2次試験で求められる応用能力とは何かを考察する by Qちゃん
読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ13期のQちゃんと申します。
過去投稿は以下です。体験記以外は全て2次試験についてですね。
(2次試験は本当に苦悩しました。)
合格体験記 → こちら
事例Ⅱについて → こちら
事例Ⅲについて→ こちら
事例Ⅰについて→ こちら
今年2次試験受験された方、受験お疲れ様でした。
問題見ましたが、難しかったですし、今年度は設問文が特に長かったように感じます。
でも思うこと感じることは、受験生皆同じ。
簡単でも、難しくても、相対評価です。
発表までどうなるか、誰にもわかりません。
来年始の合格発表を待ちましょう。
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■はじめに
皆様は、2次試験がなぜ現在のような形態か、考えたことはありますでしょうか?
そんなことを考えなくても、対策すれば合格できる方もいると思います。
本投稿時点では試験まで1年近くありますので、じっくり診断士2次試験の本質に迫ってみるのもアリではないかと考えています。目的を再認識することで、モチベーション向上・再浮上にもつながるかもしれません。よろしければ以下お付き合いいただければと思います。
2次試験について、試験案内から試験の目的を抜粋すると、
中小企業診断士となるのに必要な応用能力を有するかどうかを判定すること
です。
では、その必要な応用能力とは何か、を私なりに考察したいと思います。
個人的見解を多分に含むため、「ふぅーん。こんな考え方もあるのか」と軽く捉えていただき、
皆様それぞれの考えを深めていただけたら幸いです。
■大大大前提の2次試験の必要能力(?)・・・受験番号を絶対書く!!正しく書く!!
これは正直、能力以前の話ながら、大変重要なことです。
強制的に0点となる懸念を排除でき、採点の土俵に乗せることができるからです。
1次試験と2次試験では、受験番号を書くタイミングが異なります。初めて受験される方は特にご注意ください。
1次試験:試験開始前
2次試験:試験中
2次試験は、1次試験と比べても独特の緊張感があります。
今年の2次試験も第一時限の事例Ⅰの時点で受験番号未記入・番号書き間違いが数件あったそうです。(知り合いの受験生に聞きました。)
ここをミスすると、どれだけ長い時間を使って訓練・練習を積もうが、どれだけいい答案を書こうが、採点されません。科目別に足切り点が設定されているため、その前後の事例での頑張りも無意味になってしまいます。問題に向き合う時間や答案記載する時間を削ってでも、複数回確認すべきです。
私も受験時、自分で受験番号を書いたつもりで事例に取り組んでいましたが、終了10分前に未記入に気づき、慌てて記載した経験があります(ちなみに合格年です)。答案作成に夢中になってしまったようです。自分だけは大丈夫。と思わないほうがいいです。加えて、受験番号通り書いているかも念の為確認ください。書き間違いも未記入と同じく、採点されないと考えてください。
これは知り合いの先生と試験について会話した時の言葉ですが、
「受験番号も書けないような人は、診断士としての資質を疑いたくなる」
と話していました。突き刺さる言葉ですが、私も完全否定はできないです。同じことにならぬよう、ぜひ心に留めていただきたいと思います。
■中小企業診断士に必要な応用能力を考察する
さてここからが本題です。応用能力、なるものを考察します。
題材として、令和4年度の2次試験案内を引用すると、以下の記載があります。
各科目は、「経営革新・改善」、「新規事業開発(既存事業の再生を含む)」などの中から次のように出題します。
・「組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」
・「マーケティング・流通を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」
・「生産・技術を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」
・「財務・会計を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」
「経営革新・改善」、「新規事業開発(既存事業の再生を含む)」
のいずれも、与件企業の現状分析あってこその革新・改善・新規事業開発であると考えますので、
各科目に沿った、現状と今後に関する分析・提言ができるような能力が必要と考えるべきでしょう。
今年度の設問文を見ましたが、全4事例中、3事例で新規事業や新規取引という単語が出ています。
中小企業は経営資源が潤沢ではない、を大前提として考えると、
闇雲に新規事業に取り組むべきではありません。経営資源を過度に分散させる恐れがあるからです。
新規事業に取り組む際は、既存事業とのシナジー効果をどのように獲得できるか
を理解・把握する必要があります。
ゆえに、まず第一に企業の既存事業の特性を把握することが必要です。
それらの能力を問われているように思います。
次に、
①組織(人事を含む) ②マーケティング・流通 ③生産・技術 ④財務・会計
の4科目に分かれているのはなぜか?考えたことはありますでしょうか?
公式見解を見つけられないので、あくまで個人的見解ですが、
1990年代に開発された、バランスト・スコアカードによるものと推測されます。
バランスト・スコアカードとは、野村総研HPの記載を抜粋すると、
「企業業績を定量的な財務業績のみでなく、多面的に定義し、それらをバランスよくマネジメントしようとする経営管理手法」であり、
「企業業績を(1)財務業績に加えて、(2)顧客、(3)内部プロセス、(4)組織能力といった4つの視点で幅広く定義し、それらのバランス(短期的な成果から中長期にわたる取り組みの成果)を保ちながら、企業の財務業績を中長期的に実現」するもの
と定義されています。
上記の、(1)財務業績を事例Ⅳ、(2)顧客を事例Ⅱ、(3)内部プロセスを事例Ⅲ、(4)組織能力を事例Ⅰに当てはめると、
さほど乖離していないかな、と思います。
また、2次試験で
・科目合格なし
・科目毎足切りありの総合点で合否判定
の評価方式を採用しているのは、
診断士一人一人が上記4視点を偏りなく有しているか
を確認するためだろう、との私の推測は、あながち間違っていないと思います。
以上まとめとして、少々砕けて表現し直すと、
中小企業診断士として活動するためには、財務だけを追いかけると視点が短期的になりがちだから、他の3視点でも捉える能力をバランスよく獲得・維持し、中長期的な目線で考えられるようになれ!!
と試験を通してメッセージを投げかけられているように感じます。公式見解がないので推測でしかありませんが。
■おわりに
いかがでしたでしょうか?
診断士の勉強に没入しすぎて、自分自身で今何やっているのか、わからなくなっていないでしょうか?
こんな勉強役に立つの?と不安になっていたりしないでしょうか?
そんな時に振り返り、方向性を考え直すきっかけになれば嬉しいです。
次回はヌノさんの登場です。
お楽しみに!
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