型を探して三千里。門外不出!私なりの事例Ⅲの型をご紹介。 by真吉

事例Ⅲ

はじめまして。タキプロ16期の 真吉 と申します。
本日は、私が事例Ⅰ~Ⅲの中で一番対策に時間をかけた事例Ⅲへの対応方法についてまとめてみました。フレームワークやファイナルペーパーのようなまとまった情報ではありませんが、読んでいただいた方のヒントに少しでもなれば幸いでございます。


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■はじめに

初回なので自己紹介させてください。

名前:真吉 (shin-kichi)
職種:製造業 → IT企業 → 製造業で企画や経理など
受験歴:1次試験1回、2次試験1回 (令和6年度合格)
勉強時間:1次838時間 + 2次372時間 = 1,210時間 
勉強方法:独学のみ


製造業の経験は長いものの、特殊な業界に携わっていたため、事例Ⅲが特別得意というわけではありません。むしろ、その業界特有の常識に引きずられ、与件文に忠実ではない解答を作りがちでした。事例Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの中では特に対策に時間を割いた科目です。解法のパターンを見つけるには、多くの試行錯誤が必要で、事例Ⅲの本番直前期まで模索を続けていました。本日は、私なりに編み出した解法パターンを、失敗も交えてご紹介したいと思います。

過去問を解き進める中で感じた各事例の傾向を以下にまとめました:

  • 事例Ⅰ:対策していても設問解釈をミスると採点で大きく下振れするリスクがある
  • 事例Ⅱ:出来栄えの感覚より採点結果のほうが悪い!
  • 事例Ⅲ:解法パターンが少なめで、事例Ⅰ・Ⅱより点数の安定化を図りやすい!

巷では「事例Ⅳは勉強時間に比例して点数が取れる科目」と言われますが、個人的には、事例Ⅲも対策を通じて事例Ⅳに次ぐ安定した点数が取れる科目ではないかと感じています。

どうぞよろしくお願いいたします。

■事例Ⅲとは

改めて、事例Ⅲの特徴を整理してみましょう。中小企業診断士試験における事例Ⅲは、「生産・技術」をテーマとした科目です。この事例では製造業や生産現場を題材とし、以下のような課題に対する分析・提案能力が求められます:

  • 生産性向上:生産効率向上やボトルネックの解消
  • 品質管理:品質改善の方策や不良品削減
  • 設備投資:設備の更新や導入の基準
  • 人材育成:製造現場でのスキル向上や人員配置の最適化
  • コスト管理:生産コスト削減の方法


C社が抱える課題は、与件文内で複雑に絡み合い散りばめられています。そのため、いかに課題を構造的に整理し、解答につなげるかが事例Ⅲ攻略の鍵になるといえます。

ここからは、私が取り組んできた対策方法を時系列に沿ってご紹介します。合わなかったパターンや失敗例も含めてお伝えしますので、「こういうアプローチは合わない人もいる」「これはこの人にはうまくはまった」という感覚で読んでいただければ幸いです。解法パターンは人によって千差万別ですので、自分にフィットする方法を見つけるために多くのパターンを試すことをおすすめします。また、試行錯誤を通じて普遍的な実力アップにもつながるのではないかと思っています。

■初期の型 (無策→多色ペン)

私の場合、2次試験対策は1次試験が終了した直後から開始しました。右も左もわからない中、事前情報はほぼゼロの状態でR3の問題を解いてみました。 (以下、採点は「ふぞろい」の自己採点です。)
→8/12 R3:50点
初めて取り組んだ割には良い点数だと感じました。その後、解き方について情報収集を行い、数日後にR4の問題を解いてみました。この段階では、何となく「設問ごとに色を変えて、対応する与件文の箇所に線ひく→骨子の作成→解答の作成」でいいんだな!?くらいの認識です。
→8/17 R4:44点
はい、ダメでした。この多色ペン使いが私には全く合いませんでした。時間が足りません。この方法は割と一般的かと思いますが、合わない人には徹底的に合わないと感じました。事例Ⅲの難しさとしてよく言われる「設問の切り分け」とも相性が悪かったです。課題と解決策をどの設問に対応させるかを考えるうちに時間が足りなくなり、結果的にこの方法は避けるべきだと判断しました。

