事例Ⅲを得点源に!~丁寧な根拠の切り分けを意識して~
皆様、こんにちは!
タキプロ12期の「とし」です。
前回の8月のブログを書いている時にちょうど実務補習と期間が重なってしまい、非常に苦労しました。
8月の実務補習は2020年2月以来の2回目だったのですが、製造業の企業の経営診断を行い、生産・技術と人事・労務の2つの担当となりました。
製造業の生産・技術だけでなく、経営者の方が強い課題を感じていた人事・労務とのダブル担当になってしまい(自分でやりたいと言ってしまいました(笑))、非常に難度の高いタフな経営診断となったのですが、生産・技術はまさに今回ブログで述べさせていただく事例Ⅲに直結する内容の診断となりました。
詳しくは、試験合格後の活動(次回ブログ記事予定)にてご紹介します!
さて、今回のタイトルが「事例Ⅲを得点源に!」ということで、令和2年度2次試験の事例Ⅲの私の再現答案を紹介しながら、その時の心境を振り返ってみたいと思います。
事例Ⅲの得点開示はちょうど「66点」だったのですが、事例Ⅰや事例Ⅱとは異なり、手応えとほぼ同じような点数が取れていました。
事例Ⅲは製造業の企業が多く取り上げられ、私も含めて馴染みのない受験生も多くいらっしゃるかと思いますが、回答の根拠の切り分けがしっかりできれば、高得点が狙える事例でもあると考えています。
是非、私の再現答案から得られる教訓について、参考にして頂けましたら幸いです。
■第1問
第1問
C社の(a)強みと(b)弱みを、それぞれ40字以内で述べよ。
【再現答案】
(a)溶接技術や研磨技術の蓄積による仕上げ品質、設計・製作・据付工事までの一貫受注体制。(40文字)
(b)製造前プロセスでの時間消費や高度な加工技術が必要な受注内容による納期遅延の発生。(40文字)
3、4段落に記載のA社の強み、9、10段落に記載の要因による納期遅延が弱みと理解し、回答を構成できると考えました。
■第2問
第2問
C社の大きな悩みとなっている納期遅延について、以下の設問に答えよ。
(設問1)
C社の営業部門で生じている(a)問題点と(b)その対応策について、それぞれ60字以内で述べよ。
【再現答案】
(a)問題点は、製作図及び施工図の顧客承認段階での仕様・図面変更や図面承認後の製作段階で顧客とのやり取りが多く、時間を要すこと。(60文字)
(b)対応策は、設計に3次元CADを導入し、顧客承認段階で仕様や図面、イメージを摺り合わせて、顧客とのやり取りを抑制させる。(57文字)
C社の営業部門ということで、営業部に関する記述がある【業務プロセス】の部分から、納期遅延につながっている顧客承認段階ならびに製作段階での問題点、および2次元CADを古くから使用しているという記述を3次元CADの導入のためのヒントと捉えて対応策についての回答を整理し構成することを考えました。
(設問2)
C社の製造部門で生じている(a)問題点と(b)その対応策について、それぞれ60字以内で述べよ。
【再現答案】
(a)問題点は①研磨工程での作業チーム間の技術力差やモノの移動等による生産性低下、②工程順序や工程見積もりでの生産計画が拙い事。(60文字)
(b)対応策は①社内研修による作業チームの技術力向上、②SLPによりレイアウトの最適化を行う、③工程順序や工程見積もりの標準化。(59文字)
今度はC社の製造部門ということで、製造工程に関する記述がある【生産の現状】の部分から、納期遅延につながっていると考えられる複数の問題点についてもれなくダブりなくピックアップして整理しました。
また、対応策については、技術力差については研修による技術向上、モノの移動による生産性低下についてはSLPによるレイアウト最適化、工程順序や工程見積もりについては標準化を行うこと、のように回答を整理し構成することを考えました。
■第3問
第3問
C社社長は、納期遅延対策として社内のIT化を考えている。C社のIT活用について、中小企業診断士としてどのように助言するか、120字以内で述べよ。
【再現答案】
IT活用は、①製造部と営業部を統合した全社的な短サイクル化した生産計画を作成し、DB化して社内共有・一元管理する、②受注から顧客引き渡しまでの情報を入力し、進捗・現品・余力管理を徹底する、③仕様や図面、CADデータを共有し、部門間等の打ち合わせを減らす。(120文字)
この設問ではIT活用について述べられており、過去問や練習問題でも類題があったと記憶しており、取り組みやすい問題と感じました。
また、【業務プロセス】の部分で「製作プロセスを含む業務プロセス全体の見直しを進めている。また、その対策の支援システムとしてIT化も検討している」と述べられていることから、業務プロセス全体に関わってくる生産計画・生産統制についての記述は外せないと考えました。
また、第2問で使用しなかった、製作工程の作業者間の打ち合わせ・営業部門との打ち合わせについても、製作プロセスを含む業務プロセス全体の話であると考え、この設問で解消すべき問題点としてIT化を通じて解決するように回答を構成しました。
■第4問
第4問
C社社長は、付加価値の高いモニュメント製品事業の拡大を戦略に位置付けている。モニュメント製品事業の充実、拡大をどのように行うべきか、中小企業診断士として120字以内で助言せよ。
【再現答案】
①溶接技術や研磨技術を強化して品質を高める、②設計部門を新設し、設計力を強化する、③営業力を強化し、仕上げ品質の高さや一貫受注体制を訴求しつつ提案型営業を行うことで、新規顧客の開拓を行う。以上により、高付加価値化して事業を拡大させる。(117文字)
第4段落にモニュメント製品では特殊加工と仕上げ品質が要求される、とあることから、まず第1問で回答したA社の強みを強化すること、設計段階で時間がかかっているという記述ならびに営業部員が設計を行っているという記述から設計部門を設立し設計力を強化すること、営業力を強化して強みを訴求しながら提案型営業を行うこと、の3点で回答をまとめ、最後に効果の記述で締めました。
■まとめ
いかがでしたでしょうか?
令和2年度2次試験事例Ⅲでは、全ての設問が納期遅延という問題の解決につながっている、という珍しい問われ方をされていましたが、それでも問題本文および設問におけるヒントをしっかり理解し、根拠を適切に切り分けて回答できれば、合格点は取れるものと考えます。
実際、試験後に「C社の工場建屋の制約から設置高さ7m以内の製品」に制限されているという記述に対する解決策の提示ができていないことに気づき少しショックを受けましたが、全体的にできたという手ごたえはあり、結果的には66点という合格点を取れていました。
この制約についての記述は、問題本文の比較的最初の部分で記載がなされていたため、ピックアップするのをうっかり忘れてしまったと考えていますが、誰でも本番でミスをする可能性があり、例え1つミスをしても、その他でしっかり回答できれば合格点は間違いなく取れます!
普段の過去問演習を通じて、根拠の切り分けについて正確に判断ができるように、設問で何が問われているのかを落ち着いて判断できるようになっておけば良いものと思います。
このブログを読まれている皆様も、まさに今、2次試験の過去問に取り組まれていると想像しますが、本番を想定して取り組まれることをおすすめします!
次回ははまんさんの登場です。
お楽しみに!
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