独学・初学者のための2次試験の解き方 by かわけん

皆さん、こんにちは。
「人と会社を健康で幸せにする」、体と心と会社の医士(医師+中小企業診断士)のかわけんです。自分の専門である、医療、労働衛生、メンタルヘルスの分野から皆様に役立つ情報を発信したいと考えています。特に、私と同じような方(高齢、独学、初学者)の助けになれば幸いです。よろしくお願いします。

まず少しだけ急性期病院の臨床医として新型コロナウィルスについて話させてください。5月にも一度話しましたね。
デルタ型の蔓延で、感染者、重症者ともに過去最高を記録しています。私の病院も体制を災害モードに切り替え、かなり数の中等度までの患者さんを治療しています。そのため、新型コロナ感染者のみならず、他の疾患患者さんも十分に引き受けきれなくなっている状態です。現状は世間の人が思っているより、医療崩壊はかなり進んでいます
今、我々ができることは、「日常生活に十分注意しながら、ワクチン接種の機会があれば必ず打つ」ことです。
世の中には、「長引く緊急事態宣言に対する厭世感」「ワクチンの副反応に対する不安」があるのも理解できます。また「ロックダウンしろ」「医療体制をもっと拡充しろ」「5類感染症に引きさげろ」などの意見があるのも知っています。しかしどれもそう簡単にできるものではありません
明けない夜はありません。夜明け前が最も暗いものです。
本当につらい状況ですが、今はパンデミックを少しでも抑えるために、自分のできることをしっかりやりましょう。
 

さて本題です。
皆さん、1次試験はいかがでしたか?
十分な点数が取れた人、微妙な点数の人、残念だった人、いろいろな人がおられると思います。
結果はどうであれ1次試験へのチャレンジ、本当にお疲れさまでした。まずは頑張った自分を褒めてあげましょう

そして、次のステージです。
残念だった人は、少し休養して来年の準備です。今年の経験を来年の1次試験に活かしましょう。
それ以外の人は、2次試験の準備です。2次試験は、1次試験をクリアしたツワモノの中から5−6人に一人しか合格しない厳しい試験です。頑張って激戦を勝ち抜き、合格を目指しましょう

今回はタキプロ号外編として、自分で選択したテーマ「独学・初学者のための2次試験の解き方」をお届けします。
いつものように伝えたい思いの強さから、かなりの長文になってしまいました。ブログは気軽にサクッと読みたいと思われる方には申し訳ありません。
2次試験の勉強は1次試験ほど時間が必要がないので、2次試験を受けられる皆さんは時間に余裕のある時に読んでくださいね。またこのブログの内容に興味のない人も、8かわけんの2次試験のTipsと■おわりにだけでも見て下さい。
これから2次試験に望まれる皆さんに、私の経験が役立てば幸いです。よろしくお願いします。

私は今まで以下のような投稿をしています。興味のある方はご覧ください。
注:どれも長いですm(_ _)m
1回目 合格体験記
2回目 令和二年の事例Ⅳ、どうすべきだった? かわけんの経験より分析してみた!
3回目 ITを活用した効率良い勉強方法 by かわけん
4回目 運営管理の勉強で使った副読本 by かわけん
5回目 まだ1次試験に間に合います。気合を入れて最後のラストスパート! by かわけん
6回目 事例1・幸の日も毛深い猫とモチベーション by かわけん

■はじめに

2次試験は1次試験のように答えを選ぶ試験ではなく、設問で問われたことに自分で記述する試験です。その記述のための解き方を憶えなければなりません。そして、2次試験は1次試験と異なり、単純に努力が得点につながるものではないと言われます。しかし正解が発表されないため、何が正しい努力なのか判然としません。そんなあいまいな状況の中、受験生は合格点に達する2次試験の解き方をマスターしなければなりません。

それなりに正しいだろうと思われるオーソドックスな解き方はあります。ただ1次と2次の短い間に、初学者がオーソドックスな解き方をマスターするのはかなりハードルが高いです。対策にはやはり受験校にお世話になるのが一番です。特に今年のように11週間しかないならなおさらです。ただ私のようにどうしても時間が取れない方は独学にならざる得ません

