これをやったら二次試験は不合格!(9):設問の注意書きを読み飛ばしてますけど、何か?
こんにちは、ブルペンエース@タキプロです。
本シリーズでは、二次試験でやってはならないことをテーマに、本試験の際、ブルペンエースが実際にやらかしてしまった事故(失敗)をご紹介していきます。受験生の皆様は、同じような失敗を犯さないように、ぜひ、本ブログを反面教師として頂きたいと思います。
さて、第9回は、「設問の注意書きを読み飛ばしてますけど、何か?」についてお話します。
平成23年3月、私は薄暗い自室で、澱んだ空気を纏い、Amazonから届いたTACスピード問題集の包みをぼんやり眺めていました 平成22年の二次試験で敗退したため、平成23年は一次試験から出直すことが決まっていたからです。
「所得効果と、代替効果、欠片も理解できないんだよなぁ」
「会社の機関設計とか、また覚えんのか。。辛いよ 」
「中小企業白書読むの?・・苦業にしか思えん」
準備を怠ったわけでなく、考えられる範囲で最善を尽し、不合格だった時の心の痛みは尋常でなく、気持ちを切り替えることができない日々が3か月以上続いていました
「リスタートしないと、何も始まらん」
「諦めたら、応援してくれた妻、週末遊びを我慢してくれた子ども3人に申し訳なさすぎる」新たな決心と覚悟が決まったのは3月も終わりにさしかかった年度末でした。その後は二次試験の事を一切顧みず、ひたすら一次試験対策に専念し、三度目の一次試験も無事合格することができました。ただ問題はこの先にあります。過去三回のチャレンジで、失敗を重ね、尽く跳ね返されてきた二次試験です
「何かを変える必要がある」
3回目の本試験前にチャレンジした模試でも好成績(上位10%以内)だった私ですが、どうにも本試験独特の雰囲気、プレッシャーに弱く、実力を十分に発揮することができませんでした。9月に受験した平成23年の模試(日本マンパワーとLEC)でも好成績(なんと一桁順位)だった私は、ある事を決意します
「本試験を模試だと思いこもう」
緊張して頭が真っ白にならないよう、プルペンエースがとった対処策は、試験会場に向かう道のりから、試験会場に到着するまではもとより、試験会場で試験開始時間を待つ時間や、問題用紙が配られている最中。始めの合図を聞いて、問題用紙を破るところに至るまで、同じ言葉を繰り返し自分に言い聞かすことでした
「これは模試、これは模試」
「模試だから失敗しても大丈夫」
「リラックスリラックス。もしモシ、模試 」
なんとか、平常心で本試験にチャレンジしたい!という涙ぐましい心の準備を経て臨んだ四度目の本試験。その行方を見ていきましょう
平成23年事例Ⅱではメガネ専門店が出題されました。メガネ一式を低価格で販売するディスカウント型の競合が台頭し、競争環境が激化する一方で、メガネをファッションアイテムと定義し、高価格でもファッション性を求める消費者が増えてきているという機会が提示されており、「低価格」と「高付加価値」の「二極化市場」において、長男への事業承継含みで、Bメガネの今後の方向性を考える事例でしたね
いつもどおり、与件の頭とお尻を読み終え、設問内容を確認しにいくと、驚愕の事実を知ることになりました。第5問(配点25点)では、Bメガネが持続的競争優位性を確立するためのインターナル・マーケティングの具体的な手段について200字以内で説明せよ。と指示があったんです。
私の標準的な解答プロセスでは、解答を清書する時間を35分間としているため、解答骨子を少なくとも試験開始45分後までに書き終えている必要がありました。一方で、第5問が驚愕の200文字だということもあり、清書する時間も40分程度必要ではないかと考えた私は、各プロセスにかける時間を、ちょっとずつ削る必要に迫られます。ここにきて「もし模試」の呪文効果は徐々に効き目を失っていったように思います
