ゼロから始める2次試験対策 / かっちゃん
皆様はじめまして。かっちゃん@タキプロ関西9期と申します。
今回特別にBlog枠を頂きました。
私自身が2次試験対策を、1次試験後の全くゼロから開始した経験を踏まえ、2次試験を初めて受験する方が、今後どういうことに留意して学習していくと効果的かをお伝えしたいと思います。
経験者の方にも、ご自分の戦略を確認する機会となって頂けると非常に幸いです。
まずは自己紹介
会計事務所に勤務しており、日々会社や個人の様々な数字に接しております。
普段から中小企業の社長や従業員の方々とお話しする機会に恵まれておりますが、より良いお手伝いができるようになるためには、自分にとって何が必要だろう?と考えた結果「中小企業診断士」という資格にたどり着きました。
結果的に非常に良い選択であったと今でも思います。
受験履歴
1次1回、2次1回
1年間受験指導校に通い、昨年ストレート合格を果たしました。
今回のテーマ
・解答のお作法を知る
・80分のタイムマネジメント
・事例Ⅳ対策に勉強時間を割く
よく見たテーマですか?
いえいえ、語る人が違えば切り口も変わって見えてきます。
お代は見てのお帰りです。まずはご覧あれ。
つまらなくても石は投げないで下さいね!
解答のお作法を知る
まず2次試験が初めての人達に絶対に知ってほしいこと。
解答には守るべきルールがあります。
それは…
設問に答えること!!
当り前じゃないか?いやいや、あわてないでください。
設問には「解答の条件や方針」が書いてあることが多いです。
次の設問を基に、「解答するにあたり、何を意識するか?」を考えてみてください。
平成28年 事例Ⅰ第2問設問1
「A社の現社長(5代目)の経営改革に関連して、以下の設問に答えよ。」
「A社が、新規のアルバム事業を拡大していく際に留意すべき点について、これまでの学校アルバム事業の展開との違いを考慮しながら、中小企業診断士として、どのような助言をするか。100字以内で述べよ。」
いかがでしょうか?
私がパッと読んで意識した点は次の6つ。
1.「事例Ⅰ」ですので、人事・組織について解答します。
2.「現社長(5代目)の経営改革」と、時代を限定しています。
3.「新規のアルバム事業」と「学校アルバム事業」の「違いを考慮」する必要があります。
4.「留意すべき点について~助言」を求められています。
5.「中小企業」診断士として助言します。
6.「100字以内」です。
では、この意識をどのように解答に結び付けましょうか?
1.事例Ⅰという枠を絶対に守りましょう!
例えば、売上を伸ばす手法的なことを書かないでください。それは事例Ⅱマーケティングのテーマです。
事例Ⅰ~Ⅲのテーマは意識して区別しないと、事例の枠をうっかり飛び越えてしまい、根本的に解答をハズレます。(初学者にありがちで、私も結構やらかしました。)
2.時代を守りましょう。
創業者や先代のことなんて書かないでください。
3.解答に必要な要素をきちんと盛り込みましょう。
与件文から2つのアルバム事業の違いを明示、対比しながら解答を構成するべきでしょう。
4.文章の書き方に配慮しましょう。
「~に留意するべきである。」や「留意点は~である。」といった解答は、設問に即した解答に見えるため好印象です。
5.実現可能性のある解答を書きましょう。
相手は中小企業です。資金もヒトも限られています。
与件文からその企業に取り組める、実現可能性があることを助言してください。
6.制限字数の感覚は身に着けておきましょう。
100字は多いようで、案外足りないです。端的に文章を構成しないと書きたい事が入りきりません。
タキプロの勉強会においても、初期の頃は「お作法をご存じでない」答案が数多くありました。
お作法ができていない答案は、どうしても評価が低くなってしまいます。
でも、解答の書き方や設問の着眼点さえ分かってしまえば案外パターン化できる上に、要点をハズレていない答案として非常に見栄えが良くなります。
結論
まずは「設問にきちんと解答する」ことができるようになりましょう。
これだけで個人的には50%以上合格圏内な気がします。
対策
1.ふぞろいな合格答案の活用(最低限これだけでもOKと思います)
合格者の答案の書き方を分析する。
設問の読み解き方を理解する。
合格者が書くキーワードを漏らさないようにする。漏らした場合はなぜ漏らしたかを分析して、自分の思考の流れを修正する。
2.勉強会に参加する
客観的な意見をもらえることで、自分の思い込みを修正できます。
他者の解答を実際に見ることで、自分の解答のレベル感をつかめます。
3.受験指導校の先生に解答を見てもらう
親身で自分に合った先生を探しましょう。
4.国語の問題だと割り切る
人によっては効果的です。
80分のタイムマネジメント
本試験では制限時間内に「読む、考える、書く」を完結させる必要があります。
1度は必ず本気で、時間制限80分で問題を解いてください。
こんなん絶対に終わらねー!どうすんだよ!!って自覚してからが始まりです(苦笑)
最終的には「読む」「書く」で他の受験者と大差はつきません。
「考える」の時間を圧縮することが必要です。
何度も書いたり消したりして時間が足りないというのは、「考える」の時点で解答の骨組みがブレています。
対策
1.試験問題の読み方を確立する
精読したり、何度も読み返す時間は全くありません。
先に設問を読み、前述のお作法にある意識すべき要素を予め念頭に置いたうえで、与件文を読むことをお勧めします。
読みながら使いそうな個所をダイレクトにマークしていくことに慣れましょう。
2.設問から何を解答すべきかを推測する
1次試験レベルの基礎知識をフル活用してください。あなたの経験則ではありません(コレ大事!)