昨年は1次と2次の間が15週間でした。私はその間に試行錯誤しながら、なんとか合格点に達することができました8/6のブログで書いたように絶対の自信があった事例1が48点とびっくりするくらい低迷したにもかかわらず合計は256点でした。256点は自慢できる点数ではありませんが、偶然で滑り込んだ点数ではなく、ある程度正しい解き方の結果だったのではないかと考えています。

今回のブログは時間のない独学・初学者だったかわけんの2次試験の解き方の変遷を、時系列に沿ってお話しようと思います。

なお、本ブログはあくまで私の私見で、基本的に時間がなく一般の解き方をマスターできないであろう方向けです。マーケティングのターゲットはずいぶん狭いですね(笑)。ただ受験校に行っててもなかなか点が取れないと悩まれている方も参考になるかもしれません。そのあたりをご了承下さい。

1 1次試験終了後・2次試験の基本方針策定

私は1次終了までは2次の勉強はしてませんでした。2次のことを早めにやったほうがいいとの意見は知っていました。しかし並行受験していた他の資格試験もありましたし、1次をクリアするのが精一杯だったためとてもそんな余裕はとてもありませんでした。1次の翌日、ネットで情報収集を始めました。また2次の参考書を読み始めました。
1週間ほど調べてわかったのは、1独学では難しい、2二次試験は正解がない、3努力が結果に結びつくとは限らない、4初学者が合格するには事例4がカギ、らしいということです。(事例4に関しては以前のブログ参照)。総合的に考えて、1次のように独学ではだめだろうと思いました。
そこで家計から資金を得て、ある受験校の通信講座にお世話になることにしました。ただちょっとやってみたのですが、思ったより時間がかかることもありすぐやめてしまいました。10万弱がもったいなかったですね。奥さんに怒られましたよ(笑)。まあ、今回は落ちるだろうから来年にとっておこうと考え、すべてダウンロードしてお蔵入りにしました。
結局、1次試験と同じ全くの独学になりました。ここまでで2週間ほどロスしたので、残りは13週間でした。

2次試験で参考にした本は以下のものです。

  • 「まとめシート」流!ゼロから始める2次対策:中小企業診断士2次試験対策(野網美帆子著・Kindle) 
  • 30日でマスターできる中小企業診断士第2次試験解き方の黄金手順(黄金手順執筆チーム著・中央経済社)
  • 2次試験合格者の頭の中にあった全知識(関山春紀、川口 紀裕著・同友館)
  • ふぞろいな合格答案(ふぞろいな合格答案プロジェクトチーム著・同友館)
     

私の本職は外科医です。手術が上手になる手順は、1基本を覚えること、2上手な人のマネをすること、3自分で工夫をすること、4オリジナリティを出していくこと、です。だからそのやり方をそのままやろうと考えました。ただ今回は、オリジナリティを出す必要はないので、1−3まででいいだろうと思いました。
基本方針は、次のようになりました。

  • 独学で、勉強会の参加もしない
  • 合格者の頭の中にあった全知識で情報をインプット
  • 解き方は参考書の解き方を踏襲
  • 問題は過去問5年分に限定
     

2オーソドックスな解き方

最初取り入れたオーソドックスな解き方は以下のものです。

  1. 設問を解釈してタイプと階層、切り口を決める
  2. 解答のひな形を作る
  3. 設問を念頭に与件文を読む
  4. 難易度を考え、設問を解く順を決める
  5. 与件文を参考に多面的な答案骨子のメモを作成する
  6. メモから答案を作成する
  7. 誤字脱字をチェックする

「まとめシート」流!第2次試験解き方の黄金手順の解き方をそのまま試してみました。
最初は80分の時間制限ではまともな答案は書けなかったです。だけど最初だから仕方ないと考え、無理やり80分で解き、時間をかけ振り返りを行いメモを作成しました。だいたい一日一題のペースで解き、いつかは正しい解き方が身につくと信じて進めていきました
 

3オーソドックスな解き方を試したかわけんの問題点

しかしそれから1ヶ月ほど経過し過去問が2周目に入った頃、まったく進歩がないことに気が付きましたオーソドックスな解き方と言われるものは、独学・初学者が行うにはとてもハードルの高いものでした。
問題点を挙げます。