そして、第4問では、見慣れぬキーワードがミニ与件(設問の中で新たに示される与件)の中で踊っていました。その名も「サービス・リカバリー・システム」。設問は、Bメガネにとって効果的なサービス・リカバリー・システムの要件を20字以内で(a)欄にあげ、それを100字以内で(b)欄に説明せよ。というものでした
皆様は、「サービス・リカバリー・システム」と聞いて、何を思い浮かべますか?「リカバリー」って直訳すれば「回復」ですよね。設問の題意解釈や骨子の作成時間を削らざるを得ず、急いでいた私は、設問文をじっくりと読まない段階で解答の方向性を決めつけてしまうという愚を犯します
「回復」
⇒「原状復帰」
⇒「買った時の状態に戻す」
⇒「フレーム交換や修理、度数の調整」
⇒「良いものを長く使う人に」
⇒「標準品を安売りの競合と差別化」
「これで、Mメガネチェーンの不満層を取り込もう!」
ドッカーン(大事故)
このような経過を辿り、ご丁寧に「サービス・リカバリー・システム(注)」となっている「注」部分を見落とした上、わざわざ作問者が提示してくれていた「サービスの失敗が起きてしまったときに、サービス組織が問題をただすとともに、顧客のロイヤルティを維持するための体系的な取り組みを行うこと。」というヒントを一切使わない解答を作り上げてしまったんです
それでは、試験当日の再現答案を見ていきましょう。
【平成23年事例Ⅱ 第4問】
(a)無料のレンズ交換やフレームの調整を行う。
(b)良い物を長く使う顧客層を対象に、購入後の不満を解消するサービスを提供する。具体的には、レンズ度数不一致時のレンズ交換や、フレームの調整等を無償で行い、顧客満足度を高め、顧客ロイヤルティの向上を実現する。
ちなみに、私の中では、上記のサービスが、Mメガネチェーンにはない素晴らしい差別化要因だと思えましたので、第3問、Mメガネチェーンに対抗するために、市場浸透戦略を策定したいとあなたは考えている。どのようなプロモーション戦略が必要かを100字以内で説明せよ。にもキーワードを盛り込んでしまいました。
【平成23年事例Ⅱ 第3問】
B社の愛顧客を使った口コミ等、水平的なプロモーション戦略が必要である。手書きのDMで、新商品やサービス・リカバリー・システムの紹介を行い、口コミを喚起することで、差別化を行い、来店の促進を図るべきである。
また、時間配分、注釈見落とし以外の失敗要因もありました。過去に広島のメガネ屋(メガネ21)が取り上げられたTV番組(カンブリア宮殿)を見たことがあり、その際の情報(地元密着で高付加価値のメガネを、モラールの高い従業員が、丁寧な接客、説明を通じて販売し、大手チェーンと伍して戦っている)に引っ張られ、与件文と設問の指定から離れた知識重視の解答になってしまったのではないかと睨んでいます
第9回の失敗事例から学ぶ教訓
その :設問の注釈は解答の大ヒント。見落しは禁物。
その :雑誌やテレビで見た類似業種、業態の成功例を安易に解答の根拠としない。
さて、事例Ⅱで大きな事故(失敗)をやらかしたブルペンエースですが、タキプロの活動に参加していることからもわかるように、昨年の合格者です
失敗したけど合格しているという実例から以下の2点が明らかになったと言えるのではないでしょうか
第9回の失敗事例から分かること
その:大きく1問外しても、他の設問でリカバリーする余地があるらしい。
その:1事例大破しても、他の3事例でカバーできる試験らしい。
とはいえ、これから受験される皆様は、思いっきり「注」と書いてある設問の注釈を読み飛ばし、的外れな提案をしないよう、十分ご注意くださいね。
【実録】「これをやったら二次試験は不合格!やっちまったシリーズ」
第9回:設問の注意書きを読み飛ばしてますけど、何か?←今回はここ
□ 第10回:衝撃!○○欄を間違えるなんて・・
事例を事前に解いてくるよう、準備をお願いします。
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