事例Ⅱ 助言問題(ダナドコ)の考え方 by MOV

タキプロ15期の   MOV と申します。
9月も終わりますね。
月が変わったりする節目はなんだかそわそわするのは年のせいでしょうか?  
受験に向けて、みなさまもいよいよ感がましていると思います。
気軽にブログみて何らかのきづきがあれば幸いです

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■事例Ⅱとは

 さて、今回は事例Ⅱについてです
2次試験については、自分が一度ブログあげていましたので、参考にしてみてください。(聞き流しは有効だと思っております)

で、事例Ⅱについてですが、自分は、令和4年試験は71点、令和5年試験は58点でした。
得意不得意あるといいますが、自分はなにが得意でなにが不得意かはサッパリわかりません。
及第点にのってはいるので、大外れはしていないと思います。(サブスクは書けなかったです。。。)

事例Ⅱのレイヤーや3C、PEST、SWOTなどのフレームワークについては多くの方がわかりやすく解説していただいております。
今回は、診断士の独特のワード『ダナドコ』について掘り下げてみます。
(ダナドコって聞いて、んん?っと反応する人は、診断士か診断士の勉強している人です。)

■事例Ⅱの戦略フロー

事例Ⅱは、『マーケティング・流通を中心とした経営の戦略および管理に関する事例』です。
マーケティングについての話です。
マーケティング戦略などの事業戦略を含め各種戦略のフローはだいたいこんな感じと思います。

戦略フロー

 現状分析(内部・外部)
     ↓
 課題の抽出(問題点や向かうべき方向性の示唆)
     ↓
 戦略の立案対策実施事項の検討)
     ↓
 効果(測定)(目標や目指すべき姿との乖離を把握)

PDCAですね。

事例Ⅱの試験問題風にいうと、例えばですが(最近、お米もでまわるようになってきましたね)

雑貨屋さんの事例①

 現状分析
・米不足でニーズが高まり価格高騰(外部・社会的)
・周りはファミリー層多く子供さんのお弁当作るのに困っている(外部・Customer・ニーズ)
・最近、近くにホームセンターができて客離れが起きている(外部・Competitor)
・ウチは雑貨屋だけどコメは仲の良い農家からもらえるし在庫がたくさんある(内部・強み(弱み?))
・先祖代々、この地で商売してきた。地域の人々には助けられている(内部・ビジョン)
     ↓
 課題の抽出
・今後も近隣住民との関係性を強化していきたい
     ↓
 戦略の立案・対策実施事項
・昔の仕入なので、損はしない程度に価格は変えずに販売
・新聞折込いれて、折込持参の方に販売して、地域の方に喜んでもらう
     ↓
 効果(測定)
・米以外も買ってくれて、その後もちょいちょい買いに来てくれるようになった

こん感じでしょうか?

で、ここで、ビジョンを変えて、課題から効果まで考えると

雑貨屋さんの事例② ※ビジョン違い

 現状分析
・米不足でニーズが高まり価格高騰(外部・社会的)
・周りはファミリー層多く子供さんのお弁当作るのに困っている(外部・Customer・ニーズ)
・最近、近くにホームセンターができて客離れが起きている(外部・Competitor)
・ウチは雑貨屋だけどコメは仲の良い農家からもらえるし在庫がたくさんある(内部・強み(弱み?))
・雑貨屋は競合厳しいと感じている(内部・weak)
     ↓
 課題の抽出
・雑貨以外の売上を作る必要がある
     ↓
 戦略の立案・対策実施事項

・(米をつかって)お弁当の販売して雑貨以外の商売をする
・コメの在庫を利用してご飯大盛で、米需要のニーズに応える

     ↓
 効果(測定)
・お弁当の新規参入に対して、ニーズをとらえることができた

こんな感じになろうかと思います(すみません、パッと思いつきなので見解の不一致があるかもしれません)
ビジョンが変わると戦略も変わります。ビジョンって大事。

そして、課題・戦略が現状とずれているパターンを。

雑貨屋さんの事例③ ※課題・戦略 ビジョンとのずれ

 現状分析
・米不足でニーズが高まり価格高騰(外部・社会的)
・周りはファミリー層多く子供さんのお弁当作るのに困っている(外部・Customer・ニーズ)
・最近、近くにホームセンターができて客離れが起きている(外部・Competitor)
・ウチは雑貨屋だけどコメは仲の良い農家からもらえるし在庫がたくさんある(内部・強み(弱み?))
先祖代々、この地で商売してきた。地域の人々には助けられている(内部・ビジョン)
     ↓
 課題の抽出
・米ニーズと客離れへの対応
     ↓
 戦略の立案・対策実施事項
・ネット通販を利用して、需要をとらえ販路を拡大する
・惣菜メーカーに卸して、販路拡大・売上拡大