・設問の方向、階層がわからない
設問を「まとめシート」流に、情報系、行為効果系、助言系に分けるつもりでした。しかし行為効果と助言の区別がよくわかりませんでした。また階層と言われるものもよく分からぬままでした。

・各設問の難易度、解く順がわからない
情報系の設問を1番に解くのは分かります。しかし初学者には設問の難易度や設問間のつながりがよくわからないので、残りの問題の解く順番を決めることができませんでした。

・設問を念頭にして与件文を読むことができない
設問を念頭において与件文を読めと書いています。しかし与件文を読む時には設問のことはすっかり忘れています。逆に設問を意識して読むと、与件文が全然頭に入って来ません。結局、何度も設問と与件文を読み直していました。

・時制や固有名詞が混乱する
与件文には受験者を混乱させるため時制や固有名詞が適当な順番でちりばめられています。これらを確認するために、何度も与件文を行ったり来たりすることになりました。

・マーカーの使い分けができない
マーカーが多すぎて、どの色をどこに使うのか思い出すのに、かなりの意識を使っていました。またマーカーの持ち替えそのものにも時間がかかるなと思いました。

・設問、与件文、メモの3ヶ所の行き来で混乱とミス
オーソドックスな解き方では、設問を見て与件文から項目を選びメモに解答骨子を作成します。その3ヶ所の行き来で混乱が発生しました。また、メモの写し間違いや書き忘れ、乱筆のためメモが読めないミスがありました。

・多面性のある解答にならない
多面性のある回答が求められると書いてあるのですが、多面性とは一体どんなものかよくわからぬままでした。

・再現性がない
1周目は終了後に振り返りを行い自分なりの模範解答作成していました。しかし2周目に入った時に自分の書いた解答が、自分なりの模範解答とはまったくの別物になっていました。

上記のように悲しいくらい多数の問題点がありました。
決定的なのは答案を作成するための時間が足りないということです。ここまでで更に4週間ほど経過したので、残りは9週間になっていました。

4オーソドックスな解き方との決別とプロセス改善

あまりの進歩のなさと問題点の多さから、このままでは絶対無理だろうと思いました。ストレート合格は困難とは知ってましたが、正直ここまで厳しいとは考えませんでした。ただあきらめるつもりは全くありませんでしたよ。解き方の改善策を求めて、タキプロなどで情報を検索しまくったのがこの頃です。
多くの参考になる意見がありました。その中でも特に面白いと思ったのは以下のブログです。

【劇薬注意】80分では時間が足りないあなたへ
一発合格道場に弁護士のたっつーさんが書かれたもので、とても斬新な解き方でした。確かに劇薬でとても真似しようと思いませんでしたが、決まったやり方にとらわれずある程度の自分なりのやり方を探すのもありかなと思いました。

そこで集めた情報をもとに、少しずつプロセスを変更してきました。
そして忘れもしない9月6日ある過去問で絶望感を味わった後、手順を根本的に変更することにしました。すなわちオーソドックスな解き方との決別です。

そもそもオーソドックスな解き方の問題点は、プロセスが複雑で時間がかかることです。ある程度経験すると、習熟効果で上達し時間は短縮されるのでしょう。ただし残された時間の中でそのプロセスを習熟するには限界があると思いました。だからプロセスの単純化と減少で時間を短縮することを考えました。ECRSによる作業のプロセスと思考プロセスの改善です。

作業のプロセスの改善

  • 設問用紙に情報を集約し、メモは作らない
  • マーカーを感覚的に理解しやすい、赤、青、黄の3色に減らす
  • 筆記具の持ち替えをへらす赤青色鉛筆の導入
  • 答案に引用しやすいように、与件文にマーカーを引く時はできるだけ線を短くする
  • 与件文は2回しか読まない
     

思考プロセスの改善

  • 設問は要求に応じて、I(Infomation、情報系)、E(Effect、効果)、AE(Action+Effect、行動と効果)を書くものに分け、略字を書き込む
  • 与件文を読むときは、設問のことは忘れ与件文に集中する
  • 設問1から順に解く
  • 設問の階層、切り口、多面性などはあまり考えず、聞かれたことに素直に答える
  • 解答は、設問+与件文の抜粋+(行動)+効果に決めておく(可能なら1次試験の知識を入れる)
     

