『中小』で失敗しないための注意点 by tanayan

中小企業経営・政策

読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ13期のtanayanと申します。

前回の記事はこちらになります。

今日は1次試験の「中小企業経営・中小企業政策(以下、『中小』と記載)」についてお話させて頂きます。

テーマは「『中小』で失敗しないための注意点」です。

注意点①.1冊の過去問題集だけに頼って勉強しないようにする

1.「39点」で足切り

私は1次試験を何回か受けていますが、令和元年の1次試験では、7科目合計で450点を超えていたにも関わらず、『中小』 で「39点」を取ってしまい、その年の二次試験が受けられない、という苦い経験をしたことがあります。

こうなった原因は

「他の科目で点数を稼ぐので中小は40点くらい取れたら良い」

という甘い気持ちで勉強したことです。

ご存知の通り、『中小』は「中小企業経営」と「中小企業政策」の2分野に分かれています。

このうち、「中小企業政策」では過去問題集をやり込むことである程度対応できるようになります。

ですが、「中小企業経営」では、ほぼ全ての問題が、前年度版(今年2022年の試験であれば2021年度版)の中小企業白書と小規模企業白書から出題されます。

従って、この「中小企業経営」の分野では、過去問題集の問題をそのまま使うことができません。(もちろん、出題のされ方は毎年似ているのでその点は参考にすることができますが)

ここに落とし穴があります。

私は中小で「39点」を取って不合格になってしまった時は、1冊の過去問題集をやり込んでいました。

そして、計画としては、

・過去問題集でやり込んだ「中小企業政策」で30~40点取る。

・「中小企業経営」は(そもそも過去問題集に問題がほとんど載っていないため)

 テキストをサラッと読んだくらいしか勉強していないけれど、20点くらい取る

という皮算用を立てていました。

しかし、その年度は『中小』の科目合格率が「6%」と低い難易度高めの内容だったせいもあり、勉強をやり込んだはずの「中小企業政策」で思いのほか得点を延ばせませんでした。

もちろんあまり勉強していない「中小企業経営」でも全然得点が取れず、結果として「赤点」となってしまいました。

他の科目であれば、過去問題集に注力するだけでもある程度は戦える(合格の60点を取れるレベルに近づける)ようになると思います。

ただ、この『中小』だけは上記の通り、毎年の白書によって「中小企業経営」の問題が変わるために、「過去問題集だけでは対応ができない」ということになります。

従って、その部分を補って練習できる演習問題が必要です。

2.「74点」で合格

私は『中小』で「39点」という大失敗をしてしまった翌年度の試験では、反省を踏まえて勉強して「74点」を取ることができました。

その時に使用した市販の問題集を以下に載せておきます。

『中小企業診断士 最速合格のための スピード問題集 (7) 中小企業経営・中小企業政策』

『特訓問題集〈1〉中小企業経営・政策 中小企業白書』

『特訓問題集〈2〉中小企業経営・政策 中小企業施策』

『中小企業診断士試験 過去問完全マスター 7 中小企業経営・政策』

それぞれの問題集の問題内容を表にまとめると次のようになります。

繰り返しますが、「中小企業政策」の分野の問題であれば、過去問題集1冊だけでも、ある程度対応できるようになると思います。ですが、「中小企業経営」の過去問題に関しては、(自分で過去問題を新年度版に作り直す、とかしない限りは)そのままでは使えません。

従って、「新年度の試験に対応した創作問題でしっかり演習しておく」ということがどうしても必要になります。

私の場合は「中小企業経営」では上記の表にある『スピード問題集』と『特訓問題集(1)中小企業白書』の2つを何度も解いて練習しました。

特に『特訓問題集(1)中小企業白書』では白書の図表から穴埋め形式の出題がされているため、記憶の定着に役立つと思います。

「スピード問題集」の場合は解答に図表が添付されていませんが、問題の解答ごとに白書の該当ページの図表も参照するようにしていくと、より記憶が定着しやすくなると思います。

(自分で解答のページの余白に簡単なグラフを描いてみる等の方法も良いと思います。)

この2冊で「中小企業経営」に関してはある程度対応できるようになるでしょう。

また、「中小企業政策」については『スピード問題集』に加えて、各社から出版されている過去問題集をやり込めば、ほぼ大丈夫だと思いますが、『特訓問題集(2)中小企業施策』で別の視点からの出題にも慣れておけば、さらに自信もついてくるのではないかと思います。

上記の特訓問題集2冊については早稲田出版のホームページに「講義動画」もありますので、視聴しておかれると理解が進むと思います)

これらにプラスαとしてつけ加えるなら、『中小』に関しては、予備校各社が提供している「模試」や「答練」はかなり役に立つと思います。『中小』は問題の出題パターンがある程度決まっている分、「模試」の問題によく似た問題が出題される可能性が他の科目よりも多いように思います。

(例えば、LECなどでは1次試験の模試の問題を科目毎に購入することができます)

テキストに関しては、ご自身で読みやすいと思われるものを1冊持っておけば良いかと思います。

この『中小』の科目に関しては、理解するというよりも、純粋に暗記事項となる部分が多いため、いきなりアウトプットから始めて(問題から解いて)、それからインプットする(解答を確認する際に白書やテキストを確認する)というやり方も可能でしょう。

注意点②.問題集の正誤表・法改正情報を時々チェックする

1. 問題自体の間違いや、出題の前提条件の変化に気を付ける

これは『中小』の科目に限ったことではないのですが、テキストや問題集の出版後に、記載内容の誤りを訂正する正誤表が出版社のホームページ上でアナウンスされることがよくあります。

特に、法改正があった場合、問題の正誤が変わるだけでなく、施策の廃止などにより問題自体が取り消しとなる(解く必要がなくなる)ことがあったりします。

ですから、出版社各社のホームページ上で正誤表の情報をチェックするようにしましょう。

また、正誤表自体もアップデートされていくため、1回だけチェックして終わりにするのではなく、試験前月の7月くらいまでは時折ホームページから確認するようにして下さい。

参考までにいくつかの出版社の正誤表のページを載せておきます。

TAC出版 中小企業診断士 正誤表

早稲田出版 正誤表

同友館 過去問完全マスター 正誤表

また、『中小』の科目の基本的な勉強方法については以下のもっちさんの記事も
是非参考にしてみて下さい。

中小企業経営・政策のコツbyもっち

■おわりに

以上、色々と述べさせて頂きましたが、私の失敗を「反面教師」として頂いて、受験生の皆様は、1次試験の最終科目である『中小』でも決して気を抜かずに60点以上確保して頂けるよう、祈念しております。


次回はリリィさんの登場です。
お楽しみに!

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