【事例Ⅲ】72点(R4)前年から20点アップのポイントとは? by HIRO
読者のみなさんこんにちは。タキプロ14期のHIROです。
今回のテーマは、事例Ⅲです。特には、生産管理に苦手意識を持ち、多年度で奮闘している2次試験2回目以上の受験生の皆様に捧げたいと思います。あくまでもHIROの主観で書いている記事です。参考になる部分のみ取捨選択の上にご活用下さい。宜しくお願いします!
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■はじめに
私は、今回の記事を作成するにあたり、改めてタキプロの諸先輩や同期の皆さんの事例Ⅲに関する記事を拝見しましたが、本当に素晴らしい試験対策ノウハウの宝庫だと感じます。個人的には、年度別の再現答案も含め、多面的な分析が行われている記事が増えており、昨年今年と更に内容の充実が図られているように感じています。
そしてこれらのノウハウを活用して順調に対策を講じることが出来ていれば何の心配もございません。しかし、振り返ると、私自身がそうであったようにノウハウを知り得ただけでは成果には繋がらず、自分なりに腹落ちして使いこなせるようになる為には、時間と労力が求められ、2次試験を4回も受験することとなりました。
本記事では、もう一度、事例Ⅲの勉強をやり直すとしたら何をポイントに置くか?書き記してみたいと思います。
その前に、私の科目に対する苦手意識や得点状況もお知らせしたいと思います。1次試験では運営管理に苦手意識を持っており、必然的に2次試験の事例Ⅲにも苦手意識かつ実際に得点が低位安定をしており、本当に悩みの種でした。
因みに、1次試験2回受験の運営管理の得点は、苦手意識がありつつも、62点(R1)64点(R3)と平均的な結果に終わっています。そして、2次試験4回受験の事例Ⅲの結果は、55点(R1)54点(R2)52点(R3)72点(R4)と3年間1点ずつ点数が下がり続け、合格年のみジャンプアップ!の得点源となりました。
それでは以降に、ポイントを3つに絞ってお伝えしたいと思います。
■ポイントその1『1次知識の独り言が出来る』
2次試験の土台は1次試験にあります。
当たり前の話ではありますが、1次知識が不完全のままで2次試験に立ち向かうことは困難です。私の考える必要な1次知識とは、マークシート合格60点レベルに加えて、例えば、工場をつくるためには?と生産管理に関するお題を自分に投げかけて、その答えをキーワード用いて独り言を続けることの出来るレベルだと考えます。
合格後に改めて自分の実力を振り返ると、実は、このレベルにならないと与件文を理解出来ていなかったのだなと思えるようになりました。私と同じように、過去問が大切だ!といきなり事例Ⅲに取り組み、スムースに与件文を理解できない、設問解釈に懸命に注力する、それらしき回答が出来上がる、しかし残念ながら全く得点は伸びないという方も多いのではないでしょうか?
私は、2次試験1年目には全くこの部分に対応できず、何となくの55点留まりで終了しました。
2年目3年目は、予備校テキストやタキプロ記事でも推奨されているような市販参考書籍を手元に、1次知識をノートにまとめることを心掛けてみました。そして4年目は、書き出すのではなく、独り言をつぶやくレベルに到達出来たものと思います。
読者の皆様は、ひょっとしてどれほど高尚な内容なのか?と思われるかも知れませんが、HIRO流には、本当にとても稚拙な表現で恥ずかしいのですが、このような感じです。
自分への質問:工場をつくるためには?受注生産?見込生産?製造機械が必要だね?どのように配置する?ラインが出来たら作業者は何人必要?何時間交代?検査はどのようにする?作業者にはどのような教育やマニュアルが必要?効率をあげるための課題は何がある?材料は誰がどこへ発注する?納期はいつ?遅れた場合どうする?トラブルを未然に防ぐ策はどうする?新商品製造のためのラインを新たに追加するためには?等々、自分で自分に途切れなく質問して1次知識で答えるようにつぶやきます。
QCD、4M、ECRS、3S、5S、SPL等々のフレームワークを組み合わせて、ノートに繰り返し書き出して、生産管理全体を俯瞰した知識が血となり肉となるような感覚が養われて、事例Ⅲに対応する土台が培われてきたと感じることが出来るようになります。
生産管理の一つのキーワードから途切れることなく繋げることが出来るようになり、結果事例企業の全体を俯瞰して理解する能力が高まったのだと感じています。そして必然的に回答する際の文書作成能力も引き上げられたものと考えています。
■ポイントその2『設問解釈に注力し過ぎない』
設問解釈は極めて重要であることに全く異論はございません。