その他の改善

  • 再現答案はあきらめる:メモを省略すると、必然的に精度の高い再現答案は作れなくなりました。初年度であり、後から誰にも見せるつもりはなかったので、再現答案をあきらめました。
  • 全体の流れを設問用紙の上の余白に記入する:事例全体の流れを掴むことが大事だと思ったので、設問分析終了後に設問用紙の上の余白に簡単なメモを作成することにしました。与件文を読んでいる間に設問を確認したいときはこのメモを見るようにしました。
  • 時制や固有名詞を見える化する:どこに書いてあったかわかりやすくするために、黄マーカーでチェックすることしました
  • 与件文の解答要素はできるだけ多く入れる高得点の答案には必要な解答要素を入れる必要があるらしいので、何も考えず解答要素をできるだけ多く入れることにしました。私の目安は100文字の答案なら最低3つです。与件文には使えそうなキーワードがたくさん入っています。今まではその中からどれを優先させるか悩んでいたのですが、たくさん入れることでその選択のための思考プロセスを減らすことができました。私の実際の令和2年度の2次試験の各最終問題でみると、事例Ⅰでは4つ、事例Ⅱでは3つ、事例Ⅲでは4つ解答要素を入れてました。

以上のようなプロセスの改善と割り切りで、時間短縮を試みました。もう本番まで7週間しかありませんでした。そしてこの手順を完成させるため7週間で過去問を繰り返しました。少しずつブラッシュアップしながら、結局、最近5年分を答案作成まで3周、その先5年分は答案構成まで3周やりました。
 

5方針変更と改善の効果

方針変更とプロセス改善は以下のような効果を生みました。

  • 75分前後に時間が短縮された
  • 与件文が感覚的にわかりやすい形で見える化された
  • 解答要素がたくさんはいるので、答案は自然と多面的になった
  • 設問1から順に解くことで、会社の強みと弱みを理解し、問題点を解決し、社長の思いの実現や将来を提示するという、事例のストーリーが理解できるようになった

結果的には3S(初学者らしい、標準化された、シンプルな)答案になりました。
そして2次試験の少し前には、自分流の納得できる答案が再現性を持って書けるようになりました。
自分で納得できる答案とは

  1. 与件文からピックアップした解答要素をすべて使って
  2. 設問のひな型にきれいにはめ込み
  3. 会社の状況を分析し、いろいろな問題を解決、最終的に将来の方向や社長の思いの実現する手段を社長に提案できる
  4. 理系の自分なりに筋の通った

答案です。
これがよく言われる開眼と言う状態になのかなあと考えていました。ただしあくまで自己流です。自分では納得していましたが、問題は他人から見た評価と初見問題でしっかり再現できるのか、ということでした。模試を受けるなり、勉強会に参加すれば、この問題は解決できたのですが、やはり仕事柄、時間が取れなかったので両者ともあっさり諦め、初年度はこのまま受験しようと考えました。
 

6かわけんの2次試験の解き方

最終的にたどり着いたかわけんの2次試験の解き方です。基本的に、”設問の内容+与件文の抜粋+(行動)+効果”を書く素直なものです。この解き方で本番に臨みました。

使用筆記用具は4本
マーカーは、(✕:弱みと脅威)、(○:強みと機会)、(△:注意)の3色です。信号機と同じ意味にしたので、感覚的に理解しやすかったです。またこの三色とは、光の三原色の図に含まれるものなので、識別性が高いと思いました。

  • シャープペンシル
  • 赤青色鉛筆(SWOT用、持ち替えの手間を減らす)
  • 黄色のマーカー(時制と固有名詞用、キーワードと制限条件は二重線)
  • 緑ペン(答案構成用、他の色と異なり目立つ)
     

