事例Ⅰは「外さない」作戦も意識 byこんぷ

読者のみなさん、こんにちは。
タキプロ14期のこんぷと申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

本日のテーマは事例Ⅰ、ご存じの通り「組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」です。

この時期はおそらく1次試験の準備や、直接2次試験受験の方も、問題をやり込むというよりは、幅広い情報収集や勉強法・解法の模索などされている方が多いのでは、と思います。

なので、「こんなこと考えている奴もいるんだ」と、気軽に読み流していただければ幸いです。

■はじめに

簡単に自己紹介をさせていただきます。

名前 : こんぷ(趣味の音楽関連用語から)
年代・性別 : 50代・男性
職業 : 金融系
受験歴 : 1次 1回、2次 1回
勉強時間 : 1次 400時間、2次 200時間
学習方法 : 1次 通信&独学、2次 独学
好きな科目 : 1次 経済学、企業経営理論
       2次 事例Ⅰ、事例Ⅱ

自身の経験が少しでもみなさまのお役に立てるよう頑張ります。
よろしくお願いいたします。

■事例Ⅰがとっつきにくいワケ

突然ですが、みなさまは事例Ⅰにどんな印象をお持ちでしょうか?

私は勉強開始当初、なんとも言えない感覚を感じていました。

苦手…というよりも、手触り感がないというか、とっつきにくいというか…。

過去問をやっても「これ、わかるぞ」という感覚になることが少なく、答え合わせで初めて「あ、こういうことを書くんだ…」という反省の繰り返しでした。(後述の通り最終的には得点源となりましたが。)


では、このとっつきにくい感覚はどこから生じるのでしょうか。

過去10年分の事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲについて、「設問文に特定のキーワードが登場する回数」を数えてみました。
(手作業なので誤りはご容赦ください…)

  • 第1問、第2問…をそれぞれ問題1つと数え、さらに設問が分かれている場合は設問2以降は別問題とカウント
  • 事例Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの10年間の総問題数(母集団)は51問、48問、48問でほぼ同じ

そうすると下図のように、事例Ⅰは「なぜ」「理由」「要因」というキーワードや、「どのように」「どのような」「いかに」といった問われ方が、事例Ⅱ・Ⅲと比べて高頻度で登場します。

  (各グラフとも中小企業診断士2次試験問題より筆者作成)

こうした問われ方は、「課題と対応策を述べよ」「〇〇戦略を助言せよ」などの直接的な問い掛けに比べ、何を聞かれているか題意が捉えにくいケースが多いと推察できます。

(私も昨年の2次試験当日の朝一番、事例Ⅰの問4で「え、どのような組織構造?どのように権限委譲や人員配置…?何を書けばいいんだろ…」と混乱したことをよく覚えています。)

また次の図のように、「中小企業診断士」として助言せよ、というような問われ方が多いのも事例Ⅰの特徴です。

このフレーズの解釈は他でもよく解説されているので詳細は省きますが、要するに与件文や設問文に記載がない情報の活用が求められていることは間違いありません。

まとめると、①題意がつかみにくい抽象的な問われ方が多く、②記載がない情報が要求されること、が事例Ⅰのとっつきにくさにつながるのでは、と考えています。

■「外さない」ためのチェックポイント

では事例Ⅰ、どう攻略しましょう。

定番のフレームワークがぴったり使えそう、など、解答骨子がすんなりイメージできた場合は問題ありませんよね。

問題は「何を書いたらいいんだ…」と解答の方向性に迷った時です。

今回は「困ったとき、解答をなるべく外さないためのチェックポイント」を5つ、考えてみたいと思います。

(しっかりと過去問に向き合うことをはじめ、事例Ⅰ対策の正攻法については、是非当ブログの他記事をご参照ください。)

① 組織・人事・経営戦略の面から解答しているか

いきなり当たり前?
すみません、そうですよね。

でも緊張感MAXの試験当日の朝一番、必死になって書き終えたらマーケティング戦略になってた、なんてのはありがちなようです。

どんな聞かれ方をされても、経営戦略・組織風土・組織体制・人事制度の観点から答えることを意識しましょう。

② 「旬」の課題・重要テーマが隠れていないか

設問意図に、実は昨今の中小企業の課題があることも多いので、最近の重要テーマをさらっておくことも重要です。

手っ取り早いのはやはり中小企業白書です。

1次試験の苦行(!)だった、数字の大小やグラフの時系列変化をもう一度暗記しましょう、なんて言いません。

最新年度版の白書を「読み物」として、いま日本の中小企業で何が起きていて、何が課題なのか、俯瞰してみてはいかがでしょうか。

2022年版であれば、事業承継、事業再構築、経営資源としてのヒト(人的資本投資・組織の柔軟性・外部人材活用)、デジタル化などなど…。

これらに関する白書の課題認識や解決の方向性など、目を通しておいて無駄にならないと思います。

(逆に言うと、「旬のテーマ」は長期の過去問を漫然と繰り返すだけでは見えにくいので注意が必要です。)

③ 「社長の思い」や「経営ビジョン」に沿っているか

与件文の中に、このような「会社が進みたい方向性」が明示されることがよくあります。

これは与件文を読み進める段階で、特に強調してグリグリとマークしておくことをお勧めします。

そして特に助言系の問題では、ご自身の答案がこの社長(会社)の大方針と整合的か、よくチェックしてください。

④ 「定番の打ち手」は使えないか

事例Ⅰでも、「取り組むべき」と書いてほとんどの場合に間違いとは言えない定番の打ち手・対応策があるように思います。

あらかじめそういった施策はまとめておき、書くことが思い当たらないときに活用できないか、打ち手側から検討するのも有効と思います。

少しだけ例示しますと…

  • 企業ドメインを明確化する
  • 経営者が社内にメッセージを発信する
  • (若手や下位階層に)権限委譲を進める
  • 後継者に経営経験を積ませる
  • (地元企業と)双方の強みを活かせる協業を進める
  • 特定の取引先への依存度を低減させる

などなど(…適宜追加、カテゴリー分類などブラッシュアップしていってください)。

もちろん、これらが設問の答えに相応しいか、打ち手の優先順位として高いか、事例の具体的な表現で書いているか、などはよく考える必要があります。

⑤ 記載を一般化・抽象化し過ぎていないか

最後は答案を書く際のノウハウで、事例Ⅰに限った話ではないので少し性格が異なりますが、大事なポイントと思うので記載します。

解答は与件文や設問文の表現をなるべく忠実に使いましょう、と言われていますが、文字数制約で言い換え、まとめが必要な場合もあります。
その際は記載が抽象化・一般化し過ぎないよう気をつけましょう。

ポイントは、今回の事例企業でなくともあてはまる表現になっていないか、という点。

一例として「環境変化に対応する」「強みを活かす」など(のみ)の表現は危険です(設問文・与件文にそのように明記されている場合は除きます)。

採点される方に「これって他の企業でも同じじゃない…」と独り言を言われないよう留意しましょう。

■おわりに

少しとりとめのない話になってしまいましたが、私自身は取り組みにくい意識のあった事例Ⅰで、例えばこのようなポイントも意識しながら悪戦苦闘した結果、本番では4事例中最も高い得点を獲得できました。

その意味で上記は、自ら試行錯誤する中で出てきた「気づき集」の一部だと思います。

みなさまも、学習を進める中で得たご自身の「気づき」を忘れずに書き留めていただき、最終的にオリジナルのファイナルペーパーにまとめていくことをおすすめします。


次回はさくまるさんの登場です。
お楽しみに!

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