事例Ⅱは与件に散りばめられた伏線を回収する!byちーこ

事例Ⅱ

みなさん、こんにちは。
タキプロ13期のちーこです。

タキプロ13期として活動を始めてから2回目のブログです。
今回は二次試験の事例Ⅱの対策について、R3年度の再現答案とともに、どのように解答を組み立てたかを紹介したいと思います!
これからR3の過去問を解く方は解いてから読んでいただければと思います^^!

■事例Ⅱ 全体の対策について

事例Ⅱはマーケティング・流通に関する問題です。

私はR2、R3年と2回二次試験を受験しました。
R2 74点A判定 
R3 70点A判定

と2年とも得点源になっていました。

事例Ⅱに関して私の思うところは↓のような感じでしょうか。

1)事例Ⅱは一番基礎知識がなくても与件文の内容を使って解答のできる事例です。(実際に1年目は勉強時間2か月程度でした・・)
逆に知識がありすぎると、与件文から類推に類推を重ねて解答を作ってしまい低得点になる可能性があります。
あくまでも試験のため、1回のヒアリングで聞けたこと(与件文)の中にある経営資源から助言を考えることが重要だと思います。

2)ミステリー小説のように、与件文のあちこちに伏線が散りばめられています。それを丁寧に回収していくように解いていきましょう。

3)施策を考える設問はその施策により、何が増え、売り上げ増につながるのかを必ず意識しました。
単価UP、頻度UP、客数UPのどれかです。単価は単純な商品値上げではなく、抱き合わせ販売などで客単価を上げる視点で考えていました。

4)制約条件は必ずチェックしましょう。
(例:R2年の問2で「ハーブYの乾燥粉末の新たな取引先を探している。」にも関わらず、安眠効果のあるハーブのターゲットの20代~50代大都市女性層をターゲットとして解答してしまう。)

余談ですが、私は2年目は問題用紙にラインマーカーで線を引くことをやめて、全てシャーペンでの書き込みにしました。
どうしても色があるとそこに目が行ってしまい、ひいていない部分にあったヒントを見落としてしまう可能性があるためです。

2年目はMMCの通信生として、答練と模擬試験を解くことで勉強を進めていました。
MMCは高得点答案を目指すよりも60点を確実に取れるように多面的に書いていくという方針なので、その上で再現答案を見ていただければと思います!
ちなみに再現度は70%程度です。

それではR3年度の事例Ⅱ「噂の豆腐丼」を読み解いていきましょう。

■問1 後続の問題につながるような解答に

問題

2021年(令和3年)8月末時点のB社の状況を、移動販売の拡大およびネット販売の立ち上げを目的としてSWOT分析によって整理せよ。(各30文字)

制約条件をまずはチェック!
1)時期は2021年8月
2)移動販売の拡大及びネット販売に関わるSWOTで解答すること


解答
S: 地元産大豆にこだわった豆腐製品とフランチャイジーの商品説明力
W: EC販売のノウハウ不足。主婦層顧客の既存リストの少なさ
O: 豆腐丼への需要。自宅での食事にこだわりをもつ家庭の増加
T: 人的接触やイベントの制限 。豆腐ECサイトの競合の多さ

ひとこと
与件を最初に読む際に、SWOTに当てはまりそうな部分には線を引き、上にS,Wなどを記入しておきました。
その中から制約条件にあうものを取り出し、単語で並べ文章にしていきました。
30字と文字制限も厳しかったのですが、各項目1つずつの視点では解答として弱いと考えたため、2つ入るように名詞化しています。
また、そのあとの設問で考える施策で回収できるかも考えました。弱みや機会に挙げたのにちっとも活かされていない!とならないようにです。

S
商品力は必ずチェックする。
ほかにもEC販売力のあるY社とのネットワーク等も考えましたが、特に際立っていたのはフランチャイジーの販売力であり、今後の移動販売の拡大にも必要不可欠になると考えたので、Sにしました。

W
前半は、「自社の受注用サイトを作る計画もあったがノウハウもなく」という記述からEC販売のノウハウ不足としました。(与件の中にもECサイトという表記があったので、ECという言葉は使ってよいと判断しました)
後半は「同市の年齢分布を踏まえると主婦層の顧客が少ないという課題を抱えつつ、移動販売は高齢層への販売を伸ばし続けていた」という記述から考えました。課題という言葉が明確に出ており、移動販売に関する記述でもあったため主婦層を取り込めれば客数増で売り上げ増となると考えました。

O
ここは正直ちょっと外したと再現答案を作っていて感じています。
ただ、「~の声」や「~が増え」などは機会のヒントなので積極的に拾いました。
前半は「豆腐丼を惜しむ声が複数顧客から寄せられた」とあり、問2の施策で豆腐丼セットの販売を書く予定だったので盛り込みました。
後半は「自宅での食事にこだわりを持つ家庭が増え、主婦層にも人気を博している」という部分から考えました。問4で施策も書くためOに入れておこうと思いこのような解答にしています。

T
制約条件から、今まさに直面している脅威として、コロナに関することは必ず書くべきだと思い前半部分を書きました。
根拠は「新型コロナウィルス感染症の蔓延に伴い~」という部分です。
後半は「全国に多数展開される豆腐ECサイト」という表記から競合の存在は脅威であるため解答に組み入れました。

■問2 制約条件に必ず従うこと!

