1次科目に「診断・助言理論」がないから・・・【しょぱん】
毎年秋になると、街中のお店や工場が事例企業に見えてきませんか?
こんにちは 火曜日隔週担当のしょぱんです。
最近ある1つの事実に気づきました。受験生が中小企業診断協会から「診断プロセス」を教わらないまま、2次の勉強を始めていること。
このことが事例問題で「何を書いてよいか分からない」「回答内容が解答例と全然違う」といったことが起こる1つの要因ではないか。今夏の実務補習で「診断プロセス」を学び、そんなことを思うようになりました。
実は、平成17年度までは診断や助言に関して1次試験で教わっていました。当時は、中小の科目名称が「中小企業経営・中小企業政策・助言理論」でした。そして助言理論では、問題発見や課題抽出等のコンサルティング理論と、カウンセリングの知識や技法等のコンサルティング実践を学んでいたようです。さらには「新規事業開発」という第8の科目があり、事業機会の発見・評価方法が学べたようなのです。
ところが、これら科目は平成18年度から無くなりました。その理由について、中小企業庁のHPの中小企業診断士制度の見直しについて(pdf)では以下のように説明がなされています。『「新規事業開発」「助言理論」は、診断士として必要な知識を総合的に活用して行う経営診断に対する応用力、診断能力を問う内容であることから、第1次試験科目から削除し、第2次試験の範囲に加える。』
個人的には、以下の理由で1次試験科目への復活を期待するのですが。
・正解が公表されない2次試験で診断能力を養成するのは時間を要す。(正解が4択内に記載されている1次試験で理論を学びたい!)
・カウンセリングスキルを口述試験でチェックするのは難しい(チェック基準緩い?)
では、これら理論を学ぶためには平成17年以前の参考書を入手して勉強しなければならないのでしょうか。いえ、昔の参考書は必ずしも必要ありません。冒頭でも触れましたが、1次・2次試験以外で診断・助言方法を学ぶ機会があるのです。それは実務補習です。実務補修に申し込むと「実務補習テキスト」というものが送られてきて、そこに診断から提言(報告)に至るプロセスや診断時の留意点が書いてあるのです。合格者の知り合いがいる方は、見せてもらって参考にすることをオススメ致します。知り合いがいない方は、羊男の8月22日のブログに似た内容が書かれているのでチェックしてみてください。
診断プロセスを知っておくと、事例問題で「何を書いてよいか分からない」「書いた内容が解答例と全然違う」ということが少なくなると思います。なぜならば事例問題の各設問を診断プロセスの視点で見ると、何を回答すべきかが自然と分かってくることがあるからです。
<例を挙げるとこんな感じ>
・事例ⅠでA社の今後の課題を聞かれて浮かばない時⇒あるべき姿(社長の思いや経営目標)と現状のGAPから想定して書こうかな。
・事例Ⅲ第4問で助言内容が浮かばない時⇒第1問の弱みの補強を第4問で助言しようかな。
・事例Ⅲで設備投資の是非を問われた時⇒「社長が乗り気でない」と与件に書いてあるので「直ぐには投資しない」と助言しよう。
(注)設問間で一貫した解答を書くことが大切だといっているわけではありません。回答に困ったときの助けになるということです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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