迷える子羊のための与件文・設問文の構造分析例 byたろー
タキプロ15期の たろー と申します。
今回は二次試験の組織や人事に関連する「事例Ⅰ」についての記事で、与件文、設問文の構造を整理してみました。
皆様の腑に落ちた部分を独自のノウハウの一つに取り入れていただけると嬉しいです。
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■はじめに~たろーの自己紹介~
名前:たろー
年代/性別:40代 男性
職種:製造業
受験歴:1次2回、2次1回
勉強時間:1次400時間、2次200時間
勉強方法:独学(多数の参考書に投資)
得意科目:なし(苦手科目の復習で精一杯)
私の二次試験勉強は独学でした。
某予備校で受験した一次試験模試の解説講義が肌に合わず、勉強時間も不規則だったためです。
ひとまずタキプロなどのブログやYoutubeで情報収集し、紹介されていた10冊近くの参考書に目を通しました。
ただし、試験当日まで自分に合った回答ノウハウを確立できませんでした。
そのため「迷える子羊」状態で試験に臨んでしまうことになり、不安を抱えながらの受験になってしまいました。
今回の記事は似たような状況の受験生の方々の不安が少しでも払拭できればと考え、合格後に編み出した内容です。
■私の悩みと解決策
試験勉強の中盤で私が難しいと感じていたことは3つです。
①SWOT部分に線を引いたけどうまく活用できない。
②高得点キーワードの理由が分からない。
③時間が足りない。
これらの解決策として以下2点が有効と感じたので今回紹介します。
・与件文、設問の構造を意識
SWOT分析の活用、内容把握時間の短縮につながります。
・高得点キーワードの特徴の抽出
1点でも多くの得点につながり、合格に近づきます。
■与件文、設問の構造を紐解く
1.与件文の構造
与件文には、経営者が事業の危機に直面しながら、うまく会社を存続させてきた歴史が書かれています。
その中でもポイントとなるのは、以下の図の「環境変化→危機→変革」の流れの部分です。
さらに後半の「変革」の部分に焦点を当てた設問が多い印象です。
※S:強み、W:弱み、O:機械、T:脅威、
風土:創業者の想い、企業理念、パーパス、事業コンセプトなど の意味です。
2.設問の出来事の整理
設問文の焦点になった出来事は以下の関係として整理できることが多いです。
問われ方によってどの部分の回答を求められているのかを理解することで、SWOT+風土のどの部分に着目するか絞れますので、時間が短縮できそうです。
例えば、
・なぜ○○になったのか:
問題点やその根本原因を回答する場合が多い
・どのように○○すればよいか:
課題や対策を回答する場合が多い
・助言を:
問題点やその根本原因をもとに、ある程度自由に改善案を回答する場合が多い
のように設問を捉え、回答の骨子をイメージします。
3.具体的な設問文の事例の構造
具体例としてR4年の事例Ⅰの設問2を挙げます。設問文は、
A社が新規就農者を獲得し、定着させるために必要な施策について、中小企業診断士として100字以内で助言せよ。
です。この設問文の出来事である「新規就農者の獲得、定着」に関連する情報は以下のように整理できます。
(ただし、試験中は時間がないため、文章→単語で簡略化するなどの工夫が必須です。)
そして今回は、「助言せよ」と書かれているので、与件文から引用するのではなく、自分の知識の引き出しも使いながら、ある程度自由に記載することを考えます。
事例Ⅰは組織・人事に関する問題ですので、「登場人物」や「業務」の中で、うまくいっていない関係性を修正することが求められていると、考えるようにすればいいと思います。
例えば、この設問の得点上位4つの項目は、以下のような関係性の改善と理解できます。
・人物x人物:新規就農者x地域の人⇒地域交流
・人物x人物:農業未経験者x先輩+会社の風土(職人気質)改善⇒OJT
・人物x業務:新規就農者x業務+会社の風土⇒企業理念、農業の魅力
・人物x業務:新規就農者x業務⇒マニュアル化
※今回は新規就農者が対象のため、業務x業務は無し
この関係性→改善案の引き出しは、以下のらいなすさんの記事や「中小企業診断士 2次試験合格者の頭の中にあった全知識(同友館)」が参考になりました。
事例Ⅰの引き出し集 by らいなす – タキプロ | 中小企業診断士試験 | 勉強会 | セミナー (takipro.com)
■より高得点の回答を目指すために
さらに、より加点を狙うには以下のポイントを意識すると良さそうです。
①回答の骨子(加点キーワード)はいずれも与件文の「SWOTのいずれか+風土」に対応させる。
⇒「SWOTのいずれか+風土」にマークし、その部分から骨子となるキーワードを選ぶ
②回答(骨子)には以下の特徴を持つ加点が高いキーワードを選ぶ。
・根本原因→課題・対策が1:1の関係
どの根本原因の対策なのかが明確なキーワードがよい(採点がしやすいためと推量。)
・A社風土に関係している(経営者の想いを汲んでいるなど)
③あるべき姿は改善効果※として回答する。
回答項目+改善効果⇒「○○により△△(改善効果)が達成できる」という書き方です。
■あと1点を得るために
某「ふぞろい」によると、本設問の場合は得点上位4キーワードから3つ書ければ大体ボーダーラインの6割で、まずはこのレベルを目指します。
さらに余裕があれば、4項目の記述を書き、難しいなら余白に「あるべき姿」を改善効果として記入します。
このように、可能な限り余白を埋め、1点でも多くの加点を狙う努力をします。
というのも、合否のボーダーラインは得点分布ピークの少しだけ高得点側にあります。
ピークに近いので多くの人が当落線上に存在しています。
この加点1点の積み重ねが、苦手科目の得点分布のピークを越える鍵だと考えています。
■おわりに
今回2018年~2022年度の5年分の事例Ⅰを分析して記事を書きました。
分析には一定の時間がかかりましたので、時間の限られた受験生にはおすすめできません。
そのため、先人の教えの中で自分にしっくりくるものをうまく取り入れる方法がいいと思います。
例えば、タキプロメンバーもそれぞれの思い入れのある取り組みについての記事を書いています。
是非ご活用ください。
受験生のご健闘をお祈りします!!
次回は、キニモン さんの登場です。
お楽しみに!
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