事例Ⅲは『平べったい』?? by ダイナマイト九州
こんにちは。ダイナマイト九州です。(自己紹介はこちら)
今回は二次試験の事例Ⅲを取り上げますね。
事例Ⅰ・Ⅱとの違い
僕が思う事例Ⅲの大きな特徴は、時系列をあまり意識しなくてよいということです。
生産管理がテーマなので、扱う対象が物理的(製品)であり、自ずと課題は『今』抱えている非効率の改善になってくるからです。
つまりめちゃくちゃ突き詰めて言うと、事例Ⅲで考えることは「いかに効率的に生産するか」に尽きるのです。
一方、他の事例(特にⅠ)の場合、事例企業の成り立ちや歴史を踏まえた上で、因果を意識した回答作成(例:歴史的要因等によって形成された悪しき組織文化+それによる弊害+打破するための施策+施策による効果、など)が求められる傾向があります。
じゃあどういう解答になる?
ここで、僕の二次試験本番(令和元年)の事例Ⅲの答案を掲載します。
先に言っておくと結果は71点でした。ネットの点数開示情報などを見ると去年は事例ⅠやⅡは高得点が多かったようですが、事例Ⅲで70点超えはそんなに多くは見なかったので、比較的高い点数なんじゃないか(=参考にしていただけるのではないか)と思います。
それではどうぞ。
<第1問>
強みは、①専業企業として蓄積した特殊な熱処理技術、②数種類の熱処理炉、③新設した設計部門と機械加工部門、④短段取り時間の汎用機械加工機、⑤ベテランの技能士資格。
<第2問>
効果は、①機械加工工程の稼働率向上、②量産機械加工のノウハウ獲得、③スケールメリットによるコスト削減。リスクは、①MC等の設備投資負担増加、②材料在庫の不足、③作業者による品質のバラツキ、④設計要員不足。
<第3問>(設問1)
在り方は、①熱処理工程と機械加工工程を同建屋に設置し仕掛品の移動削減、②作業のマニュアル化で品質の安定化、③将来の取引先拡大を見据え汎用機の導入、④ベテランのOJTと技能士資格の取得支援で多能工育成の上セル生産方式の導入、で生産性を高める。
<第3問>(設問2)
外注かんばんによるによる迅速な納品に対応するため、①納品予定内示と見直しを踏まえた需要予測管理、②予測に基づく材料在庫管理等の適切な生産統制、③都度発注している材料調達方法と材料商社との契約の見直し、④見込み生産の導入、⑤熱処理部と機械加工部統一の生産計画と在庫基準の日程計画を検討する。
<第4問>
既存の熱処理技術・設備に加えて強化する機械加工能力を、工業会が開催する商談会等でアピールし、自動車部品以外の市場やX社以外の取引先を新規開拓する。一貫生産体制を強みとして受注拡大し収益増を図り、X社への依存度を薄める。
事例Ⅲは『平べったい』
どうでしょうか?大まかな傾向としては「強み」や「効果」や「施策」を単体でいくつも並列に並べた、つまり『平べったい』解答に見えませんか?
例えば事例Ⅰでは「悪しき組織文化+それによる弊害+打破するための施策+施策による効果」のような因果を意識した解答が求められると上述しましたが、事例Ⅲではせいぜい「施策+効果」程度の因果(それらを並列で羅列)で書けてしまえるんですね。
ナンバリングを使った解答方法について
なお、今回の僕の答案のような「①~、②~」のナンバリングを多用する解答方法は、受験生の間では賛否両論あるようです。
僕自身、勉強している間はここまで極端にナンバリング推しの解答はしていませんでした。
ですが、ご存じのとおり去年は一次試験の合格率が30%を超えており二次試験の受験者数が非常に多くなることが予想されたため、二次試験会場の人混みを眺めながら、「合格発表までの限られた期間でこの人数の答案を捌く採点者の立場に立った時、パッと読んで理解できない(=読み込む必要がある)答案はダメだな」と感じ、本番当日に路線変更し、ナンバリング答案に統一しました。
この実体験を踏まえた、ナンバリング解答に関しての僕の結論は以下のとおりです。
①きちんと的を射ていればちゃんと点数は取れる
②因果の構成が重要な事例Ⅰ(やⅡ)に比べ、事例Ⅲの方が相性がいい
ちなみに、事例Ⅰの結果(こちらもナンバリング多用)は60点ジャストでした。
ジャストというのがまた良い検証結果になっていると思うのですが、要素さえきちんと押さえていれば、因果の構成が薄まるナンバリング答案でもキッチリ合格点は取れるということを実感しました。
(事例Ⅱは1問やらかしてしまって58点でした。そのためあまり参考にならないですが、肌感覚的には、あのやらかしで概ね合格点に近い点数が取れているということは、ナンバリング解答との相性の良さは事例Ⅲ>事例Ⅱ>事例Ⅰになるかなと感じています。因果の重要性という観点でも理屈は通っていると思います。)
以上、事例Ⅲ(とナンバリング解答)についてお伝えしました。参考になれば幸いです。
明日はこなんさんの投稿です!お楽しみに!
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