2次試験「考える」の攻略5【by Terukin】
皆さん、こんばんは。Terukin@タキプロ6期生です。
2次試験まで、あと1か月です。時間がないように感じるかもしれませんが、直前の1ヵ月は、いろいろな気づきも得られる時期です。
この時期、私の場合は、勉強会のOBから個別の指導を受けていました。直前の1ヵ月で新しいことを取り入れるのは、勇気が必要と考える方もいらっしゃると思いますが、まだまだ大丈夫です。取り入れるかどうかは本人次第です。どうしても無理ならやめればよいのです。
診断士試験では「設問に素直に解答しましょう」とよく言われます。社長の言葉に耳を傾け、柔軟に寄り添うように助言するには、素直さが求められます。「優柔不断ではない素直さ」で残り1ヵ月、まだまだいろいろなことを吸収しながら、合格を目指して全力で走り抜けましょう。人からのアドバイスを「素直さに受け入れうる」ことも重要ですよ。
さて、ブログのほうは、引き続き、2次試験の解答プロセス「読む」「考える」「書く」です。自分としてこれで満足だというものができるまで試行錯誤を繰り返しましょう。
「読む」「考える」「書く」では、以下の内容を実施します。
■読む
・設問を読む
・与件本文を読む
■考える
・設問と与件文の対応づけ
・経営戦略を考える
・解答構成を考える
■書く
・書く(考えながら書く/意識すること)
・最終チェック
今回も「考える」のプロセスの中の「解答構成を考える」です。前回で「考える」は、完結する予定でしたが、解答構成のところは事例を交えないとわかりにくいと思いますので、もう少し、説明していきたいと思います。
また、「考える」の締めくくりとして、是非意識してもらいたい「解答骨子を考える際の留意事項」(精神論の要素も多いです)についてもお伝えしたいと思います。
■解答骨子の組み立ての例
解答骨子の組み立ては、前回、①設問要求を確認(問われていること、真の設問要求、設問間の関係、制約条件、加点要素)する、②構成を決める(結論並列型、列挙型、戦略型、柔軟型)、③キーワードを決める(構成の中に因果を考えてキーワードを配置)であることをお伝えしました。
言っていることはわかるが、どうやるのかのイメージがつきにくいと思いますので、「平成26年度 事例Ⅲ 第4問」でやってみたいと思います。
<平成26年度 事例Ⅲ 第4問> C社社長は、主要取引先X社で進められている国内部品調達先の集約化の動きに対応して、X社との取引を高める一方で、X社以外の販路開拓を行う方針である。この方針を実現するためには、中小企業診断士としてどのような提案を行うか、C社の経営資源に注目して160字以内で述べよ。 |
①設問要求を確認する
- 問われていること:C社の方針を実現するための「提案」
- 真の設問要求:「全体戦略」の設問ですので、C社の方向性を意識します
- 制約条件:対応必須の制約条件は、「C社の経営資源に注目して・・」「X社以外の販路開拓を行う方針・・」であり、これを加味しなかった場合、点が入りません
- 加点要素:「・・集約化の動きに対応して、X社との取引を高める一方・・」について考慮できると加点が期待できます
- 設問間の関係:C社の「強み」と「弱み」を意識する必要があり、第1問との関係があるとともに、「・・X社との取引を高める一方・・」とあり、第3問 設問1で、X社との取引を高めた場合のメリットを問われているので、こことの関係も考慮します
②構成を決める
「全体戦略」の設問ですので、まず、「戦略型(誰に+何を+どのように+効果 など)」が思いつきます。しかし、「問われていること」は、「提案」ですので、「結論並列型(結論+①因果、②因果 など)」「列挙型(~は、①因果、②因果 など)」も考えられ、さらに「制約条件」に「C社の経営資源に注目して・・」がありますので、組み合わせで考えます。
結果として、ここでは「結論(誰に+何を)+どのように①+どのように②+効果」でアプローチしてみたいと思います。文字数は、全体で160字ですので、「結論:40字、どのように①:40字、どのように②:40字、効果:40字」がよさそうです。
なお、構成はいろいろ考えられます。上記以外でも構いませんので、シンプルに「販路開拓のための提案は、①xxx+②xxx」でも全く問題ないと思います。
③キーワードを決める
