これをやったら二次試験は不合格!(4):適当な生産キーワード
こんにちは、ブルペンエース@タキプロです。
本シリーズでは、二次試験でやってはならないことをテーマに、本試験の際、ブルペンエースが実際にやらかしてしまった事故(失敗)をご紹介していきます。
受験生の皆様は、同じような失敗を犯さないように、ぜひ、本ブログを反面教師として頂きたいと思います。
さて、第4回は、「適当な生産キーワード」についてお話します。
平成21年事例Ⅲは木製家具製造業が取り上げられました。
(ブルペンエースは二回目の二次試験にチャレンジ中です)
消費者の健康、安全志向にマッチしたダイニング用テーブルやチェアのセット等が、幼い子どもを持つ若い主婦層に受け入れられており、低迷する木製家具業界にあって、比較的好調な業績で推移している企業でしたね。
実は、この年の事例Ⅲ、めちゃ難(80分間で対応しづらい)だったように思います。
というのも、平成20年以前は、見込生産の規格品を扱っている事例企業からの出題って稀だったですよね
※平成17年の各種公園施設、エクステリアの鋼鉄製構築物製造企業くらいでしょうか
過去の事例Ⅲ企業は、どちらかと言えば下請的性格を持つ企業が多く、受注の時期は(注文後に生産を始める)受注生産であり、物の流し方は、個別生産という企業が多かったんです
また、生産管理の細かい論点を問われた年もありましたが、どちらかと言えば、事業の方向性から生産戦略レベルの解答を求める事例が多かったように思います
翻って、平成21年事例Ⅲのテーマは、見込生産(自社規格品)と個別生産(OEM)の混在及び両立という見慣れぬ論点であり、対策面では生産管理上の細かい知識を求められた、という点で、事例Ⅲの一次知識に不安を持つ受験生にとって、とても対応しづらい試験年度だったのではないでしょうか
そして、ご多聞に洩れず、事例Ⅲを苦にしており、その理由が「一次知識が甚だ心許無かった」というブルペンエースは、本試験で大変な苦戦を強いられることになりました。
設問を読み進めていくと、第 問(配点40点)で、C社では、大手インテリア用小売りチェーンからOEM製品の取引要請があり、共同で製品化を進めようとしている。と小見出しがあり、
設問2では、C社のOEM事業推進において考えられる課題とその対応策について120字以内で述べよ。とありました。
設問文と与件を読んだ段階で、課題とその対応策をパッと思い浮かべることができなかった私は、同じく40点問題だった第 問を先に片づけようとします。
ところが、ここで予期せぬタイムロス
一次知識が未定着で、解決策のバリエーションに乏しかった私は、解答作成に手間取ってしまい、第2問を書き終えた段階で、時計は残り15分を指していました
ほぼ手つかずの第3問を目の前にして、私は完全にテンパったモードへ突入します
「やっばい・・時間ないわ」
「OEMの課題って何だろ 」
「生産面、それとも営業面 」
「与件もっかい読もう」
「困った。。与件文全然目に入ってこない」
「OEM、OEM・・」
「受注後の納期の回答が求められる 」
「これか 」
「時間ないし、まずは書き始めよ」
「対応策 」
「とりあえず、情報共有にしておくか 」
「あれ?全然升目埋まらんし・・」
「なんか書かなきゃ 」
「納期って言ったら生産統制 」
「MRPって生産統制の意味だっけか 」
「えーい、書いちゃえ 」
「でも、良く考えたらMRPって資材調達のことだなぁ」
「この会社資材調達の問題点あったかな 」
「あーでも、もう引き返せない・・ 」
ドッカーン(大事故)
という経過を辿り、OEM事業推進における課題の対応策から程遠い改善提案をC社の社長にしてしまったのでした
それでは、試験当日の再現答案を見ていきましょう。
【平成21年事例Ⅲ 第3問 設問2】
課題は納期管理力の強化である。対応策は営業部門、製品開発、設計部門、製造部門間トータルの情報共有体制を整備することである。加えて、受注から納品までの生産統制力を高めることを目的とし、MRPを導入し、資材調達の効率化を実施すべきである。
MRPとかほんと攻めてますよね。しかも良く意味を分からないまま使っています。C社社長に、苦笑されちゃいそうなイタい対応策です。
第4回の失敗事例から学ぶ教訓
その:事例Ⅲで使う一次知識は、棚卸しておく(正確に覚えておく)
その:解答に困った時も苦し紛れで適当な生産キーワードを使わない
※与件文の中に、必ずヒントがあります。深呼吸した後、もう一度与件を読みなおしてみてください。
ちなみに、二年目の惨敗を経て、私は事例Ⅲにおける生産管理上の課題と解決策の提案パターンを増やすために、過去問を使った「3×3box」整理法を実践しました。
横軸に「設計」、「調達」、「作業」、縦軸に「計画」、「実施」、「統制」と
マトリクスを組み、「事例企業の課題が9つのマスのどこに該当するのか」、「課題に対するポピュラーな解決策として、何が考えられるのか」をまとめる学習を行ったところ、見当違いの解決策を提案することが、劇的に減少しました
また、山口 文紀著 「絵でみる工場と生産管理」という本を購入し、一次知識の棚卸に務めました。この本との出会いが、事例Ⅲの苦手意識を払しょくする決め手になりました。事例Ⅲを苦にしている人、一次知識に不安を持つ方には、大変お勧めです
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これから受験される皆様は、「適当な生産キーワード」で解答用紙を埋めることがないよう、十分ご注意くださいね。
【実録】「これをやったら二次試験は不合格!やっちまったシリーズ」
第1回:受験番号を書き忘れた(かも)
第2回:事例1も生産事例?
第3回:切り口の悪夢
第4回:適当な生産キーワード ←今回はここ
□ 第5回:損益分岐点分析のお作法
□ 第6回:経営指標の選択に悩んで40分
□ 第7回:小数点第3位の曲解
□ 第8回:社長の思いを踏みにじる
□ 第9回:設問の注意書きを読み飛ばしてますけど、何か?
□ 第10回:衝撃!○○欄を間違えるなんて・・
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