答案作成のプロセス

  1. 設問を読んで、I(情報系)、E(効果)、AE(行動と効果)を書くものに分ける
  2. 設問の重要点は黄色マーカーでチェック、制限条件はバツ、文字数は○
  3. 設問用紙に思いつく知識を書き込む
  4. 設問用紙に解答のひな形を作る
  5. 設問用紙の上の余白に全体の流れを整理する
  6. 与件文を段落分けする
  7. 一回目の読解:固有名詞と時制にペンでマークしながらざっと読む
  8. 二回目の読解:強みと機会は、弱みと脅威には、キーワードには色ペンの二重線、それ以外の必要部分はシャープペンシルで線を引きながら読む。ほとんどの作業は赤青色鉛筆で行う。与件文の右端に、経営者の思いは”お”、課題は”か”と記入する(用具は問わない)
  9. 設問1から順に、ひな形に当てはめる文を、与件文のマーク部から探す。マーク部以外は基本的に読まない。のペンで引用番号を与件文と解答のひな形に記載する。文そのものは書かない
  10. 与件文をざっと見て、マーク部の引用忘れがないかチェックする
  11. 答案に、設問と与件文から要素を写し、(行動)+効果を加えた解答を作成する
  12. 最後に誤字脱字をチェックする
     

7実際の2次試験

それではこのような解き方で本番に臨んだかわけんが、実際の試験でどのような解答プロセスをたどったか見てみます。
令和2年の事例Ⅱの実際の与件文、設問、再現答案です。

令和2年度の事例Ⅱの与件文

  • 左余白に段落番号
  • 固有名詞と時制と注意点は色マーカー
  • キーワードは色マーカー二重
  • 強みと機会は色鉛筆
  • 弱みと脅威は色鉛筆
  • 分類不能のポイントはシャープペンシル
  • ペンは解答の引用番号
  • 右余白の”か”は課題を意味
     

令和2年度の事例Ⅱの設問分析

  • 制限条件や重要ワードは色マーカー、制限条件は更にバツ点
  • 思いついた語句はシャープペンシル
  • 上の余白は全体の流れ
  • 答案構成はペンで、段落ー引用番号を記載
     

第4問の答案骨子
第4問のみ答案骨子のための設問分析をしてみます。

  • 自社オンラインサイトを重要ワード、観光以外を制限条件と認識しています。また島訪問ツアー、B社と島のファンをポイントにしています。
  • 助言を書く問題ですが、答案の書き出し語句を”助言は”ではなく、”立案プログラムは”にしようと考えています。
  • 解答要素は3つで、2段落目1番、4段落目1番、6段落目1番を基本とし、他の与件文の言葉を足そうとしています。
  • だなどこ分析も行っており、誰に”ツアー参加者を”選んでいます。これは最終的に答案の書き出し語句に用いています。効果の候補は3つで、設問から引用した1島への理解度アップからファン化、与件文から引用した2自社ブランドの確立、3島の活性化、です。

以上のような答案骨子を行って、作成された答案は次のごとくです。
 

第4問の再現答案
ツアー参加者に、農家や高齢者と連携し1空と美しい色の対比をなす畑での農業体験2高齢者と祝いの膳を囲む交流会3ハーブのオイルや香水の体験会、を行い島への好感度を向上させファン化、および島の活性化を図る。(100文字)

この再現答案を次のように分析して色分けしました。オレンジ:与件文からの引用、パープル:設問からの引用、グリーン:自分の言葉

第4問の再現答案の分析
ツアー参加者に農家や高齢者と連携し空と美しい色の対比をなす畑での農業体験高齢者と祝いの膳を囲む交流会ハーブのオイルや香水体験会、を行い島への好感度を向上させファン化、および島の活性化を図る。

 

事例Ⅱの全体の振り返り
今になって見ると、恥ずかしいくらい答案骨子はスカスカですね。特に第2問と第3問の設問2は、骨子の体をなしていません。でも結局この答案骨子から解答を書いています。緑ペンの番号をもとに与件文からかなり引用したので、字数の9割以上答案を埋めることができました
第4問の再現答案を見ると、設問と与件文からの引用がほとんどを占めており、自分の言葉は16文字とほんの少ししかありません。
立案するプログラムは3つで、農家、高齢者、自社と幅広く島の魅力をアピールできるように配慮しました。
次に効果2つ、まず”島への好感度を向上させファン化”は設問で求められているものです。字数を節約するために”ファン化”という語句を使いました。そして最後の”島の活性化”は島の課題を解決するためにどうしても入れたかった効果です。本当は”島の窮状を改善するための活性化”としたかったのですが、文字数の問題で諦めました。
結局、解答要素3つを与件分から抜粋し、設問に合うように並べ替え、設問で要求される効果と自分の言葉をわずかに追加した解答です。私の予定通りの解き方です。ちなみに誰にも見せたことはないのでこれが正解かどうかはわかりません。

