2次試験「考える」の攻略【by Terukin】
皆さん、こんばんは。Terukin@タキプロ6期生です。
暑い日が続いていますが、1次試験までは、残り2週間ほどとなりました。夏休みが取れる方は、追い込みで夏休みを利用しましょう。私も受験生時代は、夏休みは勉強にしました。リフレッシュしたいところではありますがあきらめて頑張ることにしました。自分が勝負する重点科目については、みっちり時間をかけると良いと思います。必ずそれが結果として、得点にあらわれてきます!「努力した科目だけが伸びる」です。
さて、ブログのほうは、引き続き、2次試験の解答プロセス「読む」「考える」「書く」です。2次試験も残り3ヵ月です。解答プロセスをしっかりと固めるために、早めに調整に入り、自分としてこれで満足だというものができるまで試行錯誤を繰り返しましょう。
「読む」「考える」「書く」では、以下の内容を実施します。
■読む
・設問を読む
・与件本文を読む
■考える
・設問と与件文の対応づけ
・経営戦略を考える
・解答構成を考える
■書く
・書く(考えながら書く/意識すること)
・最終チェック
今回から「考える」のフェーズに入っていこうと思います。「考える」では、「設問と与件文の対応づけ」、「経営戦略を考える」、「解答構成を考える」ついて、お伝えしていきます。まずは、「設問と与件文の対応づけ」です。これにかける時間は「5分」です。
■設問番号を与件文の横に記入する
設問と与件文の対応づけを行う場合に、次のような観点で対応づけを行います。基本的なものばかりですが、決して、軽視することはできません。
=平成26年度 事例Ⅰ= 第1問 A社は、小規模ながら大学や企業の研究機関と共同開発した独創的な技術を武器に事業を展開しようとする研究開発型中小企業である。わが国でも、近年、そうしたタイプの企業が増えつつあるが、その背景には、どのような経営環境の変化があると考えられるか。 |
①設問文にある言葉と「同じ言葉」を探す
設問文にある言葉と「同じ言葉」を含む文節が、この設問と対応づく箇所になります。
「小規模ながら」「研究開発型中小企業」
- A社のような売上も利益も少ない規模の小さな中小企業が研究開発型企業として生き残るためには、・・(11段落)
- ・・今日の研究開発型企業へと発展を遂げてきた。(6段落)
- ・・研究開発型中小企業にとって、官公庁の助成金の獲得は極めて重要な資金調達の手段なのである。(11段落)
②設問文で問われている「時制」と同じ部分を探す
「平成26年度 事例Ⅰ」の与件文では、「近年」は、以下の箇所になります。ただし、内容としては、人事関連の情報になっているので、対応付けの候補にはなりますが、設問で問われている内容とは関係が薄い可能性があります。このあたりは、総合的に判断しましょう。
「近年、」
- 近年昇進した中途採用者がそれぞれの課の課長を務めている。・・(2段落)
- 近年、新たに大学院卒の博士号取得見込者を採用し、研究開発力強化に積極的に取り組んでいる。・・(10段落)
③設問で問われている内容で探す
この設問では「経営環境の変化」を解答する必要があり、「SWOT」の「機会」と「脅威」が問われていると考えられます。以下の箇所が「脅威(対応できれば機会)」となります。
- 精密ガラス加工技術を必要とする製品分野は、技術革新のスピードが速く、製品ライフサイクルが短い。そのため、・・(5段落)
■解答に使うフレーズを選ぶ(マークする)
与件文の横に設問番号を記入した後、解答に使えそうな箇所にマークをします。これは、与件文の横に設問番号を記入するのとほぼ同時に行います。
私の場合は、文節を「鉛筆でくくり」、キーワードに「丸」をつけますが、このあたりは、人それぞれのやり方でよいと思います。
基本的には「与件文をそのまま抜き出せないか」をまず考えますが、解
答の字数が厳しい場合は、キーワードを含む部分だけにするか、要約することになります。
■使用していない与件文をチェック
与件文の横に設問番号を記入しているので、設問番号が入っていない箇所がないかをチェックします。そこは、「本当に使わなくてよいか」「解答に使わないとしても考慮はしたか」を精査します。
「平成26年度 事例Ⅰ」であれば、第3段落の「A社が開発・製造している製品に関連する精密ガラス加工技術とは、・・・」は、受験生が勘違いしないように補足しているので、考慮はしますが、必ず解答に使う必要があるという箇所ではないでしょう。
■未解決の問題点や課題がないかチェック
「平成26年度 事例Ⅰ」であれば、会社の「沿革」のような内容が長く書かれており、あまり問題点や課題は書かれていません。
- A社社長は、以前にも増して、研究開発力の強化なくして事業の成長も存続も望めないことを痛感するようになった。(10段落)
- A社のような売上も利益も少ない規模の小さな中小企業が研究開発型企業として生き残るためには、必要な研究開発費を捻出することがもうひとつの重要な経営課題である。(11段落)
この事例の場合は、細かな問題点や課題というよりは、このように「経営課題」がばっちりと書かれています。これを解答に含めないと大きな減点になりますので気をつけましょう。この事例の場合は、設問に「表面的に解答」していると、この経営課題を含めなくてもなんとなく解答した気になってしまうので特に注意が必要です。そこが落とし穴でもあります。
事例Ⅲは、細かな問題点や課題がたくさん出てくることが多いので、解決していないものがないか、特に注意して必ずチェックしましょう。
次回は、「考える」の2回目を記載したいと思います。
それではまた。
Terukinのプロフィール: いわゆる「多年度受験」で2次試験は5回目にしてようやく「2014年度「中小企業診断士」に合格。1次試験の受験回数も数知れず。「合格するまで受験する」ことを信条に、モチベーションを維持し続けた。多年度受験で苦労している受験生にどのようにして合格に至ることができたのか。自身の経験から参考になることを伝えたいと考えている。 |
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こんにちは
いくら豊富な知識を駆使したとしても、与件から離れた妙案回答ではこの試験においてパスできないことは受験経験がある人ならみんな理解していると思います。ただ、理解しているのだから実践できると考えてしまうとそこには大きな落とし穴があると思います。
より多くの事例を解くとか、1.5次知識をたくさん身につけるとか、それはそれで必要なことかもしれませんが、大事なことは別のところにある、、、と改めて気づかせてもらいました。
自分に対する戒めとして、コメントに記しておきます。
ヤマフリさん
コメントありがとうございます。
2次試験に必要な1.5次的な知識はさほど多くないと思います。大切なのはそれを使いこなせるかで、使いこなせる知識を増やしてそれを「武器」にし、2次試験当日にはこの「武器」もって受験会場にいくというイメージです。
使いこなせる知識とは、与件を読んだ時に分析に使えるフレームワーク、問題の構造化を行ってそれを解決するためのツールのことです。簡単な例ですと、売上の分析方法として「客数×客単価」で考える、「全体戦略は機能戦略で支える」といったものです。
そういったもの以外は、与件に解答があると言っても言い過ぎではないかもしれません。
Terukin