この設問テーマには、1次試験ではこういった解決法や問題点があった。
その知識を与件文に沿わせて解答を構築していくと、こんな感じかな!
というように解答の骨組み構築を迅速に行えるようになれば、考える時間を圧縮できます。
逆に、それで解けない問題は難問です!必要以上に時間を使うとハマります。
ケースに応じた基礎知識はパッと引き出せるようにしましょう。
将来社長さんと話しているときに「こんな方法(1次試験で勉強した知識)がありますよ!こういった内容なんですけどね~」といった感じでドヤれるとカッコいいかもしれませんよ?
(ただし、用法には細心の注意を払ってくださいね。)
3.マークの方法(たまに聞かれます)
正直、マーカーでもボールペンでも何でも良いと思います。
色んな方法を試して、自分の一番やりやすい方法を演習の中で作り上げてください。
最終的に私はマーカーを持ち替えるのが面倒だったので、4色ボールペン(シャーペン付)を使用してマークは下線で済ませ、解答もこれで書きました。(試験中の気分転換にクルトガも使いました。ペンが変わるとリフレッシュできました。これは人それぞれですね。)
消えるペンを使うかはお好みですが、わざわざ消す時間は勿体ないかもしれません。
問題文が汚れることを恐れなくなれば、時間短縮にはつながりますね。
4.基礎知識の再確認
2次試験は1次試験の基礎知識が土台にあります。
「この言葉の意味はなんだっけ?」と思うことが有ったら必ず理解し直しましょう。
意味を書けるようになる必要はありませんが、言葉で説明できる(人に話せる)程度にはなっておきましょう。
参考書をパラパラめくって、気になる言葉をおさえても良いでしょう。
その際は、どういったケースで用いられる言葉か、メリットやデメリットなどの特徴を意識しておくと、設問と与件文と解答の関連付けが容易になり、時間短縮につながります。
参考書
受験指導校のテキストなど、1次試験で使用したご自身のインプット教材
中小企業診断士試験2次試験合格者の頭の中にあった全知識
事例Ⅳ対策に勉強時間を割く
手前味噌ですが、私は会計事務所勤務ですので、財務諸表は見飽きてます。自分でも作ってます。
それでも2次の勉強時間の半分以上は事例Ⅳ対策に充てたと思います。
理由はシンプルです。
計算方法が分からなかったら、どうあがいても即死する。
財務分析の着眼点がずれていたら、やっぱり即死する。
など、点数が0になる致命傷リスクが非常に大きいからです。
逆に学習が点数に直結するため、やりがいも高いです。
年度によっては、過去問で満点近く取れます。
私見ですが、事例Ⅰ~Ⅲは、基本的なお作法と知識がちゃんと身につけば、結構アドリブというか使い回しが効きます。
しかし事例Ⅳは形式が独立しているため、どうしても単独で時間をつぎ込む必要があります。
しかも数字が得意な人と苦手な人で、スタート地点での有利不利があります。
最終的に他の受験生と勝ち負けを争えるレベルに到達できるよう、計画的に学習を進めていってください。付け焼刃は通用しません。
対策
1.計算方法を絶対にマスターする
頻出論点のマスターには「事例Ⅳの全知識&全ノウハウ」を私は使いました。
1冊を繰り返しやり切れば頻出論点対策は十分だと思います。
計算問題は必ずノートに計算式を書いて解答するようにしました。
計算式を書くことで、どこで間違えたかの振り返りが容易ですし、計算方法の定着にも役立ちます。
2.財務分析の着眼点を身に着ける
例えば、財務分析における(暗黙の?)解答ルールである、
『財務指標を3つ解答するときは、基本的に「収益性」「効率性」「安全性」から1つずつ答えること。』
与件文からなぜその指標を選ぶのか?その理由を自分で腹オチして、根拠をもって納得できるように勉強してください。
3.電卓に慣れる
電卓で正確に計算できるようになってください。早く打てるようになる必要はありません。
不安だからと同じ計算を2度打ち、3度打ちしては時間のロスです。更には毎回計算結果が違っていたら目も当てられません。
なお、メモリーやGT機能は使いこなせれば有利ですが、そもそもの計算量が少ないので合否に影響するほど有意な差を生みません。使えない人も安心していいかと思います。
参考書
事例Ⅳの全知識&全ノウハウ
受験指導校の過去問題集
※受験指導校の過去問題集は事例Ⅰ~Ⅲについては素晴らしすぎる解答(こんなん制限時間内に書けるか!)で参考にならないこともありますが、事例Ⅳでは完璧な計算方法と財務分析の着眼点が非常に勉強になります。
最後に
今回は特別にBlog枠を1枠頂きましての寄稿の為、2次試験を初めて受験する方が最低限おさえておきたいポイントのみに終始しました。(それでも4000字超でした。長すぎ?)
もう少し深掘りして聞きたい事などがございましたら、コメント欄にご記入ください。
皆様の2次試験合格に、少しでもお役に立つことができましたら幸いです。
2次試験まであと2か月。
全力で悔いの無いよう走り切ってくださいね!
毎週土曜は関西メンバーの担当日です。
本日の夜は、Akiさんの記事です。お楽しみに!
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