     ↓
 効果(測定)
・販路は拡大し売上も増加した。

設問の仕方にもよりますが、試験ではこの回答だとあまりいい点がつかないと思います。
地域の人々をないがしろにしてしまっています。
ビジョンを捉えずに、課題と戦略を立ててしまっているので、少しずれがあります。(まぁ、これはこれでありじゃないかとも思いますが。)
与件の情報をうまくつかって、戦略を立てることが点数アップにつながると思います。

もう一つ

雑貨屋さんの事例③ ※戦略ずれ

 現状分析
・米不足でニーズが高まり価格高騰(外部・社会的)
・周りはファミリー層多く子供さんのお弁当作るのに困っている(外部・Customer・ニーズ)
・最近、近くにホームセンターができて客離れが起きている(外部・Competitor)
・ウチは雑貨屋だけどコメは仲の良い農家からもらえるし在庫がたくさんある(内部・強み(弱み?))
・先祖代々、この地で商売してきた。地域の人々には助けられている(内部・ビジョン)
     ↓
 課題の抽出
・今後も近隣住民との関係性を強化していきたい
     ↓
 戦略の立案・対策実施事項
・ネット通販を利用して、需要をとらえ販路を拡大する
・惣菜メーカーに卸して、販路拡大・売上拡大

     ↓
 効果(測定)
・販路は拡大し売上も増加した。

もはや、なんだかわかりません。
ニーズの高まりと客離れからすれば、この戦略も間違ってはいないと思いますし、
ビジョンから課題の抽出もできています。
しかし、課題と戦略があっていません。
この思考ループに陥るとなかなか戻せません。

ただ、限られた時間の中での実際の試験では、部分的なところに引っ張られてこういう回答になってしまうことがあります。
(あとで考えればわかるのですが、、、)

戦略は、現状分析から課題を抽出し、目指すべき姿になるよう、戦略の立案する、一連の流れを大事にしたいです。

■助言問題≒戦略立案 ←ダナドコ

実際の試験問題では、いわゆる助言問題として戦略の立案が問われます。
この際に、ダナドコを意識して回答すると点数につながると言われています。
ダナドコは診断士特有のワードですが
一般的には、5W1Hとか8W3Hなどの情報伝達、問題改善のフレームワークに似ています。
5W1Hは、When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)
ですが、
ここにコウカを加えたものが、ダナドコになるイメージです。

令和5年 事例Ⅱ 第3問

女子の軟式野球チームはメンバー獲得に苦しんでいる。B社はメンバーの増員のために協力することになった。そのためにB社がとるべきプロモーションやイベントについて、100字以内で助言せよ。

このような設問の場合、プロモーションやイベントの内容を記述するだけではなく、
『~によりメンバー増員を狙う。』(12字)とか
『~し、メンバー獲得する。』(10字)とか
の効果を記述すると文章がしまります。

■ダナドコのダ

ダレ
です。おおよそ人です。しかも顧客です。(事例ⅡではBtoCが主体だと思いますので消費者が多いです。)
何かの効果を上げるための対象です。BtoC の toC側です。
顧客といえば、
3CのCustomerだったり、
STPで切り分けられたりする人です

男性 50歳 子供独立して、自分の趣味に励む
女性 30歳 子供生まれて、郊外に引っ越した

みたいな人たちです。
内部・外部の現状把握により把握するので、与件文や設問での記述は多くあります。
そして、もっとも重要な点は、ニーズやウォンツです。
ニーズも与件や設問に記述されることもありますが、戦略施策に対して類推することもあります。
類推する際には、与件情報や施策とリンクするように心がけます。

■ダナドコのナ

ナニヲ
です。ちょっと曲者です。商品とかサービスとかです。
何かの効果をあげるための資産です。BtoC のB側です。
商品とかサービスとかでいえば、
4PのProductやPrice
SWOTとかが切り口になります。