事例Ⅱは第2問でハーブXとYを勘違いするけっこう大きな事故を起こしつつ72点とまずまずでした。参考書には素晴らしい答案構成が載っていますし、立派な答案骨子を作られる人もおられますが、実際は72点といってもこんな程度です。全然大したことありません。受験生の皆さんが心配する必要は全くないと思います
また再現答案はあきらめるつもりだったのですが、意外なことに翌日やってみたらほぼ再現可能でした。これは予想外でしたね。プロセスを完全にパターン化していたからでしょう。
 

8かわけんの2次試験のTips

ネットで情報を検索し、2次試験で用いたTipsは多数あります。その中でも特に良かったと思われるものを3つ挙げます。元ネタはあったのかどうかも忘れています、m(_ _)m。

・赤青色鉛筆
SWOT分析は、赤と青のペンを使っている人が多いと思います。最初は色ごとのペンを使いましたが持ち替えが面倒でした。次に多色ボールペンを使いましたが色を確認してノックする手間が面倒でした。そこで赤青色鉛筆に替えました。赤青色鉛筆ならひっくり返すだけなので持ち替えは不要、またマークに強弱をつけたり、字を書くこともできるので、メリットが多かったです。なお丸いものは転がり落ちる可能性があるので、六角形のものがお薦めです。

・ぺんてるのオレンズネロ0.3mmと2B
私は字がとても下手なので、2次試験ではしっかり読んでもらえるのかとても心配でした。また最近は字を書く機会が減っていたので、疲れずに早く書けるかも不安でした。いろいろ試した結果、ぺんてるのシャープペン オレンズネロ0.3mmに2Bの芯の組み合わせを使いました。この組み合わせは細めでくっきりした字が書けるので、読みやすくてとても良かったです。またオレンズネロは疲れも少なく、一度書き出すと決して折れずに芯がなくなるまで書き続けられる点が便利でした。さすがに2200円と高価なだけの事はありました。この実物は近所では売っていなかったので、ネットで購入しました。サブのシャープペンは、オレンズの安いものにしました。

・静音置き時計
自分で勉強しているときは時間経過を見るのに、Apple WatchかiPhoneのストップウォッチを使っていました。しかし2次試験の会場にはこれらを持ち込むことができません。そこで小さなアナログの置き時計を持っていきました。これを試験の始まる時に0時ちょうどに設定します。そうすると中間は0時40分終了は1時20分となり、時間経過がひと目で把握できます。なおカチカチと秒針がうるさいものがありますので、アマゾンなどで静音タイプを探すといいです。
 

9先人たちのアドバイス

私の2次試験の解き方についてお話しました。ただこれはあくまで我流で、どうしても独りよがりになりがちです。そこで今までのタキプロブログの中から、解き方に関するブログを検索しました。素晴らしい先人たちの珠玉のアドバイスです。ぜひ参考にしてください。

2次試験学習Q&A (初回受験者向け) by szhiro

2次試験解答ルーチン 読み順+ペン byのぶ
2次試験解答ルーチン② 骨子の作り方 byのぶ
2次試験解答ルーチン③ 文章型 を用意しよう! byのぶ

【2次試験筆記】「独りよがり」な答案からの脱出 by Tatchy
【2次試験筆記】「独りよがりな答案」からの脱出② by Tatchy

多年度生へ!今年で決めるぞ2020!~合格レベルとのプロセスの比較 by ガク

2次試験解き方の一例(事例Ⅰ~Ⅲ:前半)/らぼ
2次試験解き方の一例(事例Ⅰ~Ⅲ:後半)/らぼ

【マル秘】事例Ⅲの解法(基礎編)~34点から77点まで引き上げた方法~ byつよぽん
【再現答案あり】事例Ⅲ解法(実践編)~34点から77点まで引き上げた方法~ byつよぽん

Tochiro的 正しい!?診断士の成り方 ②2次試験は『知識』か『国語力』か? そして、養成課程のすゝめ
Tochiro的 正しい!?診断士の成り方⑨事例Ⅰで89点取るコツ
 

