事例Ⅱの切り分け間違い防止策 byマーティー
読者の皆様、初めまして!
タキプロ12期の「マーティー」と申します。今回は二回目のブログです。(前回の合格体験体験記と自己紹介はこちら)。今日は事例Ⅱのノウハウとして、私が訓練したことを書きました。よろしくお願いします。(1に訓練2に訓練。診断士の技術を身につける。)
■はじめに
切り分けの必要性
切り分けの間違い例;競争戦略を問われているのに、個別戦略を答えてしまった。このような間違いを犯すと、その設問は「0」点になります。大事故です。ここからの挽回は、非常に困難です。細心の注意が必要です。
切り分け失敗の防止策
この大事故を防止する方法として、一言で言えば、「題意を正確に、素直に、掴む」と言うことになります。しかし、それができれば、苦労はないですね。今日は、題意を掴む方法を1つご紹介します。
■「時系列SWOT」と活用手順
設問を企業経営理論で勉強した「戦略策定プロセス」に当てはめると、試験委員の題意を掴みやすく、切り分けの判断根拠として、有効です。下図は、事例Ⅱ用に個別戦略のところを4Pにした、戦略策定策定プロセス」に各設問番号を記入した例です。ただ、私はこれだけではしっくり来ず、うまく使えませんでした。
さらに下図の「時系列SWOT」をご覧ください。(私が考えた事例の与件文の情報整理に活用したフレームです。)
時系列SWOT
右側に、戦略策定プロセス、左側に、会社の成長過程の時系列、真ん中に、SWOTを配置しています。そして、現在に、赤線を引きました。この「時系列SWOT」は、与件文の構造そのものです。もし、あなたが事例問題を作問するとしたら、このテンプレートは非常に有効だと感じるはずです。何度も事例を解いているうちに与件文に一定のパターンがありそうだと感じ、整理して編み出しました。
時系列SWOTの活用手順
各設問を解釈したあと、試験問題用紙の余白部分に簡略化した「時系列SWOT」を記入し、下図右側の「戦略策定プロセス」に該当する設問番号を記入します。この時、設問の内容に応じて微妙に記入場所を調整します。例えば、、、
第一問は、ドメイン定義と内部と成長戦略に跨がるようにしています。ここは、創業から成長段階であり、きっと、強みと機会が解答になるはずです。
第二問は、外部と成長戦略と個別戦略に跨らせて記入しています。ここは、成長から変化の段階なので競合が出てきたり、変化に対応できず弱みが目立ってきたりしている状況が解答になりそうです。
第三問は、赤線上で、個別戦略とドメイン定義再定義に跨っています。ここは、今、個別戦略に限界が生じており、その問題点から課題を設定して、解決してゆくことが解答になりそうですね。
第四問は、個別戦略に記入されてます。ここは、強み✖️機会で具体的に何をするかを解答する感じですね。
第五問は、成長戦略に記入されてます。ここも機会✖️強みなのですが、具体的ではなく、第四問とレイヤーを分けることが解答に求められることがわかります。
実は、各設問は、以下の通りでした。
- 第1問:これまで成長できた理由
- 第2問:競合対策
- 第3問:事業体制、その問題と課題
- 第4問:具体的な販促策
- 第5問:今後の成長戦略
どうでしょうか?各設問の題意が見えてきませんか?与件文を読む前に結構想定ができるものでしょう。この事前の想定のことを「設問ストーリー」と言ってました。この「設問ストーリー」を持って、与件文に入って、確認してゆくのです。与件文に解答を探しにゆくのです。
■戦略とその付帯知識の整理(使えるようになること)
また、「事業戦略上では、この知識を使う。個別戦略上では、この知識を使う。逆に、この知識は、事業戦略で使う。この知識は、個別戦略で使う。」もし、あなたが、各戦略とその付帯知識の整理が出来ているなら、切り分けは、さらに容易になります。(付帯知識とは1次の知識です。1次のキーワードです。)
以下、設問ストーリーに付帯する知識の記入例です。
- 第1問:これまで成長できた理由 → コアコンピタンス、顧客の評価(強み)
- 第2問:競合対策 → 差別化集中、VRIOのI(模倣困難性)
- 第3問:事業体制、その問題と課題 → バリューチェーンの不調和、コニュニケーション不足、機能別組織の限界、社長の業務集中から権限移譲、モチベーション、従業員の高齢化、中核人材不足
- 第4問:具体的な販促策 → SNS等ネットを活用した販促、口コミによる顧客拡大、リアルの展示会、ショウルーム
- 第5問:今後の成長戦略 → アンゾフのマトリクス、関連多角化、コアコンピタンスの磨きあげ、新分野展開
「切り分け」というより「付帯知識の確認」の方が実際的
「設問ストーリー」&「付帯知識の記入」まで想定したあとに、与件文を読み始めてください。そうすると、与件文は、「読む」のではなく、「探す」作業に変わっていることに気づきます。設問ごとに想定した付帯知識と与件文を対応させてゆきます。この作業は、戦略レイヤーの切り分けというより、むしろ、設問と解答する付帯知識の対応付けであり、まさに、確認と言えます。
■まとめ
切り分け失敗による大事故を起こさない方法として、
- 時系列SWOTの戦略策定プロセス部分に設問番号を記入
- 付帯知識を書き出す
- 設問ストーリーを想定する
- 与件文で、付帯知識の確認をする
このような手順を踏むことで、事故防止になります。 とはいうものの、本番試験のときには「時系列SWOT」フレームを書いたり、そこに設問番号を記入したり、そこに1次の知識を書き出したりは、しませんでした。この方法で何度も事例を解いているうちに、「時系列SWOT」が滲み込んできますので、最終的には設問文の下も余白に1次の知識を書き出すだけになりました。 以上より、考え方として、「時系列SWOT」「戦略策定プロセス」「設問ストーリー」を理解、また、使えるように訓練すること。それにより、与件文を読むのではなく探しに行くようになることができるようになると、自ずと、切り分け失敗事故がなくなると思います。結局、2次試験は1次試験の知識を実際に使えるか!を問う試験です。使えるように訓練する方法として、ご参考にしていただければ幸いです。
次回ははまんさんの登場です。
お楽しみに!
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