得意な裁縫の技術を活かしたデザインユニフォーム
個人情報DBを活用し体系や能力に合わせた特注品提案サービス

とか、だいたいSを活かしたものです。

また、自社のリソースだけではなく、外部リソースも利用します。
自社の強みはほとんど与件に記載がありますが
外部リソースは、与件に具体的な記述がなく類推させたり、協業の方法を問われたりします。

試験では、外部リソースを利用するケース(協業)が多く設問されます。
協業は、自社のリソースが不足していたり強みをより活かせる形が理想です。

令和4年 事例Ⅱ 第2問

B社は、X県から「地元事業者と協業し(中略)、製造加工技術力を生かして新たな商品開発を行うことにした。商品コンセプトと販路を明確にして、100字以内で助言せよ。

『■■に対し、○○のコンセプトのもと□□との協業による商品を開発し、△△の販路を拡大させ、一次産業の活性化につなげる。』
みたいな感じでしょうか?(設問だけで記述しておりますので、与件情報とあわせて組み立ててください)
 ナニも与件情報や施策とリンクするように検討します。

■ダナドコのコ

コウカ
です。戦略フローの目指すべき姿や目標です。
なぜ、ナの次にコをもってきたかというと、、、ドが一番の曲者だと思いますので、、、あとまわしで。

事例Ⅱでは、効果については売上の拡大です。
利益増加(費用削減)の話はあまり出てこない気がします。
売上拡大を因数分解したものが効果として記述する内容になりえます。

販路拡大・販売力強化
知名度の向上
地域経済の促進
ニーズに応える
メンバー獲得
関係性強化

みたいな感じです。
キーワード集のようにリスト化する事も有効だと思います。
(自分は、リスト化していました。)

■ダナドコのド

ドノヨウニ(ドコデ)
です。戦略の具体的な施策です。曲者です。
よくいわれている、『ポエムにならないように、、、』とか、『現実と試験とは違う、、、』とかいうのはここの部分だと思います。
なぜなら、
1.与件や設問にほぼ記述がなく
2.具体的なフレームワークがあまりなく
3.施策はいろいろ存在する
からだと思います。

例えば、

令和4年 事例Ⅱ 第4問

B社社長は、(中略)
家庭での食に関する家事で最も簡便化したい工程は、「献立の考案」29.4%、「調理」19.8%
(中略)とのことであった。

この設問の場合だと、「献立の考案」のニーズに対しての施策は
 ・オリジナルレシピの提供
 ・利用者のレシピ投稿の共有
 ・ミールキットの販売
 ・調理品の販売
などがあろうかと思います。

前述のダレやナニ、そしてコウカをつなぎあわせる必要があります。
例えば、
料理人がいる強みがあれば、オリジナルレシピは有効です。
今後、継続的に利用してもらう狙いがあれば、レシピ投稿の共有は持続性がありそうです。

逆に、毎日日替わりのレシピを提供などとしてしまうと、なんだかすごそうな施策提案ですが
毎日とか今の人員でできる?提供方法は?とかどういうリソースがあってそれが実現可能なのか?という懸念がでてきてしまいます。

助言問題は、どのように(施策)がほぼ問われます。
 ダレやナニを活かして、課題に対する効果や会社のビジョンとうまく整合性をとって
 助言された側が疑問に思わず納得できるような
回答をすることで、点数にも好影響をもたらすと思います。

再度書きますが、
 是非、現状分析から課題を抽出し、目指すべき姿になるよう、戦略の立案する、
の一連の流れを意識してみてください。

■おわりに

というわけで、事例Ⅱに対する自分の考え方でした。
持論ですので多くの著名な方のご意見とズレているとこもあろうかと思いますが、部分的にでも参考にしていただけたら幸いです。
2次の試験が終わるまで、自信をもって臨んでいただけたらと思います。

【余談】
先日、仕事の上で診断士の試験を目指している方と出会いました。
社内と社外と。
自分は、診断士の試験に受かった(登録はまだしておりません)ことは自ら公言していないのですが、
会話の中で、『自分、去年の試験には受かってたです。』とお話させていただきました。
お二方、是非、合格に向けて頑張ってください。(わからないと思いますが)

次回は、ビビタク さんの登場です。 

お楽しみに! 

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