■おわりに

今日は私の経験から独学・初学者のための2次試験の解き方についてお話しました。
2次試験のオーソドックスな解き方と言われるものはあり、おそらく時間があればそれをマスターすることはできます。ただ何度も書きましたが1次終了後に2次の勉強を始める独学・初学者がマスターするにはかなり厳しいと感じました。
またオーソドックスな解き方と言われるものも、参考書や受験校によって異なるものがいくつもあります。途中で引用したたっつーさんのように劇薬的なものもありますし、合格者は程度の差こそあれ解き方に自分なりの工夫をしているでしょう。すなわち合格するための解き方には、かなりの自由度があると思います。

最初の方針がだめだった場合、1習熟効果を期待してそのままの解き方で進める、2そのままの解き方に変更を加える、3他の解き方に変更する、4大幅に変更しオリジナルの解き方にする、の4つがあります。どれが正解かはわかりません。私は、残り7週間となってところで4オリジナルの解き方を選び、幸いに合格することができました。
皆さんはせっかく2次試験にチャレンジする権利を得たのですから、よく考えて自分で後悔のない方法選んでください。

私の解き方はあくまでのかわけんの経験から得たものです。私は事例Ⅰがびっくりの48点だったのを除けば、残りの10教科はすべて70点前後でした。それを考えると私の勉強方法は80点以上が取れるものではありません。でもなんとか合格点の60点以上は取れるものではないか思います。
私のやり方をそのまま真似する必要は全くありません。ただこのブログの中に少しでも皆さんに役に立つことがあれば、診断士試験対策のコツ「パクってカスタマイズ」していただければ幸いです。
それからこのブログでは解き方を中心にお話しましたが、切り口やフレームワークなど解き方に必要な知識はもちろん十分に整理して勉強しています。その点は誤解しないでくださいね。
 

最後に今回のブログをよく見ると

  • 事例:時間に余裕のない独学・初学者であるかわけんの2次試験
  • 課題:時間が足りずオーソドックスな解き方をマスターできない中、2次試験をクリアする解き方を身につけること
  • 問題点の見える化:本ブログの3オーソドックスな解き方を試したかわけんの問題点
  • 問題点への対応策:本ブログの4オーソドックスな解き方との決別とプロセス改善(ECRSなど)
  • 効果:本ブログの5方針変更と改善の効果
  • 結果:本ブログの7実際の2次試験

の順になっています。
考えてみるとこれはまさに2次試験の答案そのものです。すなわち、事例の課題を、問題点の見える化、知識を用いて対応策の考察、効果の確認、結果につなげ、最終的に解決する、です。実務で実際のコンサルタントに必要とされるのも、この思考プロセスです。そして、おそらく2次試験で要求されるのは、このような思考プロセスの習得なのでしょう。
私は診断士試験を通じて、この思考プロセスを身につけることができました。
皆さんも、試験までに頑張って身につけてくださいね。それが合格へのキーポイントだと思います!

もう2次試験まで10週間です。10週間は短いですが、合格点に達することも十分に可能です。
あきらめず最後まで頑張りましょう!

最後まで長文を読んでいただきありがとうございました。かわけんでした。
次回は、としさんの登場です。
お楽しみに!

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独学・初学者のための2次試験の解き方 by かわけん” に対して2件のコメントがあります。

  1. じゃがりこ より:

    いつも参考になる記事をありがとうございます!
    今回の記事も楽しく読ませて頂きました!

    早速、Amazonにて静音置き時計を何個か購入してみたのですが、秒針を合わせることができない、音がうるさい等、なかなかしっくりくるものが見つかりません、、、もし覚えていればで良いのですが、かわけんさんはどれを使っていらっしゃいましたか?
    おすすめのものがあれぼ教えて頂きたいです。

    1. じゃがりこさん
      かわけんです。コメントありがとうございます。
      時計はスイープセコンドと呼ばれるタイプのものです。私はセイコー ピクシス NR440Pを買いました。アマゾンで900円くらいです。
      ちなみに秒針までは合わせませんでした。あとアラームはもちろん切るのですが、タイマー使いでは絶対に鳴らない6時頃にセットしていました。ご注意ください。
      もう試験が近づいてきましたね。頑張ってください!

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