元多年度受験生による事例1のノウハウ(おまけつき)byこは
皆様こんにちは。
タキプロ14期ブログ班及びタキプロ多年度合格グループTKP43第2期生のこはと申します。
本日もよろしくお願いいたします。
本日は6月18日(日)、早いもので一次試験まではあと49日、二次試験まであと134日となりました。皆様学習進捗はいかがでしょうか?私は一次試験を10回、二次試験は5回ほど経験してしまいました。
私が中小企業診断士試験で何が一番辛かったかというと、2回目の二次試験敗退後翌年にリベンジの一次試験に落ちてしまった時でした。
次の二次こそは!という気持ちに大量の冷水を浴びせられる一次試験のリベンジ失敗は、私は過去に3回もありました。そのため昨年、二次試験が終わったあと、残念な結果だった場合でも、絶対に次からは一次試験を保険受験するぞと心に誓ったものです。
一体何回リベンジする気やったん?
こは:完全合格達成するまでです。。。
多分、今の時期に二次試験の学習ができる方というのは、二次試験のみに注力されている方か、一次試験はさほど手がかからず通過見込みの方だろうと思います。今の時期に、二次試験の学習をされる方ならではの学習法があるかもしれません。本日は私の体験談をもとに二次試験の学習方法を中心にお伝えできたらと思います。
いやいや、今日のお題は事例1に関するノウハウやで
こは:はい、わかっておりますが、普通に過去問解説するノウハウは、私よりも優秀なタキメンやネット等に沢山ございますし、たまにはこんな記事があってもいいのかなと思った次第で。。
ちなみに一応→事例1の過去のノウハウの記事についてはこちらから。
私の前回の記事についてはこちらから。
今日も読んでいただきありがとうございます。
⬇︎をポチッと!何卒よろしくお願いいたします。
■はじめに
まずは私の二次試験の戦績です。
2015→CBDD(点数不明) 合計C
2016→(57) B (49) C (54) B (48) C 合計(208)B
2019→(40) C (54) B (55) B (51) B 合計(209)B
2020→(45) C (48) C (69) A (47) C 合計(200)B
2022→(58) B (59) B (67) A (57) B 合計(241)A
え、ちょ・・事例3以外にAがいっこもないやん!・・ようそれで合格できたな!
こは:私もそう思います。。。(汗)
逆に言えば、あきらめずに努力を続ければ報われる日が来る!ということにしておきましょう。
そんな私ですので、ノウハウなどという大層なものは、実はそこまで持ちあわせておりません。キリッ(`・ω・´)
開き直ってないで、はよ話すすめてもらえる?
私は過去4回目の失敗が確定して絶望している際に、どうしたら合格者のような思考になるのだろうかと、今一度真剣に考えました。
色々考えながら、家の本棚にずっと放置されていて未活用だった「二次試験合格者の頭の中にあった全ノウハウ」を眺めていて、そこには合格者の与件分に対する思考や、解答を導いた根拠が解説されておりました。
この考え方を自分でもできるようになれればいいんでしょ!という気持ちで、それを自分でも実現できるためにはどうするべきをかを考えました。その段階での問題は、自分の実力と合格者とのレベルに能力の差異があることであり、課題はその能力の差異をいかに縮めるかということだと思いました。
で、結局具体的に何したんや!
