【事例Ⅰ】忘れがちな前提をしっかり押さえて byうに
タキプロ14期の うに と申します。
今回は事例Ⅰについて書かせていただきます。
事例Ⅰのキーワードやフレームワークなどのテクニックは他のブログ等でも紹介されているかと思うので、私の記事では少し視点を変えて、そのひとつ前の解答の前提に着目してお伝えします。
「そんなの分かってるから今回のブログは読まなくても良いや!」と思ったそこのあなた!
そう思った人こそ試験前から意識して対策していないと、本番の緊張や焦りに気を取られてつい忘れがちになる論点です!
前提を無視した実現性に欠ける解答では得点を取るのは難しいので、地に足の着いた解答を作成するために、今一度、一緒に振り返ってみましょう。
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■3つの前提
事例Ⅰの解答を書く際に絶対に意識してほしいのは、以下3つの前提です。
- 中小企業の基本的な戦略は「集中と差別化」
- 「会社・経営者の意向」には沿う
- 「組織的な」観点で解答する
当然と言えば当然のことなのですが、それゆえに本番では疎かになってしまいがちです。
以降で一つ一つ確認していくので、ぜひこれらを念頭に置きながら対策を進めていってください。
■中小企業の基本的な戦略は「集中と差別化」
1点目の前提は、中小企業の基本的な戦略は「集中と差別化」である というものです。
2次試験の対象となる企業は中小企業です。(中小企業診断士の試験なので当然ですが)
基本的にヒト・モノ・カネと言った経営資源が多くないため、数に物を言わせて他企業との差別化を図ることはできないというのを考慮する必要があります。
例えば、中小企業A社の弱みとして、1つの取引先への依存度が高いことが挙げられるとします。
その弱みに対する解決策の記述として、以下のどちらが適切だと思いますか?
①様々な業界に対して営業をかけ、取引先を大幅に増やす
②A社の強みである○○を生かして、□□業界(△△を提供する企業)と取引する
ほとんどの人が②と答えると思います。
中小企業であるA社としては人材が豊富ではないことが考えられるため、むやみに営業をかけることは得策ではありません。
「強み」を生かして「集中」させることが王道であり、セオリーに忠実な戦略です。
例は少し大げさで直接的でしたが、このように中小企業の特性を意識した上で各問に解答することが大切です。
演習では自分が作成した解答に対して、与件文の企業の経営資源でそれが可能なのかを改めて考えてみてください。
■「会社・経営者の意向」には沿う
2点目の前提は、「会社・経営者の意向」には沿う というものです。
過去問を解いているとなんとなくわかると思いますが、与件文には経営者の思いや、会社としてどういう方針で進みたいかなどが記載されていることが多くあります。
現実世界の中小企業に対する助言では、経営者の意向に沿うことが最善ではない場合もあるかもしれません。
しかし、中小企業診断士試験で得点を獲得するという目的のもとでは、よっぽどのことがない限り経営者の意向を無視することはしないでください!
例えば、A社の意向として、「新商品の開発を進めていきたい」という記載があった場合に、「既存の事業領域にリソースを全投入する」というのを解答に入れるのはあまり良くないです。
直接的にA社の意向を問われているような設問でなくても、それに沿うというのを前提として頭に入れて置き、「新商品の開発をするためにリソースが割けるような組織戦略・人材管理」などのように提案するということを心掛けてください。
■「組織的な」観点で解答する
3点目の前提は、「組織的な」観点に繋げる というものです。
事例Ⅰは組織・人事についての設問になります。
そのため、組織的な観点を疎かにして、マーケティング的な戦略を記載してしまうことは避けるべきです。
さらに、ただ設問に対する解決策を提案するだけでなく、その効果まで記述することが大切です。
例えば、「人事評価を成果報酬型に切り替える」というだけでなく、
「人事評価を成果報酬型に切り替え、モラール向上を図る。」と記載します。
このように書くと、しっかり組織的な効果を見込んだ策を提案しているということが伝わり、内容のある解答となります。
■おわりに
今回は事例Ⅰを解くにあたっての前提を、改めて一緒に考える記事でした。
過去問を解くのに慣れてくると、このような前提は忘れがちになってしまいます。
キーワードやフレームワークは非常に有効なテクニックですが、この記事で記載したような前提を無視したままそれに頼ってしまうと、
「言っていることはそれっぽいけど、実現性がなくちゃんと考えられていないな」という解答になってしまいます。
地に足の着いた、採点者を納得させられるような解答を書けるようしっかり対策していきましょう!!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
次回は、そめ さんの登場です。
お楽しみに!
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