【4事例共通】与件文への寄り添い方 by ゆるふ
読者の皆さま、こんにちは!
タキプロ15期の ゆるふ と申します。
2次試験までちょうど2週間前ですね。
私は昨年の今頃、まだ自分なりの2次試験の解き方を身につけられていませんでした。
それでも、試験数日前に、今回ご紹介するコツをようやくつかみ、合格点をもぎ取ることができました。
ぜひ、最後まであきらめず、やれることをやり切ってから本番に臨んでください。
きっと道は開けます!
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■はじめに
2次試験を受験される皆様に最終確認として改めて問いかけます。
皆様の解答は与件文に寄り添ったものになっていますか?
今回の記事では、2次試験の4事例共通というテーマとして、私が考える与件文への寄り添い方についてご紹介したいと思います。
■与件文に寄り添うとは
完全に与件文に寄り添っている解答というのは、極端に言うと、与件文中の文言をそのまま引用したものだと私は考えております。
すなわち、皆様も学生時代に経験している、国語の問題の解き方による解答の構築と同じプロセスです。
例えば、小説の一説を読み、登場人物の心情を答える問題があったのを覚えていらっしゃいますか?
人の心情なんて千差万別です。
ましてや、フィクション中の登場人物の心情なんて、わかるわけがありません。
しかし、問題である以上、必ず正解があります。
学生時代の皆様も、しっかり解答を構築していたはずです。
どのように解答していたかというと、問題文に書かれている内容から引用、または同義語に言い換えて解答を構築していたはずです。
「問題文に書かれている内容から」ということが重要で、登場人物の心情を客観的に把握するためには、問題文から離れてはいけません。
問題文から離れた瞬間、それは解答者の主観が入ってしまいます。
模範解答がある問題である以上、千差万別の人の主観は入ってきません。
それでは、診断士試験は国語の問題の解き方と同じでよいのでしょうか?
私は、半分はほぼ同じで、半分は異なると考えています。
■分析系の設問≒国語
診断士試験の事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲにおいて、設問の種類は2種類に分けられます。
1つ目は、分析系の設問です。
分析系の問題は比較的簡単で、設問の前半に出てくることが多いです。
年によっては、1問も出題されないこともあります。
合格者はほぼ満点を取ってくる設問であり、落としてはならない設問です。
高頻度で問われる内容としては、SWOT分析、3C分析などです。
この分析系の設問は、国語の問題とほとんど同じと考えてよく、与件文(問題文)から該当箇所を引用すれば合格点が狙えます。
なぜかというと、SWOTや3Cは【過去~現在】にかけての事例企業の状況を分析することになりますが、与件文にはまさに、事例企業の【過去~現在】までのいきさつが書かれており、該当箇所をそのまま引用すれば解答を構築できるからです。
まさに、国語の問題の解き方と同じといえます。
■助言系の設問≠国語(でも役には立つ!)
2つ目は、助言系の問題です。
こちらは難易度が高く、合否を分ける設問です。
設問の特徴としては、「(中小企業診断士として)助言せよ」という文言が入っています。
難易度が高いといえる理由は、
・国語の問題と異なり、与件文(問題文)の引用だけでは解答を構築できないこと
・設問で問われているレイヤーを意識する必要があること
が挙げられます。
前者に関して、助言系の問題では、事例企業の【将来】について問われています。
したがって、【過去~現在】についてしか書かれていない与件文をいくら探しても、引用してそのまま解答になる箇所はありません。
ここが、国語の問題の解き方とは異なる部分だといえます。
どのように解答するかというと、事例企業の経営者が現在考えている方向性や、現状の明らかな問題点・課題が与件文中に記述されていますので、まずは設問に関係する記述を探し出し、そこから今後どうしていくべきかを1次試験の知識から類推することで構築していきます。
したがって、与件文中の言葉から、自分の頭の中の1次試験の知識を呼び起こす類推力が必要になります。
この類推力の養成には、過去問演習を通して、与件文の記述のされ方とそこから類推すべき1次試験の知識(ふぞろいなどのキーワード)とを自分なりにまとめておくことが有効だと考えます。
また、後者に関しては、設問が要求するレイヤーと合致した助言でなければなりません。
例えば、事例Ⅰの定番フレームワークである「さちのひのけぶかいねこ」ですが、何でもかんでも解答に盛り込めばよいというわけではないと私は思います。
設問に合致したレイヤーで1次試験の知識を類推することが大切です。
異なるレイヤーのことを解答しても、加点にならないか、なっても得点は低いと考えます。
前者後者いずれにしても、国語の問題の解き方だけでは解答を構築することはできませんが、類推の基となる記述を与件文中から適切に探し出すという点では、国語の問題の解き方(該当箇所を探し当てる力)が有効です。
以上から、半分は国語と同じ(分析系設問の解き方と助言系設問の類推の基を探すスキル)であり、半分は国語と異なる(引用だけでは解答にならず、類推する必要がある)が、いずれにせよ国語の問題の解き方のスキルは診断士試験にも役立つといえます。
■事例Ⅳでも寄り添う
ここまでは事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲに関する内容でしたが、事例Ⅳでも与件文に寄り添うことを忘れてはいけません。
寄り添うことを忘れてしまいやすいのはどこかというと、記述問題です。
この記述問題ですが、一見事例企業に触れずとも教科書的な1次試験の知識だけで解答できてしまいそうに見えます。
いくつか例を挙げます。
令和5年第4問(設問1)
D 社は、基礎化粧品などの企画・開発・販売に特化しており、OEM 生産によって委託先に製品の生産を委託している。OEM 生産の財務的利点について 50 字以内で述べよ。
令和2年第3問
D 社は、リフォーム事業の拡充のため、これまで同社のリフォーム作業において作業補助を依頼していた E 社の買収を検討している。~略~
(設問2)
この買収のリスクについて、買収前に中小企業診断士として相談を受けた場合、 どのような助言をするか、60 字以内で述べよ。
『OEM生産の利点』『買収のリスク』などは、事例企業によらず1次試験の知識で解答が書けることがあると思います。
しかし、どちらの設問も、始まりは『D社は』という主語で始まっています。
したがって、1次試験の知識だけで解答は終わらず、D社のための解答が必要です。
ここで、与件文に寄り添うことが重要になってきます。
少ない文字数制限の設問がほとんどであり、助言系の設問が多いので、与件文の引用(国語の解き方)はあまり使えませんが、しっかりと与件文から設問に対して解答すべき該当箇所を探し出し、D社にとっての『OEM生産の利点』『買収のリスク・買収前にすべきこと』を類推して記述するようにしましょう。
■おわりに
今回は国語の解き方を活用することで、強制的に与件文に寄り添う方法をご紹介しました。
私は自分なりの2次試験解き方をなかなか見出すことができず、ちょうど試験2週間前の今頃はまだ苦戦していた記憶があります。
それでも、試験数日前になってから、診断士2次試験も半分は国語、もう半分は国語ではないが解き方が役に立つことに気づき、なんとか合格点を勝ち取ることができました。
試験当日、試験が終わるまで、決してあきらめずにもがき続けることが大切です。
陰ながら全力で応援しております!
次回は、 あやや さんの登場です。
お楽しみに!
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