運営管理の注意点とは? byこう

タキプロ15期の   こう と申します。  

今回の投稿では、運営管理について、皆さんに注意点をお伝えしたいと思います。

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■はじめに

 2次試験を受験された方、大変お疲れさまでした。私は勉強会仲間の応援に試験当日、上智大学の正門前に行きました。朝8時20分頃に現地に到着し、受験生の真剣勝負に挑む引き締まった表情をみて、緊張感を感じるとともに、1年に一度のチャレンジに、自らの力を悔いなく発揮してもらいたいと思いました。

 受験経験が既に有る方の一方で、初めて1次試験に取り組む方の中では、どのようなスタンスで運営管理に取り組むべきなのか、イメージがつかない方もいらっしゃると思います。

 今回は、運営管理の注意点について、皆さんに共有したいと思います。

 少しでも参考になれば幸いです。

■運営管理は難しい科目?

 今年の運営管理の合格率は26.8%と令和に入ってから最も高い合格率でした。全7科目中では2番目高い合格率全体平均18.6%を大幅に上回り、難易度は相対的に低めであったと思われます。令和元年度から6年度までの6年間の運営管理平均合格率は17.0%であり、7科目全体平均17.2%に最も近い値であり、科目別では平均的な難易度と言えます。但し、年度によって運営管理の合格率にバラツキがあり、令和2年度は9.4%、令和5年度は8.7%と合格率が大幅に低下しており、油断は禁物です。

 参考までに、科目別に合格率に関して、データの散らばり具合をみる分散(令和元年度から6年度の各年度の合格率-平均合格率の2乗)で、最も大きな値は「企業経営理論」(ブレ幅が大きい)最も小さな値は「財務・会計」(ブレ幅が小さい)中間は「運営管理」でした。運営管理について、過去6年間の年度別平均合格率は全体の平均値に最も近く、ブレ幅も中間(中央値)であり、7科目の中では平均的な結果でした。

■運営管理の出題範囲

 運営管理の出題範囲は大きく分けて、生産現場における「生産管理」店舗販売における「店舗・販売管理」の2つになります。中小企業診断士を目指そうと思う方なら、最も興味を誘う科目だと思います。私も普段、買い物するコンビニやスーパーの店内陳列をみながら試験勉強で出てくる学習内容との関連が気になったりしたものです。

 ただし、カバーする範囲は非常に幅広く完璧を目指そうとすると、勉強時間とかなりとられてしまうのため、頻出テーマを重点的に勉強するようにしてください。

生産管理   ・・・生産形態(受注・見込)(個別・ロット・連続・ライン・セル)、IE、在庫管理、

          資材調達、品質管理など

店舗・販売管理・・・商品仕入、販売(マーチャーンダイジング)、店舗施設、販売流通情報システム、

          物流・輸配送管理など

■合格は十分可能

 頻出テーマを中心に抑えることで60点を確保することは、十分可能です。私は、初回受験の時は、スタディングのテキストと動画でインプットを行い、「スピード問題集(TAC出版)」でアウトプットを行い、合格点を取りました。2回目以降は、知識があいまいな部分を補強しながら、勉強にかける時間をおさえながら60点前後を毎回確保していました。生産管理については、私は工場勤務でないので、イメージがわかないため、ネットで生産ラインの動画をみたりして、頭に入りやすいようにしていました。初めて運営管理の勉強をする方はぜひ、理解がしやすくなると思うので、映像でみることをおすすめします。

■2次試験との関連は?

 2次試験と関連する1次試験科目は、「企業経営理論」、「財務・会計」、「運営管理」の3科目ですが、その中で「運営管理」は、2次試験の事例Ⅲと関連します。2次試験では、解答を考え、まとめ、書くためには、短時間で思考を効率よく働かせる必要があります。そのためには、頻出テーマについて表面上の暗記ではなく、しっかりとした理解が求められます。理解することで、2次試験の設問文だけを読んで、問われる1次試験で学習した知識(以下、1次知識という)を想起し、与件文(問題文)を読んだ後に問題や課題をとらえ、現状とあるべき姿とのギャップを埋める解答を導いていく一連のプロセス定着につながります。

 2次試験の解答を書く際の優先順位は、1番目は与件文から導けることを書く、2番目は1次知識から導けることを書く、最終手段は一般論(一般的に違和感なく言えること)から導けることを書く、です。基本は、与件文から導けることに徹底してこだわるべきですが、どうしても該当しないケースが年度によっては発生します。今年の事例Ⅲの第2問が、そのケースだと思います。恐らく、与件文から導けなくて、頭が真っ白になった方もいらっしゃると思います。その場合は、1次知識から何が論理的に言えるかを運営管理で学習した内容から考えることが必要です。もし1次知識から外れた、自分の独自経験やアイデアは、いかに良いものであっても得点にならないと思います。そのためには、2次試験に関連する頻出テーマは、書けるレベルとなるしっかりとした理解定着まで、ぜひ到達してもらいたいと思います。

■おわりに

 運営管理は、おそらく診断実務面で最も役に立つ科目だと思います。ただ、試験範囲が非常に広いので、受験勉強では合格の60点を確保することを目標において、頻出テーマを重点的に効率よく学習しましょう。そして合格後に、実務などを通じて、幅広く、またより深く、知見を高めていきましょう。

 皆さんの合格へ向けた日々の自己研鑽を応援しております。

 先日、鎌倉「円覚寺」の座禅会に参加しました。その際、僧侶の方から「因果応報」について、説法を受けました。僧侶曰く、この世の絶対的なことは、「因果」である。努力をしても成果が出ないと嘆くのではなく、今はまだ成果が出ていないだけかもしれないし、もしかしたら、自分の周囲に目に見えない形で成果が既に出ているかもしれない。因果応報は必ずあると思いなさいとのことでした。努力精進すれば、いつか報われるものだと信じ切れるぐらい頑張りたいと、あらためて思いました。

 皆さんの頑張りが、報われますように。

次回は、にゃーもん さんの登場です。 

お楽しみに! 

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