【一次試験 財務・会計】試験内容は実務で使う!?実際に解いてみたbyだちょー
タキプロ14期の だちょー と申します。
二次試験を受験された方、お疲れさまでした!
私は受験後は今まで我慢していた動画コンテンツやゴルフといった趣味を再開し、ストレスを一気に開放する一方、
採点サービスの結果をX(旧Twitter)で他の受験生と比較し一喜一憂するなど、メンタル不安定な生活を送っていました。
結果はもう変えられませんので、一旦試験から思考を離れるもよし、合格・不合格の時のプランを考えるもよしだと思います。
とにかく、あの緊張感の中、試験問題あるいはご自身と戦ったことは誇れることです。本当にお疲れさまでした!!
一次試験をこれから受験される方も多くご覧になっていただいていると思います。
この試験は試験範囲が広く、周りにも挫折した方が結構いらっしゃいました。
なので、合格するととても褒められますし、自信にもなります。もちろん、キャリアプランにも影響を与えます。
諦めず、ぜひチャレンジしてみてください。
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■自己紹介
まずは簡単に私の自己紹介です。
属性:地方都市在住の30代男性
受験歴:一次試験1回、二次試験1回(ストレート!)
勉強時間:一次 11か月で800時間程度
二次 3か月で320時間程度
勉強方法:一次 診断士ゼミナール、他参考書
二次 独学
得意科目:一次 財務会計
二次 事例Ⅱ、事例Ⅳ
保有資格:簿記2級、FP2級など
中堅企業(年商数百億円・従業員1000名程度)で財務・経営企画の仕事をしています。
数年前までは地方銀行で法人融資ばかりやってました。
現在は中小企業診断士として副業(気持ちは複業)を行っています。
ちなみに、だちょーというハンドルネームは高校時代に部活動の友人からつけられた拝命したあだ名です(何故だちょーなのかは不明、、、)。
■よく気になる「試験範囲の知識は診断士実務に使うか」
これ、気になりませんか!?(笑) 私は気になっていました。
私が半年ほど副業で診断士活動を行ったことによる所感を、科目ごとに考えてみました。
現在の私の診断士業務は主に「資金繰り支援」「補助金申請支援」「新規事業展開支援」です。
各科目の試験内容の実務での活用度、5段階評価(1が最小、5が最大)で失礼します。
経済学:2 あまり使わないが、考え方はバックボーンとして重要
財務・会計:5 間違いなく多用!!
企業経営理論:5 ザ・中心的知識!
運営管理:4 製造業や小売業はマストな知識
経営法務:3 頻繁には使わないけど、覚えていないときつい(知的財産権・会社法など)
情報システム:2 時事ネタ、セキュリティ関係、業務フロー整理くらい
中小企業経営・中小企業政策:5 経済状況・最新の政策を中小企業に伝えていくことが使命です
中小企業診断士は今までのキャリアで培ったスキルと重ねて仕事をしている人が多いので、
仕事内容は本当に幅広く、人それぞれといったところですので、個人差はとてもあります。
ただし、活用度評価が低い科目の試験内容も、知っている前提でいなければならない場面は多々あり、
試験問題として定められている意図を何となく感じるときがあります。
■本題:財務・会計の知識はどこまで実際に使うのか!?
このテーマを検証するには、財務系診断士である私が解くことが最適解だと考え、
R5財務・会計過去問を実際に解いてみました!!
温かい目でみてやってください(笑)
※評価の参照・・・A:よく使う、B:たまに使う、C:ほぼ使わんよ!)
