毎週日曜日は名古屋の日!!「工場の運営管理についてQCDで考えてみよう:その③D(納期)」byぱーくん
皆さんこんばんは!! ぱーくん@タキプロ名古屋6期です。
6月も中盤に入り、いよいよ1次試験まであと2か月を切りました!!『あと2か月しかない…』と考えるか、『まだ2か月もある!!』と考えるかは自分次第!!
今日も元気に『日曜日は名古屋の日!!』ということで「工場の運営管理についてQCDで考えてみよう」シリーズの最終回「その③D(納期)」、について語っていきたいと思います。今日は納期の中でも『稼働率』に的を絞りお伝えしていきます。
【稼働率の向上って何??】
最近は円安による景気の回復により、トヨタや神戸製鋼などをはじめとした製造業で工場新設の動きが盛んになってきました。
新聞記事を読むと盛んに『稼働率の向上』といった言葉が出てきますが、皆さん稼働率の向上って具体的にイメージできますでしょうか。
稼働率というと、1次試験の運営管理でも頻出の論点の一つで、稼働率向上により納期対応を良くしていく!!といった使い方をされていますね。
ところが、新聞記事で使われている『稼働率』と運営管理で問われている『稼働率』では若干意味合いが異なった使われ方をしています。
運営管理で問われる稼働率の定義は
設備総合効率=時間稼働率X性能稼働率X良品率と定義されています。
要するに、目標とする(または基準とする)生産効率に対して、どのくらい上手にできているかどうかを測定するのが運営管理で出てくる『稼働率』でしたね。
それに対して、新聞記事をよく読むと、『稼働率』=『設備能力に対する生産の混み具合』といったニュアンスで使われており、運営管理で問われる稼働率よりも広義の意味合いで使われているのに気が付かれると思います。
私も、会社で稼働率のことについて教わった際、『一般用語と会社での用語で使われ方が違うものがあるなあ』と違和感を覚えた記憶があります。
新聞で書かれている『稼働率』は、いわゆる『工場の操業度』すなわち、注文の多寡により『工場がどれぐらい忙しくしているか』といったニュアンスですが、運営管理でいう『稼働率』は、注文の多寡に関係なく、今ある注文に対し、どれだけ効率よく作られているかを測定していると考えると解りやすいかもしれません。
こういった違いを意識することで、なんとなくわかりづらい運営管理(=生産管理)の論点も理解を深めてもらえればと思っています。
【稼働率向上対策は因数分解で考える】
それでは、納期対応力向上のための『稼働率』を実際の工場ではどのように管理し、向上させているのでしょうか。いつものように見ていきましょう。
稼働率の指標である設備総合効率は、時間稼働率と、性能稼働率と良品率の掛け算なので、それぞれにどのような打ち手があるのかを考えてゆきます。
まずは、時間稼働率。これは単純に設備を動かすことのできる時間にどれほど止めずに動かすことができたかという指標です。例えば、急な機械の故障や、材料が入荷せずに加工ができなくなってしまうといったことが、時間稼働率の悪化につながってしまいます。ですから、時間稼働率を向上させるためには、
・機械が故障しないように定期的な保全を行う。(予防保全)
・材料の入荷待ちによる手待ち削減のため部品入荷の同期化を行う。
などの対策を行っていきます。
次に、性能稼働率。これは機械のパフォーマンスをどれくらいまでちゃんと発揮できたかという指標です。一時間に100個の製品を加工できる機械で、実際どれくらい加工できるかということです。実際は、ここが、現場の腕の見せ所。加工の腕や、NCプログラム、加工理論などの知識を総動員することで、1秒でも早く製品を作っていきます。性能稼働率を向上させるためには、
・最新の加工技術を導入し、加工サイクルを上げる。
といった対策が最も有効です。
最後に良品率。ここではDだけではなくQの要素も多く入ってきます。早いけど不良が多いというのは製造業の世界では絶対に許されません。どちらかというと、クオリティが悪いくらいだったら多少生産効率が落ちてもよいからクオリティがちゃんとした製品を製造するというのが製造業のメンタリティです。
ですから、時間稼働率や性能稼働率を上げていく(特に性能稼働率向上のための生産工程の変更)際には、『変更後所定の品質が確保されているかどうか』チェックすることが非常に重要となります。
稼働率向上は納期対応力を向上させるだけでなく、設備投資資金の有効活用に繋がり、製造業企業の業績をアップさせる起爆剤となります。反面、工法の変更などを伴うため、会社の生命線である品質を棄損するというリスクもありますので、工法変更時の品質確認が非常に重要な要素となることをなんとなくでも感じて頂ければと思います。
次回のぱーくんのブログは、6月28日を予定しています。
これまで何回か『なんとなくの知識でも蓄えが大事だからね』とかお話ししてきたと思いますが、1次試験直前『なんとなくの知識で正解マークにたどり着くマル秘テクニック』をついに公開したいと思います。乞うご期待!!
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