その能力の差異を埋めるためには、自分の思考を合格者の思考に近づける必要があるとおもいましたので、取り急ぎ「二次試験合格者の頭の中にあった全ノウハウ」をメルカリなどで直近8年分くらい買い集めました。過去問学習が1番効果的だと信じていた私は、ネットに掲載していただいている過去問解説を集めたり、同友館さんの二次試験問題(各予備校講師による解説が載っている)を購入したりしました。
■合格年とそれまでの違い
5回目の挑戦で合格できた年に対策した学習方法や(事後的に)できるようになったことなど、それまでと違いは下記のとおりです。
(1)解答プロセスが確立できた
(2)二次に使える一次知識を補充した
(3)設問、与件を読んだ際の想起力を高める練習をした
(4)記述力を高める練習をした
(5)事例解く際にSWOT分析してない→必ずを実施に変更
って、ふつー!みんな基本的なことばっかやな。
(1)解答プロセスが確立できた
よく見かける、解答プロセスを確立するという意味が、私は今一つ何のことか、どうするべきことなのかを理解しきれていませんでした。何すれば解答プロセスって身につくの?解答プロセスって一体何?っていう具合です。
「中小企業診断士 一発合格まとめシート」の著書である野網美帆子先生が、「中小企業診断士二次試験は国家資格のため、作問者が考える採点基準とする模範解答が必ず一つあります」と言っておりました。ということは、その模範解答に近ければ近いほど高得点になり、そしてそれは必ず与件分にヒントが書かれているため、そのヒントと一次知識を使って組み立てることがセオリーであり、それらを根拠に回答を組み立てていけば、ある程度の合格答案は、大体みんな似通ってくるものである、結局のところ、合格答案は1個に近づくものである。という説明が非常に腹落ちできました。
公式的な模範解答がなく、バラバラに答えが分かれる記述式試験なのに、なぜに解答プロセスが確立できようか、と思っていましたが、模範解答は公表されていないだけで存在はするし、合格レベルの力が身につけば、自ずとそこに寄せて記述できる試験である、ということを4回目にしてやっと実感できたのです。
そこで私は、「模範的な解答プロセス=合格者の思考様式」であるという結論に達しました。そのため、私はネットに出ている過去の合格者や、高得点者の回答を導き出した解説や、メルカリで集めた「二次試験合格者の頭の中にあった全ノウハウ」の事例4以外を熟読し、合格者が導き出した回答の思考部分(解答根拠)を研究しました。
そして、その根拠を参考に、自分でも再現できそうな過去問の回答を作り直すという作業をしました。(時間がかかり、直近5年分しかできませんでしたが)。妥当性があれば点数が入るだろうと考え、文章は必ず因果でつなぐことを心掛け、さらに自分の解答の根拠は必ず言えるように作成するよう練習しました。
基本的に与件に書かれていないことと一次知識でないことは書いても得点が入らないポエムでしかないと習いました。根拠を明確にして因果で繋ぐ解答作成を心掛けることで、何を根拠に何をかけばいいのか、という漠然とした不安が軽減されて、書くべきことが少しずつ理解できるようになってきました。
気付くの遅っ!ほんま、のろまのカメさんやな
(2)二次に使える一次知識を補充した
基本的に、事例問題は与件に寄り添い(=事例の内容を根拠に解答を組み立て)、根拠が見つからない場合や、中小企業診断士として~の設問では、一次知識寄りの解答になると思います。二次試験で使用する一次知識(企業経営理論)が不足していると感じたため、補充しました。(アンゾフとかポーターの競争戦略とか)
これは同友館さんの「全知全ノウ」を中心に復習しました。TBCさんの抽象化ブロックシートも、ツイッターなどで使用者が多く見受けられましたので、テキストを買ってみましたが、読む時間が足りずでほとんど使用できませんでした。事例1はご存じの方も多いと思いますが、特に組織、人事を中心に、企業経営の知識が問われることと、ほかの事例よりも与件のヒントが少ない事が多いため、最低限の論点は押さえておく必要があると感じました。
でも、与件飛ばして一次知識ばっかで回答してもよくないねんな
(3)設問、与件を読んだ際の想起力を高める練習をした
与件を読んだ際に、ただ単に文章を目で追って満足してしまう状態に陥りがちでした。読んだ後に・・はあ、で?っていう状態です。これは頭にも内容が入っていませんし、何度もあとから与件を読みかえす必要がありますし、何一ついいことがありません!