※正誤・・・〇:正解、×:不正解
<各問評価>
問1 在庫評価 B〇 最近物価上昇してますので細かい収益性を見るときに使います。
問2 売上計上 B× 契約資産とか知らなかった(恥)。売上の計上時期は資金繰りを見る際特に重要です。
問3 減価償却 A〇 設備投資の際の数値計画によく使います。
問4 連結会計 C〇 中小企業で連結決算先はあまりみかけませんが、中堅企業以上ではよく出てきます。
問5 計算書類 A〇 常識問題ですので必ず理解しましょう。
問6 税務会計 A× 税務知識も良く使います。計算ミスしました///
問7 配当政策 B〇 あまり使わないけど、いざというとき(第三者承継など)使います。
問8 会計基準 A〇 勘定科目の計上される内容、その計上基準を知ったうえで経営者と対話します。
問9 CF計算 B× キャッシュフロー自体の知識は良く使いますが、出題内容はあまり・・・(間違えました)
問10 原価計算 B〇 原価計算は重要ですが、顧問先くらいしか使わないかも。
問11 財務指標 A〇 経営改善分野では特に使います。
問12(1) 付加価値 A〇 補助金要件になったりと、付加価値や生産性関連知識は最近重要視されています。
問12(2) 労働生産性 A〇 労働生産性は人手不足が社会的課題の中、重要度が高いです。
問13 運転資金 A〇 これは基本中の基本です。粉飾を見抜くときにもよく使いますし、資金繰り改善でも使います。
問14 配当政策 C〇 中小企業はほぼ無配の会社ばかりですので、あまり使いません。本業では使います。
問15(1) ROE B〇 M&Aの領域などで使いますが、使う人は限られるかも(知識としては大切)。
問15(2) 企業価値 A× 第三者承継においてはとても重要。企業価値経営は政策的にも重視。(増加と減少逆にしてしまった)
問16 機会原価? C× 埋没原価以外はみたことありません(考え方はわかるけど)・・・
問17 投資判断 B× 実際に中小企業で投資判断で資本コストを見ることは少ないですが、前提知識としては重要。
問18 PF理論 C〇 実務ではほぼ使いません。
問19 市場価格 C〇 上場企業の話です。勘が当たりました。
問20 株主価値 B〇 第三者承継の場面では使います(DCF法)
問21 サステナ成長率 C〇 財務体質強化の考え方として重要だと思いますが、中小企業さん配当しないんですよね・・・
問22 市場リスク A〇 海外取引企業と携わる場合は必須
問23 為替予約 A〇 海外取引の場面では特に出てきます。為替予約はリスクヘッジのほか、費用の固定化に繋がります。
<集計結果>
A:11問、B:8問、C:6問
〇:19問、×:6問 76点でした(科目合格しててよかったです(笑))
■集計結果からわかること
AとBが19問と、約8割弱の内容が実務に活かされていることが分かりました。
Cの問題は上場企業やエクイティ案件(外部出資)といった少し実務から遠い論点だったと思います。
ただ、企業内診断士の方にとっては本業の実務において役立つことも多いのではないかと感じました。
そして久々に解いて感じたことは、財務・会計は中小企業の決算書を見る場面では必要不可欠となる知識なので、非常に重要な科目である、ということです。
苦手な方も多いと思いますし、現役診断士でも知識が浅い人は多いと聞きます。
ただ、理にかなった数字の世界ですし、理解すれば忘れず、強みにもなります(Wを克服し、むしろS化で他の診断士と差別化だー!)
二次試験の事例Ⅳ(財務・会計)で少しでも有利にするためにも、一次試験でしっかり勉強しておくことをお勧めします!
■(参考)簿記の勉強はした方がよい?
私は日商簿記2級を6年程前に取得していますが、その時の知識がとても活きています(特に前半の会計問題)。
実務においても有用な資格ですので、時間に余裕がある方、どうしても苦手な方は、簿記3~2級を勉強されてみてはいかがでしょうか。
企業内診断士の方も、キャリアアップ・スキルアップに繋がります。
二次試験の事例Ⅳにおいても簿記の知識はアドバンテージになります。
■おわりに
今回は直近問題を実際に解いてみて、実務家の感想を述べさせていただきました。
少し突っ込んだ内容かもしれませんが、少しは参考になるのではないでしょうか。
皆様の合格を心よりお祈り申し上げます。
次回は、まっすー さんの登場です。
お楽しみに!
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