しかし与件文全体を理解した上での設問解釈になっている必要性を感じます。事例Ⅲのパターンとして、問1はSWOT、問2と問3は生産管理と統制の課題と対策、問4は今後の戦略を踏まえた提案のように分かれることが多いですね。事前に想定して待ち構えることのメリットもございますが、個別から入る意識が強すぎると、事例(企業全体)そのものに向き合う意識が希薄となり、一貫したスートーリーとして回答出来ない。細部に迷い込んでしまう。また少しでも変化球が飛んでくると対応出来ない。つまり合格点を確保出来ないということが往々に発生しているような気がします。
上述のように独り言のレベルにまで至らなかったものの、受験2~3年目は1次知識を活用できるレベルには到達していたものと思われます。しかしながら、なぜ得点に結びつかなかったは、フレームワークを振り回して設問重視のスタイルが強過ぎたためと感じています。中小企業診断士として求められているはずの、企業に対して寄り添い診断して助言するという本質に沿わない回答だった為に得点が伸びなかったのではないか?と結論付けています。
■ポイントその3『口述試験対策を活用する』
1次知識のぶつぶつ独り言が言える能力は、確実に与件文の読み込みと理解する能力を引き上げてくれたものと思います。そして、実はこの内容は、口述試験対策にも繋がるものだと実感をしております。
口述試験とは、2次筆記試験合格者に最後に課される面接試験のことです。実際、私もタキプロの口述試験に関する記事は、合格が決まるまで読んだことがございませんでした。ましてや、この口述試験対策が、実は2次筆記試験にも効果的であるとは夢にも思いませんよね。ぜひ過去記事を検索してご覧ください。
私は、2次試験合格発表後、口述試験の対策として、本試験であるR4年の事例の読み込みを行いましたが、結果今までのどの年度の過去問よりもその理解が進みました。あれっ?こんなに集中して与件文を読み込みしたことあったかな?(笑)という感覚に囚われました。つまりどんな質問が来て良いように備える、森を見て木を見る、与件に寄り添いかつ設問解釈を同時におこなう、自分の中にシームレスな状態が作られたものと感じました。
タキプロの過去記事『口述試験』にも同様のことを指摘されている諸先輩方も複数名いらっしゃいました。口述試験対策を行うことが、1次知識を独り言で言えるレベルに引き上げ、結果的に与件文をスムースに理解する力を引き上げてくれるのではないか?と強く感じました。感覚的ではございますが、過去問10年をさらっとやるよりも、1~2年分をここまでのレベルでやり切ると見える景色が変わってくるかも知れないと感じます。初年度受験の方には時間的な余裕は全く無いものと思いますが、今までの取り組みを見直そう、更なるレベルアップを図りたいという方は、口述試験の想定問答集を入手して対策を図ることが、何か変化をするための大きなキッカケになり得ると思います。各予備校名+口述試験で検索するとR4の想定問答集などを入手出来るものと思います。
■おわりに
それではまとめを記したいと思います。
1年目:無策のまま過去問に取り組み全く成果出ず。
2~3年目:上述ポイントのように1次知識の習得に励むものの、設問解釈に注力し過ぎ、フレームワークを振り回して設問の切り分けや段落付けなどのテクニックに終始し、与件文そのものに寄り添うことなく、本質を見失ったままの回答スタイルであったことが敗因。
4年目(合格年):1次知識の独り言が言えるレベルが培われて、素直に与件文全体をスムースに読み込むことが出来た。結果、設問解釈とスムースに連携がなされて高得点に繋がる。
今振り返ると、口述試験対策は2次筆記試験にも極めて有効なものであったと感じます。やっておけば良かったと強く思います!お時間のある方はぜひ取り組みされることをお勧めしたいと思います。
さて、今回の記事はいかがでしたでしょうか?あくまで読者の皆様がこれ使えるかも?とお感じになったらご活用ください。
1次試験まで3カ月を切りましたね。2次試験2回目以上の受験生は、初回受験生とは異なり、ひょっとして間延びしている時期かも知れませんね(私がそうでした)。
しかし、私の長かった受験生活も振り返るととても充実していた時間だったと感じます。皆様が、全力を尽くして試験に臨み、悔いの無い受験生活を過ごされますことをお祈りしております。いつも応援しています!
次回はnagaiさんの登場です。
お楽しみに!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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