構成した「型」の中に、与件を中心に関係するキーワードを抽出して配置します。
- 結論(誰に+何を):「海外精密機器メーカー」、「世界市場で著名かつ高額な精密機器の構成部品」
- どのように①:「超精密・超小型加工技術」「一貫生産体制」→「訴求する」
- どのように②:「X社の合理化計画の対応力」→「海外顧客を開拓」
- 効果:「X社への依存度を下げる」「国内受注量や利益の減少に対応」
これらのキーワードを選ぶ理由は、設問要求により決まってきます。
誰に+何をは、「X社以外の販路開拓を行う方針・・」という制約、「・・X社との取引を高める一方・・」という設問文からX社の競合しないこと、C社の強みが発揮できそうな販売先、国内受注量の減少や海外シフト、といった状況から選びます。
どのようには、「C社の経営資源に注目して・・」という制約からC社の強み、「・・X社との取引を高める一方・・」という設問文、などから選びます。
効果は、「C社の経営資源に注目して・・」という制約からC社の弱み、国内受注量の減少や海外シフトといった経営環境の変化の対応、といった状況から選びます。
仕上げとして、因果や効果を考え、1文のイメージを固めます。以下は書き出す必要はありませんが、このような内容をイメージとして持ちます。
C社は、~(何)を~(誰)に販売すべきである。具体的には、①~(強み:因)により、~販路開拓(果)する。②~(強み:因)により、~販路開拓(果)する。これにより、~(効果:弱み克服)、~(効果:経営課題)する。
以下は、参考例です。ここでは、「解答骨子」の組み立てがテーマですので、高得点となる解答かどうかは、わからないため、ご容赦いただきたいと思います。
<解答参考例> 世界市場で著名かつ高額な精密機器の構成部品を海外精密機器メーカーに販売すべきである。 ①超精密・超小型加工技術や一貫生産体制の強みを海外向け商社・代理店に訴求し販路開拓する。 これにより、X社への依存度を下げ、国内受注量や利益の減少に対応する。 |
■解答骨子を考える際の留意事項
解答骨子を考える際に、頭の中に意識しておきたいことをリストアップしておきます。解答にきちんと反映できるようになるには修練が必要になるものもありますが、仮にすぐにできなかったとしても、これらを「意識している」ことが大切です。
意識しているとしていないとでは、どこか解答の出来に違いが出てきます。2次試験は、僅差で競う試験ですから、ギリギリのところで差となって表れてくるものです。
①毎年同じ内容が問われている
2次試験は、事例企業に対する診断ですから、外部環境分析、内部環境分析、全体戦略・機能戦略の策定を実施します。機能戦略は、事例Ⅰ~Ⅳでそれぞれ求められる要素が異なりますが、問われる要素は決まっています。設問だけを読むと一見、それが問われていないように思えることもありますので、惑わされないようにしましょう。
②課題に必ず応える
与件本文で、問題点や課題が必ず出てきます。これらに対しては、必ずどこかの設問で応える必要があります。放置したままにしないようにしましょう。特に経営課題に応えないことがないようにしましょう。
③理解できる内容にする
専門用語、カタカナ用語、その他与件本文や設問文に書かれてないような事例企業にとってなじみのないと考えられる用語は、なるべく使用しないようにします。事例企業が理解できる、わかる内容にする必要があります。与件の言葉をできる限り使うようにしましょう。
③事例企業にとって有効
一般論でなく、事例企業にとって具体的にイメージできる提案を心がけます。奇抜なアイデア提案は求められていません。大きな投資が必要な提案ではなく、すぐに実行できる内容を優先しましょう。
今回で、「考える」のプロセスが終了です。次回「書く」について記載したいと思います。
それではまた。
Terukinのプロフィール: いわゆる「多年度受験」で2次試験は5回目にしてようやく「2014年度「中小企業診断士」に合格。1次試験の受験回数も数知れず。「合格するまで受験する」ことを信条に、モチベーションを維持し続けた。多年度受験で苦労している受験生にどのようにして合格に至ることができたのか。自身の経験から参考になることを伝えたいと考えている。 |
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