉強時間:1次 300時間、2次 200時間
学習方法:ともに独学(11期タキメンが同所属というドーピングあり)
好きな科目:1次 企業経営理論、経営・政策
      2次 事例Ⅰ
モットー:事例企業に寄り添い、聞かれたことに真正面から答える

家族構成:妻1人、息子1人(1歳11か月)



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■1-1 はじめに・・・

あるところに、簿記嫌いのゆのさんがいました。

ゆの(受験生):私は簿記が嫌いです。
理由は、①1つ間違うと永遠に答えが合わないため、②決算書を作りたいわけではないし、決算書を踏まえてどうするかという話をしたいため、③簿記を勉強する時間があったら、ほかのことを勉強したいため、です。何度も、簿記2級で挫折してきました。

ゆの(ファシリテータ(以下、ファシリ)):なるほど、簿記が嫌いなんですね。ただ、お話を聞いてみると、全てが嫌いなわけではないようです。細かい作業が嫌いなだけで、いわゆる経営分析には興味があると。また、決算書自体には抵抗がないようです。

ゆの(受験生):確かに、簿記というイメージが先行すると、途端にやる気がなくなりますが、経営分析ということであれば、楽しいですし、やれる気がします。

ゆの(ファシリ):診断士試験の財務・会計は、ザ・簿記的な問題も出ますが、それ以外の問題も多く出題されます40点以上取れれば、パスすることができるので、一旦は、簿記の範囲以外の勉強を進めてみてはどうですか。

ゆの(受験生):仕方ないですね、やってみます。

■1-2 簿記って本当に必要?

一次試験の財務・会計の概要を確認してみます。

私が使用したテキストのチャプター分けはこうなっています。
共通 Chapter 1 財務・会計の学習を始めるにあたって
会計 Chapter 2 財務諸表概論

会計 Chapter 3 経営分析
会計 Chapter 4 管理会計
財務 Chapter 5 意思決定会計(投資の経済性計算)
財務 Chapter 6 ファイナンスⅠ(企業財務論)
財務 Chapter 7 ファイナンスⅡ(証券投資論)
会計 Chapter 8 貸借対照表および損益計算書の作成プロセス
会計 Chapter 9 キャッシュフロー計算書の作成プロセス
会計 Chapter10 原価計算

財務・会計は、経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)のうち、カネにアプローチする分野であり、財務(ファイナンス)と会計(アカウンティング)に分かれています。
会計は、制度会計と管理会計に分類され、そのどちらにも財務3表が用いられます。また、財務は、主に企業財務(コーポレートファイナンス)を範囲とし、意思決定会計企業財務論証券投資論に分けられます。

会計(アカウンティング)の一要素として簿記があるわけです。純粋な簿記部分は、太字の部分となります。
こうしてみてみると、簿記以外の要素もありますね。

簿記に苦手意識がある方は、一旦、黒字以外のところから、読み進めてみてはどうでしょう

■2-1 そのあと・・・

ゆの(受験生):やはり私は簿記が嫌いです。
ただ、収益性や効率性、安全性を分析をするために、財務諸表のどこに何が書いてあるかくらいは、分かっていなくてはダメな気がしてきました。

ゆの(ファシリ):なるほど、最低限の仕組みだけは理解した方が良いとお考えなんですね。それでは、読み飛ばしていた財務諸表概論に手を付けてみましょう。

ゆの(受験生):でも、項目が多すぎて、覚えられる気がしません。やっぱり嫌いです。

ゆの(ファシリ):貸借対照表は、①資産(流動、固定)、②負債(流動、固定)、③純資産(自分、他人)とだけ。
損益計算書は、①総売上-原価=粗利、②粗利-経費=営業利益、③毎年ある入り繰り→経常利益、④普段はない入り繰り→税引前利益、⑤税金→最終利益とだけ覚えましょう。いったんこれだけで十分です。
経営分析で使いたい指標がこれらのどの部分にいるのか意識して、慣れていきましょう。あくまでも、経営分析に必要な分だけ、覚えれば十分です。

ゆの(受験生):仕方ないですね、やってみます。

ゆの(ファシリ):ある程度やったら、過去問を解いてみてくださいね。

■2-2 二次試験を見据えると?

二次試験では、経営分析、損益分岐点分析、意思決定会計、キャッシュフロー分析、セールスミックス等々、理解しなければいけない論点が、たくさんあります。
一次試験の勉強時点から、そういったことを見据えて、体系的に学んだ方が良いという考えも尊重します。

ただ、そういった論点は、一次試験に受かって、必要に迫られてから勉強し始めても、十分対応できます。
私は、まずは挑戦権を得ることに特化していいのだと思います。

■3-1 やっぱり・・・

ゆの(受験生):過去問を解いてみました。全然点数が伸びません。やっぱり簿記は嫌いですが、点数が伸びないのはもっと嫌いです。

ゆの(ファシリ):そうですね、財務3表の作成プロセスも覚えないといけなくなりましたね。

ゆの(受験生):でも、項目が多すぎて、覚えられる気がしません。やっぱり嫌いです。

ゆの(ファシリ):少なくとも過去7年に出題されている簿記、仕訳については、覚えてみてはどうでしょうか。出題実績がある論点は、繰り返し出題されているようですよ。
テキスト、問題集の関連する事項に目印をつけて、何回も見てみましょう。こういうものだと割り切ることも大切です。

ゆの(受験生):仕方ないですね、やってみます。

■3-2 令和5年度一次試験の設問比率は?

簿記、企業会計に関する問題が9問、原価計算が1問、経営分析が3問(13)、意思決定が2問、企業財務が6問、証券投資が4問(12)だったようです。

この比率を見ると、簿記及びその周辺論点は、必ず取り組まなければならないということは、明白です。初めから簿記2~3級の範囲に取り組んでいれば、もっと楽に進めることができたのかもしれません。
ただ、どうしても簿記に苦手意識があるとっつきづらいと思っている受験生が(私を含めて)多くいることも事実です。

■おわりに

今回は、受験生とファシリという2役で、私が実際にとった財務・会計の学習の進め方を紹介しました。
この分野が得意な人からすると、単に遠回りしたように見えるかもしれませんが、どうしても簿記が嫌いな人でも、何とか突破する方法はあるよということが示せれば、御の字です

次回は、MIC_KURO さんの登場です。 

お楽しみに!

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