■中期の型 (シャーペン + 赤鉛筆の2色スタイル)

その後、段階的にシャーペンと赤鉛筆の2色スタイルへ変更しました。この「鉛筆」がポイントです。ペンでは太さや濃さの調整がしづらいですが、赤鉛筆ならそれが可能で、メモの書き込みにも適しています。市販の赤鉛筆は色が薄く、使いにくい印象があるかもしれませんが、私は三菱の建築用2.0mm赤芯と芯ホルダーを使用しました。文房具屋の端っこの製図用品コーナーにひっそりとあったりしますので、ぜひ試してみてください。

マーキングの方法としては、シンプルに以下を実践しました:

  • 与件文で大事そうな箇所に赤鉛筆で線引き
  • 必要に応じて「W/T」 (弱み・脅威) や「Solve!」 (問題点) と走り書きを加える


この時期は時短を目標に「赤鉛筆で線ひく→解答作成」を基本として、骨子はほぼ作っていません。この型で進めるようになった結果、時間内に余裕をもって解けるようになりました。ただ、この解法では「設問の切り分け」を解答作成時にぶっつけ本番で対応するようなものなので、設問間で意図しない解答要素の重複や抽出漏れによる失敗のリスクはあります。
初期に解いたR3/R4を内容も忘れた二ヶ月後の10月8日に解きなおした結果がこちらです。
→10/8 R3:60点、R4:72点
同じ時期の初見の問題での結果は以下の通りです。リスクはありますが、要素の重複や抽出漏れが少々あっても、ある程度の点数は確保できそうだと感じました。
→10/11 H30:65点
→10/14 R1:63点
→10/17 R5:59点

■後期の型 (メモ量MAX)

C社はできていないこと・問題点が山積みです。解答作成時、それらを設問間で整理する時間を取らないのは命取りになりかねないという焦りから、本番が近づいてくる10月後半になって新たな解法パターンを追加しました。
「赤鉛筆で線ひく→切り分けメモで整理→解答作成」です。かたっぱしから与件分に散りばめられた問題点をメモ用紙に抽出してグルーピングし、頭の中で構造化していくイメージで取り組みました。「切り分けメモ」の作成時間がかかるようになりましたが、このプロセスを通して、「設問の切り分け」を含めた問題点の把握・理解の解像度が一段階あがったように思います。
80分の時間制限がある中では、どこまで骨子やメモに時間をかけるか、非常に難しいポイントだと思います。私の場合、第一問で問われるSWOTなどは与件分のマーキングをメインにして、骨子メモの作成を省略しています。
本番直前期は初見問題が一問しか残ってませんでしたが、この時期の点数は以下の通りでした。
→10/22 R2:70点
本番前日に同じ問題をもう一回解いて私の解法探しは終了としました。
→10/26 R2:91点

■本番の型

さまざまな準備をして臨みましたが、結局本番では「切り分けメモ」を半分程度しか作成しませんでした。事例Ⅲの企業は、例年「問題だらけで、それらを解決する助言を行うもの」と認識しており、そのような企業の課題を整理する際に「切り分けメモ」が役立つと考えていました。

ところが、本番のR6事例企業は例年に比べて課題が少なく感じられました。むしろ今年のC社については、「優秀な企業じゃないか」と思わず本番中に笑ってしまったほどです。このような状況では、「設問の切り分け」で判断ミスをした際の失点リスクが例年以上に高まると考え、本番では意図的に解答要素を設問間で重複させる対応を取りました。

結果として、点数に全く自信がなかったものの、60点以上を獲得することができました。
→10/27 R6:65点
これまでの試行錯誤が、本番での柔軟な対応力に繋がったと感じています。

■おわりに

かなりの長文になってしまいましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございます。
2次試験対策では、単に学習時間を増やすだけでは成果を得られにくい場合があります。多様なケースに対応できる汎用的な思考力を養い、安定して結果を出せる再現性の高いスキルを身につけることが重要です。自分に合った解法の型を模索することで、こうした能力を効果的に身につけられるのではないでしょうか。

次回は、すこやか さんの登場です。 

お楽しみに! 

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