事例Ⅱオンライン活用問題の解き方 by たくまる

はじめに

読者の皆さんおはようございます。前回の記事では1次試験の財務・会計について書かせてもらいました「たくまる」です。
自己紹介はこちらをご覧ください。
今日で2次筆記試験までちょうど60日です。2次試験を受験される方は学習計画がまとまって、リズムができてくる頃ではないかと思います。試験日まで2ヵ月しかありませんので、時間を無駄にせず頑張ってください!

事例Ⅱ解答の基本

他のタキメンも書いておりますが、2次試験では複数ある設問で解答の一貫性に注意する必要があります。事例Ⅱでは、設問1でSWOT分析や3C(顧客、自社、競合)の視点から環境分析を問われ、設問2、3で課題を設定し、最後の設問で具体的な解決策を提案する流れがよく見られます。

また、解答は公平公正に採点されるはずですから単なるアイデア勝負ではなく、根拠ある解答を書かなければいけません。主に内部環境が問われる事例Ⅰ、Ⅲに比べて、顧客ニーズを想定する過程で想像の入り込む余地が多きいので、注意しないと突拍子のない解答をしてしまいます。

的外れな解答を防止するためなのか設問に条件を付けられる場合が多く、「顧客の関与を高めるため」(令和2年度第3問設問2)、「デザインを重視する既存顧客の客単価を高めるため」(令和元年第2問)などが挙げられます。これらの条件に準じないと大幅に減点されるおそれがあります。

オンライン活用の論点

近年の事例Ⅱでは少なくとも1問はSNSや自社オンラインサイトの活用に関する設問が見受けられます。

試験年度設問事例企業設問の要約
令和2年度第3問設問2ハーブを生産する農業生産法人顧客の関与を高めるために、自社オンラインサイト行うべきコミュニケーション施策
令和元年度第2問ネイルサロンインスタント・メッセンシャーを用いて、デザインを重視する既存顧客の客単価を高めるための情報発信
平成30年度第3問歴史ある町の老舗旅館インターネット上での好意的なクチコミをより多く誘発するための、従業員と宿泊客との交流を促進策
近年のオンライン活用問題

オンラインを活用した取り組みは経営資源の限られる中小企業でも現実的に実施しやすく、また顧客個人とのきめ細かいコミュニケーションを行うSNSが差別化集中戦略や地域密着などの中小企業が採用しやすい戦略と相性が良いため、オンライン活用の論点が目立っていると考えられます。

オンライン活用の解き方

設問要求として「オンライン」という道具を使うことが指示されていますが、単に「自社オンラインサイトで情報発信をする」や「SNSで顧客と交流する」のような当たり前のことを書くのではなく、事例企業に合わせて解答を膨らませないと文字数が不足しますし得点が伸びません。誰に、どのように「オンライン」を活用して、どのような効果が得られるのかという視点が大切です。

その際に、設問要求や事例企業の事業戦略(強み、機会)、1次試験で得た知識を手掛かりに深堀すると解答を引き出しやすくなります。

双方向コミュニケーション

1次試験で学習したSNSの特徴として双方向のコミュニケーションがありますが、その効果として顧客の製品やサービスに対する評価を直接収集して製品開発やサービス向上に活かせる点や、顧客の不満を早期に解消してネガティブなクチコミを防止できる点が挙げられます。

また、顧客ロイヤリティの向上とのSNSでの投稿はフォロワーを通じて拡散しやすいためクチコミの誘発に繋がります。

リッチなコミュニケーション

SNSでのコミュニケーションが当たり前になっている昨今だと気が付かないのですが、チラシやメルマガなどの既存広告媒体に比べて、SNSでは動画や写真、アンケートなど質の高いコミュニケーションが可能になります。このことを覚えていると、令和元年度試験のネイルサロンにおいて「デザインを重視する既存顧客」という設問要求に対して施術後のネイルのイメージを写真やイラストで伝えるという解答を導けます。

弱みの補完

事例Ⅱで使われる顧客へのアプローチ方法としてプッシュ戦略/プル戦略やインストア/アウトストアの切り口があります。事例企業が従来行っていなかったアプローチ方法をオンライン活用で補完する視点も有効です。
たとえば、平成30年度試験の老舗旅館においては旅館における従来の接客(インストア)に加えてSNSを活用したオンラインでの交流(アウトストア)を行うことでより顧客との関係性を強化する提案ができます。
また、令和元年度のネイルサロンにおいては顧客に直接インスタント・メッセンジャーによりタイムリーで顧客に合わせた情報発信(プッシュ戦略)をすることでクチコミ頼みだったマーケティングを補完する提案ができる。

まとめ

事例Ⅱではアイデア次第でどんな解答でも書けてしまうので、SWOT分析でまとまった強み、機会からどれを採用するべきか試験中に悩ましく思う場面があります。オンライン活用に関する設問に対しては与件文中で採用するべきキーワードがわかりやすいため、その点では取り組みやすい設問であると言えます。

しかし、1次試験で得た知識を応用するだけでは一般論に終わってしまうため得点が伸びません。
もう一歩得点を伸ばすために、事例企業のマーケティング戦略との一貫性やプッシュ/プルまたはインストア/アウトストアのバランスを意識した解答を心がけてみてください。

次回はあらこうさんの登場です。
お楽しみに!

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