問題

B社社長は社会全体のオンライン化の流れを踏まえ、ネット販売を通じ、地元産大豆の魅力を全国に伝えたいと考えている。そのためには、どの商品を、どのように販売すべきか。ターゲットを明確にしたうえで、中小企業診断士の立場から100字以内で助言せよ。

制約条件をチェック
1)ネット販売
2)商品は地元産大豆に関わるもの
3)ターゲットを必ず書き、商品、販売方法も盛り込む

解答
全国の食通や自宅での食事にこだわりのある人々をターゲットに、X市産大豆の手作り豆腐セットやY社の米とコラボした豆腐丼セットを販売する。
ECサイト上に原材料のこだわりやレシピ情報を掲載し販売促進をする。

ひとこと
初めに問題用紙の空ページに「だれに、何を、どのように」と書き、箇条書きで埋めた後文章にしています。

だれに
他候補として自宅での食事にこだわりを持つ主婦層も考えましたが、問4があるので除外。
今ECサイトで買っている人はだれか?と探したときに、ECサイトで成功しているY社に関する段落で「全国の食通を顧客として獲得し」という記述があったのでターゲットにしました。

何を
競合のECサイトとの差別化を図るには、同じ手作り豆腐セットという商品でもX市産大豆という付加価値をつけること、また、豆腐丼を惜しむ声から豆腐丼は人気が高く、Y社は様々な企業とのコラボ実績がある上に、「X市の魅力を全国に」というマインドがありコラボも持ち掛けやすいだろうと考え豆腐丼セットとしました。

どのように
ECサイトではレシピなどを~と書きましたが、これは答練を重ねるうちにできてしまった書き癖でした。Y社のECサイト上で売らせてもらうとすべきだったと今では思っています。なんせノウハウがないので・・・

■問3 フランチャイザー?ジー?は間違えないように!

問題

B社のフランチャイズ方式の移動販売において、置き配を導入する場合にそれを利用する高齢者顧客に対して、どのような取り組みを実施すべきか。中小企業診断士の立場から、(a)フランチャイザー、 (b)フランチャイジーに対して、それぞれ50字以内で助言せよ

制約条件
1)ターゲットは高齢者
2)フランチャイザーがa フランチャイジーがb

解答

フランチャイザー

置き配の情報を伝えるため顧客リストの高齢者にDMを送付する。冷蔵ボックスの設置サービスを開始する。

フランチャイジー

来店前の通話時に置き配対応できる旨を伝える。販売時にB社作成のチラシを封入し口コミを促進する。

ひとこと
私は与件を解く前に問題を読むのですが、この問題を読んだときに「ザーとジーどっちだっけ・・・」とかなり焦りました。
その後与件文の中でそれぞれがどの立場化明確になっていたので一安心し、解答欄を間違えないように答えました。

この問題は、ザーは販売支援、ジーが実地販売が領分であることを忘れずに解答することが肝だと思います。
与件文の中にも「フランチャイジーは担当地域での販売に専念し、B社はその他のマーケティング活動、支援活動を担当する」と明確に示されているため、これに則り解答しました。

フランチャイザー
高齢者の立場に立って置き配の利用を考えたときに、まずは認知をしてもらうことが重要だと考え、DMの送付で顧客を再獲得することを盛り込みました。
また、利用するためには冷蔵ボックスを自分で用意しなければならないとするとなかなか重い腰が上がらないだろうと考え、冷蔵ボックス設置サービスで高齢者の利用障壁を撤廃し購買に繋げようと思いこの解答にしました。

フランチャイジー
販売に集中するために今できることの範疇を超えないことを意識しました。
制約条件上高齢者がターゲットのためIMの利用は敬遠されていることから外しています。
また高齢者は電話で知り合いを呼び井戸端会議をするという記述から、高齢者の口コミネットワークが機能していると考え、既存顧客へチラシを渡すことで「こんなのあったわよ~」という口コミを呼べないかと思い後半部分の記述としています。

■問4 与件冒頭にも伏線が隠されている

問題

B社ではX氏周辺の主婦層の顧客獲得をめざし、豆腐やおからを材料とする菓子類の新規開発、移動販売を検討している。製品戦略とコミュニケーション戦略について、中小企業診断士の立場から100字以内で助言せよ。

制約条件
1)ターゲットは主婦層
2)商品は豆腐やおからを材料とする菓子類の新規開発

解答
製品戦略は商店街の和菓子店とコラボし菓子類の開発や出来立て豆腐の種類の拡大。コミュニケーション戦略はWEB受注対応強化や、各家庭のこだわりにあった提案、和菓子店とのコラボ試食会を行い、顧客数・単価・頻度増を目指す。

ひとこと
この問題は外したな~と思っています。
外したと感じたポイントは、コロナなのに和菓子店とのコラボ試食会を提案していること、制約条件に商品は菓子類とされているのに、出来立て豆腐の種類の拡大と余計なものを盛り込んでしまったことです。これは試験後すぐにやってしまったと落ち込んだ部分です・・・

しかし、この問題は与件文冒頭にちらっとだけ書かれている「新しい素材を使った菓子で人気を博す和菓子店の店主」の存在に気が付けるかどうかが重要だと思っており、これに気づけたことは部分点になっていると思います。

私はよくありがちなのですが、与件の冒頭は簡単な概要だけだと思ってあまり深く読み込まずに読んでいませんか?
こんな冒頭に伏線を隠している場合もあるので、与件を読むときには気が抜けないですね・・・

■おわりに

長くなってしまいましたが、とにかく事例Ⅱは与件の中の根拠を使いつくして、解答するようにしていました!
こんなふうに考えるんだな~と思っていただければ何よりです。
予備校の解答例は80分以上時間をかけてじっくり解き、かつ複数人のベテランの知恵の詰まった解答ですのでそれと全く同じに書けなくても落ち込まないでくださいね!80分でできることなんてこんなもんです。


次回はわぎーさんさんの登場です。
お楽しみに!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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