ユーチューブで解説していた先輩合格者のおすすめの勉強法として、設問だけで切り口とキーワードから想起して、書くべき文章の内容を導くというイメージトレーニングを行いました。また、与件は読みながら1~2行の長い文章(時には段落全部)を、一次知識の論点や解答に使えそうな簡単なフレーズに変換して、それをどんどん与件文の左右の余白に書き込む練習をしました。
それをすることで初見の問題でも、以前よりは頭の中に内容が入りやすくなり、切り口や論点、気づきが多くなるというメリットを享受できるようになってきました。また、過去問等の事例問題を解いた後は、キーワードや想起する切り口や論点や自分の気づき等を、事例ごとにエクセルにストックしておいて、その他のキーワードや切り口やフレーズを派生して想起できるようトレーニングしました。
また、中小企業白書のコラムにある企業事例を読むとよい、ということを耳にしましたので、1~2年分をさらっと読みました(これにはあまり時間はかけませんでしたが、、)。解答に使えそうなキーワードが沢山載っていたり、中小企業の課題のトレンドを学べたりと、一読しておいて損はなかったと感じました。この企業事例で試験を作問する場合、この論点で作問できそうだ、という作問者側に立ったイメージトレーニングにもなりました。
確かに二次対策で白書を使うっていう意味わからなかったな。。
(4)記述力を高める練習をした
圧倒的に、手を動かす練習が足りていませんでした。上手でなくてもいいので、採点者がストレスなくさっと読めるだけの丁寧な字を、できる限り早く記述するための練習です。(試験で殴り書きは厳禁のため)。2回目の二次試験の挑戦の際に、緊張と練習不足が原因により、事例1の試験では手が震えてしまい、枠の中に丁寧に文字が書けなかったという苦い経験がありました。
比較的綺麗に記述できる(気がする)0.2ミリのシャープペンを使用し、(実際の解答用紙と同じ)7ミリ角の方眼用紙を自分で作り、それに写経や記述練習をしておりました。思考停止状態での記述練習を回避するために、100文字記述の練習をしておりました。○○についてのメリットデメリットというお題を設定し、手を動かしていました。これは一次知識の復習も併せてでき、とても効率的な対策と感じたので是非お勧めです。
練習不足で過去の本試験事例4で電卓のキーがうまく押せへんこともなかった?
(5)SWOT分析は必ず実施
今となってはありえない話ですが、私は与件を読んだ際にSWOT分析をしていませんでした。事例2のSWOTの設問が来た際に、初めて意識して探しだす、みたいな感じです。言い訳にはなりますが、抽出したSWOTの抽出情報を、限られた時間内でどう整理したらいいかが解決できていなく(色ペンの使い分けなどが不器用でできなかったため)、問題放置のまま来てしまっていたという状態でした。
診断士のフレームワーク的に、強みは機会に生かし、弱みを克服しつつ脅威を回避する、という思考が事例問題を解く際の基本と実感してからは、必ず実施するようにしました。抽出した情報を結局どのようにしたかというと、カラーペン等でハイライトすることは結局できなかったため、シャープペン1本で、与件の該当部分にアンダーラインを引き、そこから左右の余白まで線を引っ張って、SWOTのアルファベットの1文字に丸をするという方法に落ち着きました。
SWOTやってないって、、。本当ありえへんし若干引くわー
一次試験に余裕があったわけではなかった私は、二次試験は毎回付け焼刃な対策になってしまい、一度冷静に原点に立ち戻って自己分析を行いつつ、5回目の二次試験にてなんとか合格に滑り込むことができました。今の時期に二次試験に注力できるかたは、余裕がある今だからこそ、一度立ち止まって冷静に自分のスタイルを見直ししたり、(時には少し遠回りする)こともおすすめさせていただきたいです。
■(おまけ)R4事例1オリジナル問題
最後に、令和4年の事例1与件を題材にしたオリジナル問題を掲載いたします。同じ与件でも違った角度から問題を考えることで、アウトプットの応用力が高まるのではないかと思います。答えは私の思考によるものを記載しておきますが、決して模範解答ではありません。作成したポイントとしては、与件や一次知識に寄り添えており、根拠に対して因果で文章をつなぎ、妥当性と納得感があれば6割は超えるだろう、という考えのもとに作っております。
ご自身の学習ペースに合わせて、記述するまではいかないまでも、解答の構成をざっくりと考えたり、与件分を多面的に考える等の思考トレーニングでご活用いただけたら幸いです。
最後に帳尻合わせ感たっぷりやな!
