中小企業の基本戦略を理解して事例Ⅰを攻略する by Dadao
読者の皆さん、こんにちは。
タキプロ13期のDadaoと申します。
2度目の投稿になります。今回は事例Ⅰについて書かせて頂きます。
(私の以前の記事、自己紹介はコチラ)
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■はじめに
読者の皆さんは、事例Ⅰの戦略系の設問は、特に問題なく解答できるでしょうか。
概ね問題ないと思われる方は、この記事はどうぞ飛ばしてください(笑)。
そうでない方(私も戦略系の設問に少し不安がありました。)には、少しのヒントがあるかもしれませんのでお付き合い頂ければと思います。
「ファブレス化を行った理由」、「外部企業との関係をいかに発展させるか」、「主力商品を再び人気商品にさせた最大の理由」等、事例Ⅰは戦略分析問題が頻繁に出題されます。
与件文を読めば何となく解答が構成できそうですが、はっきりと理論が理解できていないと、複雑に構成された与件文に惑わされてしまい、何となくしっくりこない解答になってしまうかもしれません。
しかも1日の最初の試験という緊張の中での初見問題なので、解答がうまく組み立てられないと焦りますし、その問題が気になって簡単な設問への対応も不十分になり、結果として残念な点数になってしまったという経験を私も何度か経験しました。
そのような私でも何とか事例Ⅰで合格点をとれるようになったのは、事例企業(中小企業)の基本戦略を理解し、全体の方向性を意識するようになったからだと思っております。
大企業のような経営資源が潤沢にあるわけではない中小企業が取るべき基本戦略を理解すると、全体の方向性が見えてきて、設問で何が問われているか理解しやすいことが分かりました。
この中小企業の基本戦略に関して、読者の皆さんと共有したく思います。
■中小企業の基本戦略
中小企業の最大の特徴の一つは、経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報)が少ないことにあるかと思います。
その少ない経営資源の中で、企業として生き残っていかないとなりません。そのためには、A社特有の強み(VRIO分析等で明確にする強み)に集中しなければなりません。
まず、A社に1つも事業の柱がない場合(設立している時点で強み/特徴はあると思いますが、それが育っていない場合)は、まずは差別化集中戦略で事業を育てる必要があります。強みを徹底的に強化し、事業の柱にまで成長させて収益を得る、という考え方です。
一方、A社に既に柱となる事業があるならば、外部環境変化でその事業がダメになっても生き残れるように、既存事業とのシナジー等を考慮した新しい事業を育てる必要があります。いわゆる関連多角化によるリスク分散、という考え方です。
また、中小企業であるA社は経営資源が少ないので、自社のみで顧客のニーズに対応できない場合は、外部企業との連携によりニーズへの対応を図る必要があります。外部資源の効果的な活用という考え方です。
このような中小企業のステージや状況に合わせた基本戦略を理解し、対象企業はいまどのステージで、どのような方向に向かっているのかという全体の方向性を与件文から読み取ることで、設問に対し何を答えるべきなのかが、見えてくるような気がします。
もちろん、細かい環境変化や戦術に関する設問もあり、方向性だけでは設問要求に答えられないこともありますが、それでも答案全体を通して事例企業の課題解決につながることが完成形だと考えると、方向性に沿った解答ができると思います。
■中小企業の基本戦略・戦術(例)
・強みに経営資源を集中し、事業を育てる。
そのために、コア業務は自社のコア社員が担い、強みとなるノウハウを蓄積し、ノンコア業務は外部への委託や非正規社員の活用等で効率化を図る。
・コア商品やコア事業への過度な依存リスクを回避するため、シナジーを発揮できる事業へ多角化し、リスク分散を図る。
そのために市場変化や市場ニーズを把握できる営業部門の強化や、ニーズへの迅速な対応がしやすい組織形態(プロジェクトチームや事業部制等)を採用し、ニーズへの対応を図る。
・外部企業との関係性を構築し、様々な課題解決を外部企業との連携により達成する。
■おわりに
以上は少し成長戦略に偏った内容になりますが、経営戦略の1次知識の基本的な内容になるかと思います。
その1次知識を2次試験に応用する形で、基本戦略を事例企業の状況に当てはめることにより、全体の方向性や設問要求が理解しやすくなるのではと思われます。
もちろん、2次試験で問われる論点は多岐に渡るので、設問における作問者の意図を捉えられないことはあると思いますが、基本戦略の知識を活用し、まずは全体の方向性を把握することで、戦術面の展開も含めた一貫性を持った答案が作成できるのではないでしょうか。
以上、ご参考になれば幸いです。
次回はメッシさんの登場です。
お楽しみに!
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