【初学・スト合狙い】 「聞かれたこと」に答えてますか? – タケシの場合
こんにちは。 タケシ@7期です。 (これまでの記事はこちら)
つい先日までの暑い毎日から一転、時には「10月半ば程度」と言われるまでしか気温が上がらない日もあったり、また暑さがぶり返したり、という今日この頃ですが、風邪などひいていませんか? これからは学習状況に加えて、体調にも充分注意して毎日を過ごして下さい。
早速ですが、2次対策の学習を行う際に”「聞かれたこと」にちゃんと答えてますか?”
診断士の2次試験は、100事例以上の過去問を解いても、受験校模試で全国5位以内に入っていても、未合格となる方が毎年発生するという、一見すると試験勉強に費やした時間・努力と結果が必ずしも比例しない”変な”試験です。
が、国家資格試験である限り、何らかの「明確な基準」に基づいて採点を行った上で、(合格人数調整の為に得点調整は行われているものの )合格者・不合格者が選別されている筈。
従って、2次試験合格の条件は費やした時間や習得したノウハウの数、模試の順位ではありません。この「明確な基準」を意識した学習を行って対策を取った上で、試験本番時80分の制限時間内に「”基準”を満たした証明」を答案として解答用紙上に書き記し、確かに”基準”を満たしている事を作問者や採点者に答案を通して認めて貰えたか?が合否を分けているポイントだと思われます。
では、この「明確な基準」って何でしょうか?
協会関係者でも無い限り直接的には知る術も有りませんが、間接的に類推する方法があります。
それは、過去の2次試験の「出題の趣旨」を確認する事。
例えば、タケシが受験したH27年度試験については、こちらで「出題の趣旨」が公開されています。これを読むと、診断協会は昨年の診断士2次試験で何を評価しようとしたのか?がわかります。
ザッと過去5年分ほどの「出題の趣旨」に目を通す限りでは、細かくは年度や事例毎に表現が異なるものの、基本的な内容は毎年大差無く、
1) 事例企業の置かれた環境や現状について”分析し理解する力”
2) 事例企業が行ってきた経営や、販売・生産等の事業活動について
”分析・評価し課題発見する力”
3) 今後取るべき対策について(中小企業診断士として)”助言・提案
する能力”
4) 財務的な計算能力と、その計算結果を踏まえての分析・判断能力
といった点をチェックしようとしている様です。
すなわち「明確な基準」とは、受験生がこれらの能力を有する事が解答用紙を通して作問者や採点者から確認出来るか否か、だと推定出来ます。
では、これらの「能力」を持っている事を、2次試験のA3解答用紙1枚で作問者や採点者に“分かって貰う”には何が必要でしょうか?
それはやはり
① 設問で問われた事を正しく理解し、
② 与件文中の「根拠」と文脈により規定された環境変化に基いて、
③ 因果(原因 -> 結果)を踏まえ、
た上で、”「聞かれたこと」にちゃんと答える”事。
例えば②についてですが、事例ⅠやⅢでよく問われる環境分析について考えてみると、みなさんご存知の通り「強み」「弱み」は置かれた環境によりコロコロと入れ替わります。以前は「強み」だった要素が環境変化により「弱み」に変わるのは、現実世界でも普通に起きること。
#大手家電メーカーS社が、強みと思われていた音楽レーベル所有がアダ
となり、当時独占支配状態だった携帯音楽プレーヤー市場から駆逐され
てしまった、などの実例が有りますね。
なので、与件文前半では「強み」として記載されていた根拠を、後半の状況設定次第では「弱み」として答案に引用するケースも発生します。
つまり「過去に強みだった根拠は時間が経過しても強みに違いない」と思い込むのでは無く、与件文の文脈に従って事例会社の置かれた環境変化を正しく理解し、分析する事が必要となる訳です。
(よく、マーカーで根拠を色分けしてSWOT分析をしている方が
いらっしゃいますが、そういう方は文脈にも注意して下さいね。)
また①や③で有りがちなのは、例えば「売上向上策について述べよ」との設問に対して「・・・を販売する。」で終わる回答をしてしまうケース。
売上向上策なので「売上=客数 x 客単価」のフレームで考えると
「・・・で客数を増やし売上向上を図る。」
または
「・・・で客単価を上げて売上向上を達成する。」
などとしないと、設問を正しく理解し、1次知識や因果関係を踏まえて、回答している事にはなりません。
加えて「・・・」の箇所には、客数増や客単価が上がる理由が与件文引用や根拠抜書きなどの形で示されている事が必要。(文字数調整を行いながらも「与件文のここを使いました」「ここの根拠を使いました」と採点者に分かるよう、極力そのまま引用しましょう。)
これらの注意や配慮を重ねることで、ようやく「私は求められている能力を有してます」とい
う事が作問者や採点者に伝わり易くなります。即ち、”「聞かれたこと」にちゃんと答えた”という事。
なお、これだけの作業を、与件文を読んで、設問を読んで「あーでも無い、こーでも無い」と考えながらやっていてはとても80分内には終わりません。
まずは設問分析を行って複数の答案方向性を想定した上で、その根拠を与件文に探しに行き、見つけた根拠で答案の方向性を絞り、①~③で書いた事項に配慮しながら指定文字数内にまとめる、といった一連の作業を効率的に行う必要があります。
なお、答案がまとまったら後は書き記すだけ。文字数調整もある程度やってあるので、誤字等が無ければ消しゴムは全く使いません。
初学者の方は、そろそろ「答案記載時には消しゴムを使わない」というのを意識して練習してみましょう。それが出来てくれば、恐らく現在苦労されている「時間が足らない」という状態も少しづつ改善されてくる筈です。
まだまだ残り25日もあります。
無闇やたらに過去問に当たるのでは無く、自分に足りない力は何か?それを改善するにはどうすべきか?をしっかりと考え、やるべき事を見据えた上で、出来ることに全力を尽くしましょう。
タケシでした。
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