では早速第1問
第1問
A社は、2000年代半ばに法人化を果たしたが、どのような意図があったと考えられるか、100 字以内で述べよ。
こはの回答
意図は、①組織の起業家段階からの脱却を図り、組織整備や施策で新卒人材や既存社員を確保し、②信用力向上を目的とし、他社との協業の円滑化や多角化のための資金調達を行い、事業規模を拡大させるため。
考え方
→(一次知識から)組織のライフサイクルモデル、法人化のメリットを想起しました。一見、一次知識だけで回答が記述できそうな設問であるため、与件に書かれて要素を入れ忘れることがないよう注意しました。
→(与件から)離職率が高い、定着率が低い、同族経営のデメリット、同族経営からの脱却などをヒントに、昔から(大手中食業者等の)ビジネスパートナーとの協業の記述があるため、法人として信用力を高めて企業規模の拡大を拡大を図ることがA社の戦略に近いのではないかと思いました。少し①の因果関係は弱いでしょうか、、。
続いて第2問
第2問
A 社は、今後も地域に根ざした農業を基盤に据えつつ、新たな分野に挑戦したいと考えている。新たな分野に挑戦していく時の留意点は?100文字で述べよ
こはの回答
留意点は、①既存事業の農業や飲食店や加工工場とのシナジーが期待できる分野で、かつ、リスク分散効果が得られる新分野に挑戦し、②市場や競合を見極め、自社の強みを生かし差別化できる分野を選択すること。
考え方
「新たな分野」回答をフォーカスしてしまうとポエムになりがちな設問だとおもいましたので、与件に書いてある通りの路線をなぞりつつ、一次知識を用いてできる限り脱線しないように作成しました。
最後です。
第3問
常務の娘をA 社の後継者とした際の後継者としての課題とその対応は何か。100文字以内で述べよ
こはの回答
課題は、①農業の知識と経験の蓄積、及び次世代を担う新品種の開発、②農業従事者の定着率向上である。対応策は、従業員と実務を経験しながらノウハウを学び、同時に新品種の開発も進め、農業の柔軟な勤務体制を認める。
考え方
→(設問要求)A社の課題ではなく、後継者としての常務の娘の課題であることを間違えないよう注意しました。
→(一次知識から)リーダーシップ論等
→(与件から)後継者は農業が門外漢だが、農業部門は人的な管理を中心に、様々な問題を抱えている状況であると思います。農業の門外漢がいきなり会社の後継者になってしまうことで、農業部門に関わる従業員のモチベーションや、定着率のさらなる低減など、現在の問題がさらに拡大することが考えられます。農業部門はA社の中核であるため、問題の放置はいづれA社全体の経営問題に繋がるリスクであると考えました。そのため、経営トップ自らが、一緒に汗を流しながら知見を高めたり、労務体系を見直すことで離職率を低下させるなど、早急に農業部門を立て直すことが直近の課題であると考えました。
●こはから、おすすめの二次対策
自分の作成した答案を第三者に見てもらうことで、自分の弱点や思考プロセス等の新たな気づきが得られて、非常に高い学習効果が得ることができます。(普段独学寄りの方は特に)
タキプロでは、定期的に勉強会を実施しています。(オンラインで場所と時間を選ばないものもあれば、今年からはリアル勉強会も復活していますよ!!)タキメンに客観的に作成答案を見てもらうことで、効率的にかつ効果的に自分の実力を合格レベルに近づけられると思います。本試験前にぜひ一度参加されることをおすすめいたします!
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■おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました。
オリジナルの設問については、多分皆様のほうが高得点の回答を作れるとは思います。ただ、一番は妥当性と納得感のある因果関係の備わった文章を心掛けることで採点者を納得させる文章を作ることだと思います。(大コケさえしなければ、私のように高得点でなくても合格できますしね、、)
先はまだまだ時間がありますので、引き続き最終ゴールに向けてコツコツ頑張りましょう!元しくじり多年度生として皆様の合格を心より応援しています!
次回はおかえりさんの登場です。
お楽しみに!
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