「事例Ⅲ」対策~必要なのは想像力と論理~by次郎

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こんにちは!
タキプロ12期の「次郎」です。

今回は、二次試験(筆記)の事例Ⅲについて、「どうすれば得点が上がるのか」を、自分の経験を交えながらお話します。

主に、二次対策にしっかり取り組みたい方向けですが、まずは一次試験という方にも今からできる取り組みを意識しながら記事を書いていますので、ぜひ最後までお付き合いください!

なお、これまでに私が執筆したブログはこちら。

「中小企業経営・中小企業政策」勉強のやる気(2021/3/25)

【祝!令和2年度合格】独学で短期間合格/次郎さん(2021/1/22)

■はじめに

皆さんは、事例Ⅲにどの様な印象を持っていますか?

事例Ⅲは、「生産、技術を中心とした経営の戦略及び管理に関する事例」です。

メーカー勤務で生産管理に携わった方などでなければ、中々取り組みにくいのではないでしょうか。実際、受験生に聞くと、「具体的にイメージすることが難しい」といった声が挙がります

私も、そんな一人でした。

ただ、色々と試行錯誤しながら2次試験の勉強を進める中で、最初に仕上がった科目がこの事例Ⅲでした。当時、過去問を解く際に目標としていた自己採点7割を達成したときの嬉しさは今でも覚えています。

では、何が得点を向上させることにつながったのかを私なりに分析していきます。

■事例Ⅲの特徴

事例Ⅲの対策を練る上では、2つの特徴を意識しました。

クライアントの種類が限られる

記述問題を主とする他事例と比べた場合、事例Ⅰと事例Ⅱのクライアント(問題を解決する相手)はサービス業や製造業と様々ですが、事例Ⅲのクライアントは製造業のみです。

特に、B2Bで加工機械などを製品とするケースが多いです。このことは、問題や解決策が似た内容になりやすいことにつながります。

問題点が比較的明らか

問題解決のプロセスとして、As-Is(問題点)とTo-Be(あるべき姿)を把握し、Gapを課題として定義するというのはよく聞く話かと思います。

事例Ⅲは、As-Isを与件文で読み取りやすいことが多いです。具体的には、「作業のマニュアルが無いため属人化」などと、殆どそのまま解答に使えるような形で記載されていることもあります。

ではこれらを踏まえて、事例Ⅲの得点を上げるために何をしていくべきかをご紹介します。

■事例Ⅲの対策の仕方

1. 想像力を身に着ける

2. ロジカルさを鍛える

3. 持ち駒を増やす


1. 想像力を身に着ける

クライアントが製造業に絞られるということは、製造業に馴染みの無い人は苦戦を強いられることになります。

例えば事例Ⅱなら、B2Cのサービス業などの場合、身近に触れる機会が多いため問題点や解決策を想起し易いです(それが罠にもなりうるのですが)。事例Ⅲを解く際のイメージを持つためには、文章だけではなくビジュアルを交えて理解することをオススメします。

私の場合、まず次の本を読みました。その上で、工場見学に行き、生産管理ではどの様なことが行われているのか、生産現場では何が問題となるのかを想像できるようにしました

  • 松林光男/渡部弘 編著 『イラスト図解 工場のしくみ』(日本実業出版社、2004年)

2. ロジカルさを鍛える

事例Ⅲは、第1問でSWOT分析をし、終盤でそれを活かすというパターンが多いです。そのため、いかに、問題分析、課題整理、解決策提示までを、一貫性を以て行えるかが鍵だと考えています。

とは言え、ロジカルシンキングは、意識しないと身に着かないものです。せっかくなら、過去問を解いて鍛えましょう。

私の場合、現行制度開始以降の全過去問を解いて、その度に解答の一貫性を検証し、序盤~終盤の局面ごとにどの様な出題傾向があるかをパターン化していました。

ロジカルシンキングをしっかり身に着けたい方には、次の本をオススメします。余力があれば読んでみてください。

  • 照屋 華子著/岡田 恵子著『ロジカル・シンキング』(東洋経済新報社、2001年)

3. 持ち駒を増やす

事例Ⅲのよくある悩みとして、解答根拠が切り分け難いということがあります。これには、60点の合格ラインを目指すなら、時にはあえて重複させるのがセオリーです。

ただし、持ち駒を複数持っておくと、解答内容に幅を持たせることができます。例えば、「資材置き場が散らかっている」状況を改善するために、第2問で「SLP(システマティック・レイアウト・プランニング)」を示した場合、第3問でも「SLP」と書くよりは「5S」と書くイメージです。

持ち駒を増やすためには、過去問を解いてパターン化することも重要ですが、一次試験科目「運営管理」テキストの「生産管理」章で、体系的に身に着けることも有効です。

私の場合、2回目の二次試験受験時には、一次試験の合格から1年が経過して所々知識が抜けていました。二次試験の過去問でボトムアップ式に解決策のパターンを習得することに加え、トップダウンで知識を復習することで未知の問題に対応しやすくなります。

一次試験が未合格の方は、まずは一次試験対策に集中することをオススメします。必ず二次試験で役に立ちます。

■おわりに

以上、私(次郎)が考える事例Ⅲの対策でした。もし「これは使えるかも!」という内容があれば、明日から実践してみてください。試験合格につながれば何よりです。

中小企業診断士を目指して良かったことの一つに、世界が広がったというのがあります。事例Ⅲの勉強をすることが無ければ、公園遊具やパック野菜の生産工程にも興味を持たないままでいたと思います(何のこと?という方は過去問を解いてみてください)。

皆さんも、自分なりの楽しさを見つけてモチベーションを高めつつ勉強してみてください。 応援しています!


次回はのりぼーさんの登場です。
お楽しみに!

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